憧れのマイホーム購入を検討した場合には、家を買うにしても「新築一戸建て」と「中古一戸建て」で迷ってしまう方も多いのではないでしょうか?日本は、諸外国と比較しても『新築信仰』のようなものがあり、マイホームを購入するなら「断然新築が良い!」と考えてしまう方が多いと言われています。しかし、現在の日本では、空き家問題がどんどん深刻化していると言われており、誰も住んでいいない放置空き家がたくさんある横で、新しい家が建てられて行っている…という状態が悪循環とも考えられるようになっています。
そもそも外国の状況を考えてみると、全住宅流通量に占める中古のシェアは非常に高くなっています。少し古い情報ですが、国土交通省が公表した資料によると、全住宅流通量に占める中古のシェアについて、アメリカで90.3%(2009年)、イギリスは85.8%(2009年)だったそうです。そして日本はというと、わずか13.5%(2008年)で、欧米諸国と比較すると、中古住宅が見向きもされない…などと言える状況だったのです。
こういった状況もあり、日本政府は中古住宅市場の活性化を支援するさまざまな対策を行うようになっています。ただし、家を購入するのはあくまでも消費者側ですので、あなたが家に何を求めているのかによって新築か中古かを決めるべきです。
そこでこの記事では、『新築一戸建て』と『中古一戸建て』について、それぞれのメリットとデメリットを簡単にご紹介していきたいと思います。
参考データ:中古住宅流通促進 中古住宅流通促進・活用に関する研究会
新築一戸建てのメリット・デメリット
それではまず、新築一戸建てを選択する場合のメリットとデメリットからご紹介していきましょう。この記事では、基本的に『中古一戸建て』を購入するのと比較した時のメリットとデメリットをご紹介しておきます。
新築一戸建てのメリット
それでは、新築一戸建てを購入する時のメリットからご紹介していきましょう。日本人にとっては、高度成長期の時代から「新築住宅の購入」が一つのステータスとみなされてきたこともあり、現在でも、新築一戸建ての購入は、家が手に入るという物理的なメリットだけでなく、心理的なメリットまであると言われています。
以下で中古住宅と比較した場合の、代表的な新築のメリットをあげていきましょう。
- 『新築』に住むという満足感を得られる
新築一戸建てを選ぶというのは、このような心理的なメリットも大きいです。実際に、ある調査では、中古一戸建てにしなかった理由では「新築の一軒家の方が気持ち良いから」という理由が1位だったそうで、気持ちの問題で『新築は譲れない』と考えている方も多いようです。 - 最新設備が導入できる
現在の新築住宅であれば、太陽光発電や家庭用蓄電池など、最新の便利な設備が搭載されるようになっています。中古住宅を選択した場合、家の構造の問題などで、後付けする事ができない…という場合も多いので、この点は大きなメリットです。 - 生活にかかるランニングコストが安い
現在の家は、『高気密・高断熱』がキーワードになっています。そして、高い断熱性を持つ家は、エアコンなどの空調効率も良く快適に生活していくためのランニングコストを抑えることができるのです。 - 税制上の優遇を受けやすい
政府が中古市場の活性化を支援するようになっていますが、それでも新築の方がまだまだ税制上は優遇されていると言えます。この点は、中古住宅を選択するのと比較すると大きなメリットになるでしょう。 - メンテナンスコストの面
新築でも中古でも、家はそこに存在するだけで劣化が進行してしまいますので、メンテナンスは必要不可欠です。しかし、当然新しいものの方が壊れにくいので、新築一戸建てを購入する方が、メンテナンスコストが安くなります。 - 保証期間
新築住宅は、「住宅品質確保促進法」により10年間の保証が必ずついています。柱や梁など住宅の構造耐力上主要な部分、雨水の浸入を防止する部分の不具合の保証ですので、安心して生活ができます。中古住宅は、見えない場所に致命的な劣化があることも考えられます。
新築一戸建てのデメリット
それでは、新築一戸建てを選択する場合のデメリット面も考えてみましょう。
- 中古よりもお金がかかる
家を購入する方にとって『新築一戸建て』を選択する場合の最大のデメリットは、中古よりも家を手に入れるのにお金がかかってしまう…ということです。国土交通省の「令和2年度住宅市場動向調査」によると、分譲戸建住宅の購入資金は平均で3,826万円なのに対し、中古戸建住宅の購入資金は平均で2,894万円となっています。中古と比べて平均1,000万円近い費用がかかってしまうのは大きなデメリットになるでしょう。 - 立地条件が限られてしまう
駅近や立地が良く比較的地価が高い土地は、既に何らかの建物が建っている時代ですし、これから新たに家を購入する場合、売り物の数から考えても郊外の立地になることが多いです。要は、家の立地に関しては、自分たちの意見をそこまで反映できない可能性が高いということです。 - 付帯設備の購入など、家本体以外にもお金がかかる
新築一戸建ての場合、エアコンや照明など、付帯設備は自分たちで別途購入して用意する必要があります。当たり前のことと思うかもしれませんが、ここにはかなりの費用がかかると覚悟しておきましょう。
中古一戸建てのメリット・デメリット
それでは次に、中古一戸建てを選択する場合のメリットとデメリットについてもご紹介していきましょう。ここでは、新築を選択するのと比較した場合のメリット・デメリットです。
中古一戸建てのメリット
中古一戸建てを選択する方は「新築より安いから」という理由がほとんどだと思います。実は、中古一戸建てについては、価格以外の面でもいくつかメリットが存在します。
- 『新築』よりも安い
上述したように、中古一戸建ての最大のメリットは、購入にかかる費用が安くなるということです。一般的に、新築一戸建てと比較すれば、2~5割程度安くなると言われています。そもそも、木造住宅が多い日本では、築20年を過ぎると、建物部分の価値がほぼゼロになってしまうことで、一戸建て住宅であっても、土地代だけで購入できるケースもあるのです。 - 住んだ時のイメージがしやすい
実際にそこに住んだ場合の生活をイメージしやすいというメリットがあります。例えば、家の日当たりや風通しなどに関しては、家が完成してからでないと確認しようがありません。また、家周辺の住環境などを、前の持ち主さんに聞くことができ、住みやすそうかの判断もしたうえで購入できる点が大きいです。 - 付帯設備が残っている場合もある
エアコンや照明などの付帯設備が既にある場合もあり、その場合は家購入後にかかるコストを削減できます。「他人が使っていたものはちょっと…」と言った方にとっては、メリットにはなりません。 - お金をかければ新築同等の住宅性能を目指せる
中古住宅購入後には、壁紙やキッチンなどの水回り設備のリフォームは必ず行うでしょう。しかし、これ以外にも、断熱材の追加、耐震性の向上など、家の基本性能を向上させるリノベーションも可能です。要は、お金をかければ新築一戸建てに近い住宅性能を目指すことができるのです。基本的には、リノベーションにかかる費用を考えても、新築よりは安く収まると思います。 - 中古ならではの味わいが出る
これは人によってメリットになるというポイントです。家も、人が住んでいるうちに味わいを増していきます。特に、太い柱などがある中古住宅は、新築では得られない独特な魅力を持っています。そういった雰囲気が好きな方にとっては大きなメリットになると思います。
中古一戸建てを購入する際には、ホームインスペクション(住宅診断)をきちんと受けている家を選ぶのがオススメです。そうすれば、住宅の過去の修繕内容や現在の家の品質などもしっかりと確認することができるため、「住んでみてからボロボロで後悔する…」なんてことを防ぐことができるでしょう。
中古一戸建てのデメリット
それでは最後に、中古一戸建てを購入する場合に考えられるデメリット面についても簡単にご紹介していきましょう。ちなみにここでは、購入した中古住宅にそのまま住むことを想定した場合のデメリットです。
- 早期にリフォームが必要になるかも
中古住宅最大のデメリットは、やはり「古い」ことです。内覧では気づくことができなかったけど、住んでみると強風の日は、ギシギシと変な音が鳴る…など、後から不満に思うポイントが出てくる可能性は少なくないです。そのため、購入後、想定していたよりも早くリフォームやメンテナンスが必要になる場合があり、これは大きなデメリットです。 - 維持コストが割高
新築戸建てと比較すると、維持コストや生活にかかるランニングコストが割高だという点もデメリットです。中古住宅の場合、断熱性が弱い、省エネに対応していないなどと言った理由で、生活にかかるランニングコストはどうしても高くなります。さらに、新築よりは劣化した状態の物を購入しているわけですので、不具合なども生じやすく、メンテナンスなどの維持コストが割高になります。 - 新築と比較すると保証期間が短い
中古の場合、個人間の売買ですので、家の保証面が弱い(短い)という点がデメリットです。瑕疵担保責任(現在は契約不適合責任)という言葉は耳にしたことがあると思うのですが、中古の場合、新築のように10年間も保証してくれるようなことはありません。さらに、『古家付き土地』として安く購入した場合、あくまでも土地として購入しているわけですので、建物の不具合にクレームをつけることはできないのです。
中古一戸建てには、上記のようなデメリットがありますので、注意しましょう。また、建物の耐震基準については、過去に2回ほど改正されています。日本は、いつ地震が発生してもおかしくない国ですので、中古住宅を購入する場合は、2000年6月以降、少なくとも1981年6月以降の中古住宅を選びましょう。
まとめ
今回は、家の購入を検討している方に向け、新築一戸建てと中古一戸建て、それぞれのメリットとデメリットをご紹介してきました。この記事でご紹介したように、空き家問題が深刻化している中、政府が中古住宅市場の活性化を支援しているものの、日本人には根強い新築信仰のようなものがあるため、「どうせ家を買うなら新築が良い」と考えている方が多いと思います。
新築一戸建てと中古一戸建てに関しては、一長一短な部分もありますので、皆さんが家に求めるものをよく考えて決めると良いでしょう。家は何十年も住み続ける物になりますので、「どうせ買うなら新築の方がメリットが多い」と考えるものですが、誰にとっても「新築がオススメ出来る!」というわけではなく、中古一戸建てにもメリットは存在するのです。
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