台風シーズンの前に!夏場にやっておきたい台風対策をご紹介!

これから本格的な夏がやってきますが、夏のご予定はすでに決まっているでしょうか?今年の夏も、昨年から続く新型コロナウイルスの影響で、例年の夏のような屋外レジャーを楽しむということがなかなか難しそうですね。東京オリンピックも開催されることですし、「今年の夏は家でオリンピックや甲子園をTV観戦しようかな…」と考えている方も多いことでしょう。

暗い話題が多い最近ですが、夏の終わりごろからは、続々と台風が発生する、台風シーズンがやってきます。特に注意したいのは、近年日本に上陸する台風の大型化が叫ばれており、さらに、今まではあまり台風被害が無かったような関西地方にも巨大台風による被害が危惧されているのです。実際に、2018年に関西地方を襲った台風21号は、関西国際空港にも大きな被害を生じさせ、大阪市内の住宅も屋根や外壁が吹き飛ばされてしまう…なんて非常に甚大な被害が生じてしまった事は皆さんの記憶にも新しいのではないでしょうか。

そこでこの記事では、もうすぐそこまでやってきている台風シーズンに向けて、夏の間からご家族間で打ち合わせしておきたい台風対策についてご紹介します!在宅時間が増えてストレスが溜まってしまう…なんて方も多いですが、空いた時間を台風対策に有効活用するのも良いのではないでしょうか。

台風シーズン前に家のメンテナンスを!

台風は、地震とは異なり、事前にどのような進路で上陸するのか、いつ頃から台風の影響が生じるのかを天気予報などで確認することが可能です。したがって、天気予報をもとに、台風上陸直前に身を守るためにさまざまな対策を行うことも可能なのです。台風直前の対策については、後述しますが、台風による住宅への被害を防ぐためには、直前の対策だけでなく、シーズンに入る前に家のメンテナンスをしっかりと行っておくことが大切なのです。

例えば、台風は強風と大雨を伴う自然災害ですので、横殴りの雨が住宅に打ち付けることになりますよね。そのため、普段の住宅メンテナンスを怠ってしまっていると、外壁や窓枠の劣化部分から水が侵入してしまい、雨漏りが発生してしまう恐れがあるのです。もちろん、屋根のメンテナンスが大切なことは間違いありませんし、台風シーズンに入る前には、家全体の点検とメンテナンスを行っておくことが、台風による大きな被害を防ぐコツになるのです。
したがって、夏の間に以下のようなポイントを点検し、必要であれば専門業者による修理を依頼しておきましょう。

  • 屋根の劣化を確認(板金部分)
    台風による被害では、強風で屋根が破損してしまう…というものが多いです。例えば、スレート屋根や金属屋根が増加した近年では、棟板金の小さな劣化から、強風で一気に板金が吹き飛ばされてしまう…というものが非常に多いです。棟板金は、屋根の頂上部分に設置されるもので、釘などで固定されているのですが、経年劣化で浮きが生じてしまうのです。この浮きにより、屋根面と隙間が生じ、そこに風が吹き込むことで飛ばされるというメカニズムです。棟板金の被害は、雨漏りにつながるだけでなく、飛ばされた板金が通行人にあたる、隣家にあたるなどして、二次被害を引き起こす危険もありますので注意しましょう。築7年程度経過していて、一度も板金の点検を行っていない場合、ほぼ確実に隙間が生じているので、一度専門業者に見てもらうのがオススメです。
  • 屋根の劣化を確認(瓦屋根)
    台風や地震による屋根被害は、瓦屋根に集中しています。近年登場している、ケイミュー社のROOGAシリーズなどは、瓦一枚一枚を釘で固定するのですが、旧式の瓦屋根では、瓦を噛み合わせて「桟木(さんぎ)」に引っ掛けているだけといった場合が多いです。この施工方法は、きちんと瓦がかみ合っていればそれなりの固定力があるのですが、小さなズレが生じてしまうと、固定が緩み強風で一気に崩れてしまう…なんてことになるのです。瓦は、屋根材の中では非常に重量があると言われますが、台風のパワーからすればあってないようなもので、簡単に飛ばされます。一般の方が見ただけでは、瓦のズレに気付くのは難しいですし、専門業者に点検してもらいましょう。
  • 外壁部分の劣化を確認
    上述したように、横殴りの雨が打ち付ける台風では、外壁部分が原因となる雨漏り被害が非常に多いです。例えば、外壁にクラックが生じている場合、そこから侵入してしまったり、窓枠・ドア枠・換気扇を取り付ける時に生じる隙間を埋めるためのコーキングが劣化して、隙間が生じているなども雨漏り原因となります。コーキングは、家の各所に施工されている防水処理なのですが、7年程度経過すれば弾性が失われ、ひび割れや隙間が生じてしまいます。そしてそれを放置すると、脱落して雨水の侵入口になるのです。家の周りをぐるっと一周し、外壁の劣化を点検しておきましょう。隙間が生じているようであれば、台風シーズン前に補修しておくのがオススメです。

台風前に点検・メンテナンスしておきたいのは、上記のような部分です。他にも、陸屋根を採用している場合、屋上の防水処理が劣化していないか、ベランダ部分の劣化はないかなども確認しておきたいポイントです。台風の強風は、小さな劣化を一気に拡大させてしまいますので、時間がある時に、念入りに点検とメンテナンスをしておくのが家を長持ちさせるコツです

台風直前の対策について

ここまでは、台風シーズンがやって来るまでに行っておきたい家のメンテナンスについてご紹介してきました。台風の大型化が進んでいると言われている近年では、万全な状態の家で台風に備えるというのが最も有効な台風対策となります。「これぐらい大丈夫か…」「去年も大丈夫だったし…」なんてことを考え、メンテナンスを後回しにしてしまうと、大きな被害が生じてしまし、莫大な修理費用がかかってしまう…なんて恐れがあります。さらに、台風では非常に多くの住宅に被害が生じてしまうため、なかなか修理に来てもらえず、1年近く修理ができずにどんどん家の寿命が失われてしまう…なんて恐ろしい未来も考えられるのです。家を長持ちさせたいのであれば、適切なタイミングで必要なメンテナンスを行えるような体制を作るのがオススメです。

そして、台風が実際にやってくるときには、直前の台風対策が家族の安全を守るために重要です。上述したように、台風は、事前にどういった進路を通るのかを確認できますので、それを見ながら直前に行える対策をしましょう。ここでは、いくつかに分けて直前の台風対策をご紹介しておきます。

停電や断水への備え

大型化していると言われる近年の台風では、停電や断水といった被害が生じてしまうことも珍しくありません。台風が上陸する季節は、まだまだ残暑が続く季節で、停電や断水は本当に困ってしまうことになります。
停電や断水は必ず起こる物ではありませんが、ご家族の安全を守るためにも、以下のような対策は行っておくべきです。

  • 生活用水を貯めておく
    万一の断水対策として、生活用水を確保しておきましょう。断水がおきてしまうと、トイレを流せなくなってしまいますし、お風呂に入るのも難しいことから、不衛生な状態になってしまいます。例えば、台風直前に浴槽に水を貯めておく、ポリタンクがあれば、それに水を貯めておくなど、数日分の生活用水を貯めておきましょう。給湯器としてエコキュートを導入していれば、満タンまでお湯を沸かしておけば、断水してもしばらくはお湯を利用できます。
  • 飲料水を確保する
    近年では、大規模地震に備えて非常用持ち出しバッグを用意している方も増えています。この中にはある程度の飲料水が入っていますが、断水が何日続くか分かりませんし、ご家族全員で3日程度は持つ分の飲料水を常に用意しておくのがオススメです。内閣府などが公表している情報では、可能であれば1週間分とされています。なお、台風が上陸する前に飲料水を凍らせておけば、保冷材としても使えるので、オススメです。
  • 食料の備蓄
    大型化している近年の台風対策では、ある程度の食料を備蓄しておくことも大切です。停電や断水に加えて水害まで発生してしまうと、コンビニやスーパーなどで買い物もできなくなってしまう…なんてことが考えられるからです。避難所に行けば、食料が用意されていますが、十分な食料が提供されるまでに時間がかかることが多いので、数日分は用意しておきましょう。また、小さなお子様がいるご家庭は、粉ミルクなどを自分で用意しておきましょう。避難所には、こういった小さなお子様用の食料が備蓄されていない場合がほとんどです。内閣府のサイトなどでは、最低限5日分用意しておくのが推奨されています。
  • 明かりの確保
    これはよく言われる対策ですのね。台風では、広範囲に停電被害が出ることも珍しくありませんし、停電が夜間に発生することも多いです。したがって、避難時に真っ暗で困らないように、懐中電灯などの明かりを確保しておきましょう。ろうそくなども灯りとして利用できますが、火災の心配もありますし、懐中電灯やランタンなど、安全性が高いものがおすすめです。
  • スマホなどを充電
    スマートフォンなどは、最新情報の入手やご家族との連絡など、災害時には非常に役立つアイテムです。停電が起きても情報収集が可能になるように、充電をしておきましょう。なお、モバイルバッテリーなどがあれば、それらも充電しておきましょう。
  • 洗い物、シャワーをすませておく
    天気予報などを逐一確認しておけば、最も台風が接近する時間なども事前に分かります。したがって、停電や断水などが発生する可能性が高い時間もある程度予想できるわけです。万一、停電や断水がおきても大丈夫なように、洗いものやシャワーなど、水・電気を使用する行動は全てすませておくことが大切です。

近年の台風では、長期的な停電・断水被害が生じてしまうことも珍しくありません。台風直前には、万一停電や断水がおきても家族の安全を守れるよう上記のような対策を行っておくことが大切です。
なお、こういった自然災害による停電被害に備えるため、太陽光発電と家庭用蓄電池を導入するご家庭も増えています。太陽光発電は、自家発電することができ光熱費削減が可能な住宅設備として人気ですが、これに家庭用蓄電池を連携させることで、「昼間に自家発電した電気を溜め、夜に蓄電池から電気を供給する」という体制を作れるのです。こうすることで、長期的な停電被害が生じても、生活に必要な電気を確保することが可能になります。まだまだ高額な設備ですが、日常生活では、大幅な電気代削減が見込めますし、災害時には家族の安全を守ることができると考えれば、非常に有効な設備と言えるでしょう。

住宅被害への備え

上述した、家のメンテナンスを行っていたとしても、強風による被害を受けてしまう場合も考えられます。例えば、風に飛ばされてきた硬いものが窓にぶつかると、窓ガラスが割れて飛散してしまい、住人が怪我をする…なんてことも考えられます。さらに、屋外に置いている飛ばされそうなものもきちんと片付けておかなければ、それが原因で住宅に被害が生じてしまう…なんて危険があります。

  • 窓ガラスの飛散防止
    窓シャッターがあれば、シャッターを閉めておきましょう。こういった設備を導入していない場合、窓ガラスを養生テープや段ボールなどで補強しておきましょう。割れるのを防止する効果や、割れても飛散しないようにすれば、住人が怪我をする可能性が低くなります。
  • カーテンなどは閉めておく
    台風の強風の中にいる時は、カーテンをきちんと閉めて、窓には近づかないようにしましょう。補強していたとしても、予想外の大きなものが衝突し、割れたガラスが飛んでくることも考えられます。カーテンを閉めておけば、勢いを抑えることができますので、きちんと閉めておくのがオススメです。小さなお子様などは、窓から外を見たがりますが、危険ですので絶対に窓からは離しておきましょう。
  • 片付けられるものは室内に
    植木など、片付けられるものは可能な限り室内に入れておきましょう。こういったものが強風で煽られ、自宅を傷つけたり、隣家を破損させてしまう原因となります。台風の強風は、「こんなものが…」と思うようなものでも飛ばしてしまうほどのパワーがありますので、自転車なども可能であれば室内に入れるのがオススメです。室内に入れるのが無理なものは、きちんと連結などして固定しておきましょう。ニュースなどで見た事があるかもしれませんが、台風は、自動車を横転させてしまうほどの力を持っています。
  • 自動車への対策
    台風対策時に見落とされがちなのが、自動車への対策です。住宅や家族を守る事ばかりに気がいって、自動車を放置してしまい、次に日に見に行くとフロントラスが割れて車内が水浸しに…なんてことが考えられます。室内駐車場ならば安心ですが、野ざらしの駐車場に自動車を停めているいる場合、フロントガラスなどは段ボールで補強しておきましょう。可能であれば、自動車全体を覆うようなシートを購入し、それをかぶせておくことがオススメです。そうすれば、台風で何かが飛ばされてきても、傷つくのを防ぐこともできるでしょう。

関連記事:防犯・防災のことを考えると窓シャッターはあった方が良い?窓シャッターのメリットとデメリット

まとめ

今回は、もうすぐそこまでやってきている台風シーズンに向けて、夏の間にやっておきたい台風への備えについてご紹介してきました。日本は、地震や台風などの自然災害が非常に多い国として有名ですので、災害慣れしてしまっている方も非常に多いと言われています。特に台風に関しては、毎年必ずいくつかは上陸してきますので、「去年も大丈夫だったし今年も行けるだろ」などと、根拠のない自信から何の対策もしない人が意外に多いのです。もちろん、それで、何の被害も生じないことも考えられますが、万一被害が生じた場合、より大きな被害に繋がってしまうと考えてお行きましょう。

近年では、日本に上陸する台風の大型化が叫ばれていますし、豪雨災害なども増加していることから、国もこういった災害への備えが重要と説明しています。自然災害への備えに関しては、やっておいて損はないはずですので、この記事でご紹介した内容を頭に入れておきましょう。

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