憧れの一戸建て住宅を購入しようと考えた場合、必ず耳にすることになるのが『注文住宅』と『建売住宅』という言葉です。どちらの場合でも、一戸建て住宅が手に入ることには間違いありませんが、実は細かく見ていくとそれぞれに違った特徴が存在しているのです。
新築一戸建ての購入は一生に一度の重要な決断でもありますし、誰もが満足のいく家探しをしたいと考えていることでしょう。そのためには『注文住宅』と『建売住宅』の違いをきちんと理解しておかなければならないのです。そこでこの記事では、そもそも一戸建てを手に入れるメリットはどこにあるのか?や『注文住宅』と『建売住宅』違いについて簡単にご紹介します。
そもそも一戸建てのメリットとは?
それではまず、一戸建てを購入することのメリットやデメリットから考えてみましょう。近年では、都心部に人口が集中することもあり、「一生賃貸で構わない」「戸建よりタワーマンションの方が好み」などと言う方も増えているのですが、それでもいずれ自分の趣味に合わせた一戸建て住宅を手に入れたい…と考えている方の方が多いことでしょう。
冒頭でも触れましたが、一戸建て住宅を手に入れる場合でも『注文住宅』と『建売住宅』の2種類に分かれています。厳密に言うと、中古の一戸建て住宅の購入などの選択肢もあるのですが、ここでは「新築で…」ということにスポットを当ててご紹介したいと思います。
一戸建て住宅のメリットやデメリットを知るためには、マンションなどの集合住宅と比較するとわかりやすいでしょう。
一戸建てのメリット
まずは一戸建てのメリットからご紹介していきましょう。一般的には以下のようなメリットがあると言われています。
- 土地が資産になり、残すことができる
- 建て替えやリフォームなど、自由にできる
- 庭があれば、外も自由に活用できる
- 駐車場を設けることができ、駐車場代を削減できる
- 管理費などの固定費が不要
一戸建て住宅を持つことのメリットは、やはり生活の上での自由度が高くなることです。自分の家ですので、リフォームやガーデニングなど自由に楽しむことが可能です。また、マンションのように上下階の騒音に悩まされることや、逆にご自身の生活上の音で近隣住人とのトラブルになる可能性が減るなどもメリットと言われています。
さらに、一戸建て住宅の場合、土地を資産として残しやすい点もメリットになるでしょう。マンションの場合は、土地は区分所有でそれだけを自由に売り買いすることができないのに対し、一戸建て住宅の場合は建物が古くなっても土地に資産価値があるため、さまざまな面で自由度が高くなります。子供さんに土地を残してあげることができる点も良いかもしれませんね。
一戸建てのデメリット
一戸建てのデメリットもご紹介しておきましょう。
- 庭や建物など、手入れが大変
- 引っ越しが難しいため、近隣とのトラブルを避けるための配慮が重要
- 建物を維持するためのコストがかかる
- 2階建てや3階建てなどの場合、年を取ると階段での上限移動が大変になる
一戸建て住宅の場合、住宅の維持は自分で行わなければならないというのがデメリットと言えます。例えば、マンションの場合は、管理費や修繕積立金を支払うことである程度お任せで建物の管理を行ってもらうことができます。しかし、一戸建て住宅の場合は、修繕のタイミングなどを自分で見極めて業者選定を行い、メンテナンスを依頼しなければならないのです。さらに、塗装工事や屋根の葺き替えなど、メンテナンスの中には高額な費用が掛かるものもありますので、ある程度長期的な視点でリフォーム計画を立てなければならないのが意外と大変です。
一戸建ての種類について
それでは、実際に一戸建て住宅を手に入れようと考えている方がおさえておきたい基礎知識をご紹介していきましょう。冒頭でご紹介したように、一戸建て住宅にも『注文住宅』と『建売住宅』の2つが存在するのです。それぞれの特徴は以下のようになります。
- 注文住宅の特徴
注文住宅は、希望するエリアで土地を探し、建築会社や建築士に「どんな家を実現したいのか?」を相談し、その通りに設計してもらう手法で、建築工事請負契約を結んで建てる家のことを指しています。
ちなみに土地探しをしている時には『建築条件付き』などの条件が書かれている場合がありますが、この場合は施工会社などがあらかじめ指定されているという意味です。注文住宅は「全てを自分の希望通りにできる」と考えている方も多いのですが、最近ではある程度の制限がある場合も多いです。一般的には、ある程度の内容が決まったプランを選択したうえで、そこに自分の希望を取り入れながら設計していくというパターンが多いです。したがって、プランの根幹をなす部分の変更は受け付けてもらえないなどの制限があると考えておきましょう。 - 建売住宅の特徴
建売住宅は、不動産会社など、住宅の売り主と契約して土地と建物をセットで購入する形式となります。したがって、建物の造りや間取りなど、自分の希望通りの家を建てるのとは少し違います。ちなみに、建売の場合でもすでに建物が経っている場合ばかりではなく、契約後に建てる場合もあり、この場合は「売建住宅」などとも呼ばれます。
注文住宅と建売住宅の違い
それでは最後に、注文住宅と建売住宅の違いも簡単にご紹介しておきましょう。注文住宅と建売住宅については「どちらの方が優れている!」というわけではなく、お客様が重視したいことが何なのかということによって向き不向きがある感じです。
現在一戸建て住宅の購入をご検討中の方は、以下のポイントを比較してみて、自分に合うのがどちらなのか考えてみましょう。
- 自由度を重視したいなら注文住宅
ここまでの説明で分かるように、注文住宅最大の特徴は、自分の希望に合わせて設計ができるという点です。注文住宅であれば、外壁や屋根素材など家全体の外観イメージを左右する部分から、建具やキッチン、ドアノブなどの細かな仕様まで、すべてにこだわることが可能です。ただし、土地の形状や条件から、全ての希望を実現した家を建てるのが難しくなる場合がありますので、強いこだわりがあるという方は土地の購入を決める前にある程度の希望を事前に伝えておく方が良いでしょう。また、契約の手続きなどは、以下で紹介する建売よりも多くなりますので、その辺りも注意しましょう。 - 手間なく購入したいのなら建売住宅
建売住宅の場合、土地とセットで購入できるため、契約手続きなどが簡素化されます。また、使う設備や部材を一括仕入れするなどと言ったコスト削減対策が行われていますので、同じような注文住宅を建てるよりはコストが抑えられるというメリットが存在します。
自由度が少ないと言う点がデメリットのように思えますが、最近では「子育てしやすい家」「家事が楽しくなる家」「眺望が良い家」など、バリエーション豊富なプランが登場していますので、完全に自分の希望と一致するとは言わないまでも、かなり近い家を探すのも難しくない時代になっているのです。特に、プロが考える住宅ですので、自分では気づくことができない工夫が凝らされており、住んでみると希望よりも良かったなんて状態になることもあるのです。他にも、既に完成している建物について、事前に間取りなどを確かめることができますので、購入後にイメージの違いでがっかりする…なんてことも少なくなります。
注文住宅と建売住宅では、上記のような違いがありますので、自分が譲れないポイントがどこなのかをよく考えてみましょう。
まとめ
今回は、一戸建て住宅を購入する時の基礎知識をご紹介してきました。この記事でもご紹介したように、「憧れの一戸建て住宅を手に入れる」というゴールは同じでも、そこにたどり着くためには注文住宅と建売住宅の2つに分類することができるのです。
もちろん、どちらの方が優れているから「〇〇住宅の方が良いです!」という話ではないのですが、選択する手段によってかかるコストや購入後の段取りが変わってくるため、あらかじめ自分の希望に合うのはどちらなのかをよく検討しておくべきだと思います。