これから、2月から3月にかけて引っ越しシーズンがやってきます。4月からの新生活に期待や不安がある中でも、まずは新居への引っ越しを済ませなければいけません。
それでは、こういった引っ越しで困ってしまうポイントとはどのようなことが考えられるでしょうか?実は、引っ越しに伴って大型家具の買い替えをする方が非常に多いため、もともと使っていた家具・家電の処分に困ってしまうという方が非常に多いと言われています。一昔前までであれば、引っ越し業者が不用品の引き取りも一緒に行ってくれる場合が多かったのですが、法整備が進んだ現在では、不用品の回収に消極的な引っ越し業者の方が多くなっていると言われています。
そこでこの記事では、引っ越しに伴う不用品回収を引っ越し業者に依頼することがあまりオススメできない理由と、他にどのような不用品の処分方法があるのかについてご紹介します。
引っ越し業者は不用品の回収をしてくれない?
それではまず、現在の引っ越し業者と不用品回収の関係性について簡単にご紹介しておきましょう。冒頭でご紹介したように、一昔前までであれば、引っ越しに伴って大型家具の処分が必要になった場合、引っ越し会社がそれを引き取ってくれるようなサービスが存在していました。これは、廃棄物処理法の改正以前の話で、実際に、引っ越しに伴って生じる大型の家具・家電などの不用品を引き取ってくれるサービスを用意している引っ越し会社は非常に多かったです。
しかし「現在は?」というと、以前のように引っ越しで生じる不用品ならどのような物でも回収してくれるような会社はほとんどなく、基本的に不用品の回収には消極的になってきていると言われています。実際に、引っ越し業者のサイトなどを見ても、引っ越しに伴う不用品回収サービスを用意しているような会社でも「引き取ってくれるのは一部の品目のみ…」「買取り可能な不用品のみ」など、かなり限定されたサービスに変容しています。
それでは、引っ越し会社の不用品回収サービスがこのようになってしまった原因が何なのでしょうか?
不用品回収の『許可』がハードルになっている!
上述したように、もともと不用品回収も同時に行ってくれていた引っ越し会社ですが、現在ではほとんどの会社が『不用品回収』に消極的になっています。
実は、これには大きな理由があり、「不用品回収を行うには許可が必要…」ということが非常に大きなネックになっているのす。一般の方であれば、あまり知らない事実なのですが、不用品の回収を行うためには「一般廃棄物収集運搬許可」や「産業廃棄物処理業許可」など、決められた許可を会社として取らなければいけないのです。こういった許可を引っ越し会社が取得すれば、問題なく不用品の回収を行うこともできるのですが、「他府県をまたいで活動する…」という引っ越し会社の業態がネックとなり、許可の取得が非常に難しくなっているのです。
どういうことかというと、不用品回収に関する許可に関しては、都道府県単位や市町村単位の許可となるため、複数のエリアをまたいで業務を行うのが当たり前の引っ越しの場合、非常に広範囲のエリアでいくつもの許可を取得しなければいけないのです。また、ゴミの破棄方法や回収できるものとできないものなどといった不用品回収のルールが、自治体ごとに細かく規定されているため、さまざまなエリアの顧客を相手にする引っ越し会社では、サービスに統一感を出すことも難しくなっているのです。さらに、許可を取得したくてもエリアによっては許可が取れない…なんて場合もありますし、お客様によって回収できる場合と回収できない場合があるなどとなってしまい、サービスに不公平感が出てしまうのが現状なのです。
こういった理由もあり、現在では引っ越し業者が全てのエリアで不用品回収の許可を取得し活動するということが現実的ではなくなっており、「不用品を回収するにしても品目を限定する」「そもそも不用品の回収は断る」なんて状況になっているのです。
不用品回収を引っ越し会社に依頼すると損かも!
ここまでの説明で分かるように、現在では法律などの整備により、引っ越し会社が不用品回収にかなり消極的になっています。しかし、その中でも、オプションサービスなどとして不用品回収も受け持ってくれる引っ越し会社は存在します。そういった会社は、以下のようなサービスを行っていることが多いです。
- 衣類、書籍、DVDなどの小物であれば、段ボール〇個まで無料回収
- 家電リサイクル法対象品は、リサイクル料金と引き取り料金を支払うことで回収
- まだ使用可能だと判断できる状態の家電・家具なら回収
このように、回収範囲はかなり限定されるものの、幾分かの不用品の回収なら対応してくれるという業者も存在します。小物の無料回収は非常に便利ですので、使うのがオススメです。
なお、引っ越し会社によっては「オプション料金」を支払うことで、全ての不用品回収を受け持ってくれる会社もあります。引っ越しと不用品回収が同時に済みますので、とても便利だと利用したくなる人も多いです。しかし、このような場合、不用品回収のオプション料金がいくらに設定されているのかをしっかりと確認しておいた方が良いです。なぜかという、引っ越し会社が行っている「不用品をまとめて処分するプラン」に関しては、引っ越し会社が直接行っているわけではなく、ほとんどの場合、提携している不用品会社に作業を外注しているだけなのです。つまり、自分で不用品回収業者を選別する手間はなくなりますが、引っ越し会社の仲介手数料が上乗せされてしまうため、不用品回収にかかる費用が割高になってしまう可能性が高いのです。
現在では、不用品回収業者も非常に増えており、価格競争状態になっていますので、業者選定の手間を考えなければ、引っ越し業者に不用品回収を依頼するメリットはほとんどありません。
不用品はどのように処分すれば良い?
それでは、引っ越しの際に出てくる、大型家具や家電などの不用品はどのようにして処分するのが良いのでしょうか?引っ越し業者に依頼しても断られるかも…または割高になってしまうかも…なんて情報を聞くと、処分方法に困ってしまうと考える方も多いですね。
しかし、大量の不用品であっても、現在では処分する方法はいくらでもあるのです。以下に、いくつかの不用品の処分方法をご紹介しておきますので、自分に最も合った処分方法を選択してみてはいかがでしょうか?
①自治体回収を利用する
大型家具や家電などの処分については、粗大ごみとして自治体回収に出せば格安で処分することが可能です。ただし、指定日に指定場所まで自分で運ばなければならない…など、自治体ごとのルールを守って処分する必要があります。
例えば、一人暮らしの方であれば、大型のソファーやダイニングテーブル、タンスなどを処分したくても、回収場所まで持っていくのが現実的に困難…なんて場合もあるでしょう。他にも、自治体では回収不可能な物品も少なくありませんので、全ての不用品を自治体に回収してもらうことは難しいと考えておきましょう。
②リサイクルショップに売却する
不用品の状態や品目によっては、リサイクルショップに買取りしてもらうことも可能です。この場合、不用品の処分に費用をかけるどころか、逆にお金が手に入りますので、状態の良いものはこの方法がオススメかもしれませんね。
ただし、リサイクルショップは何でもかんでも買い取ってくれるわけではなく、状態が悪い家具、古すぎる電化製品などは、まだ使える物でも買取りを断られてしまいます。つまり、不用品の処分が確実に終わるわけではありませんので、早めに査定してもらわなければ、引っ越し当日に困ってしまう…なんてことになりかねません。
③ネットで自分で売る
近年では、フリマアプリやネットオークションなどのサービスがありますので、手間を我慢すれば自分で売却することも可能です。あなたが不要と考えているものでも、他人にとっては価値があると思ってもらえるような物もありますので、予想外の高値で売却することも期待できます。
ただしこの方法の場合、売却したい物品の出品作業などにかなり手間がかかります。例えば、商品をさまざまな角度から撮影しなければいけませんし、売却できるような魅力的な説明を考え、使用するサービスのルールに従って出品をする必要があります。慣れてくればそこまで時間はかからないかもしれませんが、最初はかなり時間がかかります。さらに、出品すれば必ず売れるわけでもありませんし、売れたとしても配送手続きをしなければならないなど、面倒な手続きを覚悟しておきましょう。特に、引っ越しが完了するまでに売却できなければ、困ったことになります。
④家電量販店に引き取ってもらう
大型家電の買い替えであれば、新しい家電を購入した家電量販店に古い家電を引き取ってもらうことも可能です。古い家電の引き取り料金は、物品やお店によって変わりますが、かなり格安で処分ができる場合も多いです。
注意が必要なのは、家電量販店の引き取りに関しては「搬入と搬出を同時に行う」ことが想定されていると言う点です。したがって、引っ越し前の別の日に搬出だけお願いする、別の場所に古い家電を取りに行ってもらうなどの対応は断られてしまう可能性が高いです。つまり、この方法を使う場合、不用な大型家電を新居まで一度運んで引き取ってもらう…ということになるため、不用品回収とは別に引っ越し代の節約ができなくなってしまいます。
引っ越しは、持ち運ぶ物品が少ないほど安くなりますので、引っ越し前に不用品の処分を済ませるのが節約のコツです。
⑤不用品回収業者に依頼する
大量の不用品が…大型家具や家電が…などといった場合、不用品回収業者に依頼するのが最もオススメです。上でもご紹介しましたが、引っ越し業者の不用品回収に関しても、こういった業者に依頼しているだけですので、仲介手数料を考えると自分で良さそうな業者を選定する方が、結局安くつくのです。
不用品回収業者であれば、他の処分方法とは異なり、どれだけ大量の不用品であっても、指定日までに確実に処分することができ安心です。「できるだけ安くしたい…」などと考えれば、リサイクルショップやフリマアプリで自分で売却しながら、家電は量販店に相談する…などといった方法も考えられますが、かなりの手間と時間をとられますので、その手間と時間を買ったと考えれば安いものだと思います。最近では、不用品の「積み放題プラン」なども登場していますし、上手に利用すれば、引っ越し料金を安くでき、総合的にはそこまでお金がかかっていないという状況まで持ち込める可能性もあります。
さらに、現在では不用品回収業者が引っ越しサービスも提供しているという場合がありますので、これを利用すればいろいろな業者と打ち合わせする必要もなく、一日で引っ越しと不用品の処分を完了させることができます。手間と時間、総合的な費用を考えれば、不用品の多い引っ越しは不用品回収業者が最もオススメかもしれませんね。
まとめ
今回は、これからやってくる引っ越しシーズンに備えるため、引っ越しに伴う大量の不用品はどのようにして処分するのがお得なのかについてご紹介してきました。
この記事でもご紹介したように、一昔前までであれば、引っ越し業者が不用品の回収も行ってくれていたため、「不用品なんて引っ越し業者に言えば良い」と考えている方も少なくありません。しかし、さまざまな法整備があった現在では、引っ越し会社が不用品の回収を受け持つことが難しくなっており、回収してもらえても小物ばかりで、肝心な大型家具・家電は自分で処分方法を探さなければならない…なんてことが多いのです。
もちろん、粗大ごみとして自治体回収に出しても良いのですが、住んでいる場所によっては、指定場所まで運ぶのが難しく、なかなか処分することができない…なんてことも考えられます。そういった場合には、不用品処分の専門家である不用品回収業者に相談するのが最もオススメです。中には、引っ越しも一緒に受け持ってくれる場合がありますので、手間や時間を総合的に考えると、かなり安く不用品の処分が完了するはずです。
注意が必要なのは、不用品回収業者の中には悪徳業者も少なく無く、消費者トラブルも年々増加していると言われている点です。したがって、不用品回収業者に相談するのであれば、一社だけに相談するのではなく、複数の業者から相見積もりを取るなど、悪徳業者に騙されないための対策も考えておかなければいけません。