家の寿命を考えるとパワーボード外壁がオススメ!パワーボードの特徴やメリットをご紹介します!

新築戸建て住宅を建てる時には、誰もが外壁材にこだわる事でしょう。外壁材は、建物の外観イメージの美しさに直結する建材ですし、長く同じ家に住み続けることを考えれば、多少予算がかかったとしても「できるだけ良いものを採用したい!」と考える方が多いです。

現在では、窯業サイディングなどと呼ばれる外壁材が、新築業界では主流となっているのですが、実は外壁材には他にもさまざまな種類が存在しているのです。そこでこの記事では、新築業界でも非常にオススメ出来る外壁材と言われている『パワーボード』について、この建材の特徴と自宅の外壁材として採用した場合のメリットなどをご紹介していきたいと思います。

現在新築戸建て住宅の購入を検討している方であれば、必見の内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

『パワーボード』ってどんな外壁材?

それではまず、外壁材の『パワーボード』がどのような建材なのかについて簡単にご紹介しておきましょう。

パワーボードは、主に外壁に用いられる建材で、『ALC(軽量気泡コンクリート)』と呼ばれる外壁材の一種となります。この建材は、もともとスウェーデンで開発されたものなのですが、日本国内では旭化成建材株式会社が製造・販売する『へーベルパワーボード』という製品名で有名です。この外壁材を採用した建物は、重厚感があるスタイリッシュな見た目を実現できるなど、オシャレな外壁材として人気になっています。

『ALC(軽量気泡コンクリート)』は、発泡剤で多孔質化していることが特長で、非常に軽量であることから、外壁材の重量による建物への負担を軽減し、耐震性を向上させることができるなどとも言われています。ちなみに、パワーボードには、以下のような特徴があると言われています。

  • 断熱性・防火性・遮音性に優れている
  • コンクリートや窯業系サイディングよりも軽量なので、高い耐震性が得られる
  • ALCの中では薄い方だが、窯業系サイディングよりは厚くしっかりしている
  • 初期コストやメンテナンスコストは割高

パワーボードは、上記のような特徴を持っています。ちなみに、内部は均一に気泡が入っているため、見た目以上に軽量で、なんと水に浮くほどなのです。

『パワーボード』のメリットとは?

それでは、外壁材にパワーボードを採用した場合、どのようなメリットが得られるのでしょうか?ここでは、パワーボード外壁を採用した場合に得られる、代表的なメリットをご紹介していきます。

高い耐久性を得られる

パワーボード外壁は、コンクリートの一種になりますので、薄い板状に成形されているサイディング壁と比較すれば、強度の高い外壁を実現でき長持ちします。また、他の一般的な外壁材と比較すれば、ある程度の厚さを持っていることから、外壁材自体が破損しにくいというメリットも得られます。

パワーボードは、耐用年数が他の外壁材よりも長めなので、外壁の大規模メンテナンスの頻度を低くすることができます。したがって、「長持ちする外壁が良い!」と考える方にはオススメです。

断熱性が高い

上述していますが、パワーボードは高い断熱性を持っているのが特徴の一つです。したがって、四季のある日本では、外気温の影響を受けにくくなり、空調効率の向上が見込めるというメリットがあります。

断熱性の高い家は、夏場や冬場の空調にかかる光熱費を削減してくれますので、住む人にとっては非常にありがたいメリットと言えるでしょう。

遮音性が高い

パワーボードは、コンクリートが原材料であることや、他の外壁材よりも厚みがあることから、外壁を伝わって侵入する騒音に対して、高い遮音性能を発揮します。最近では、金属系のサイディング材などの人気も高くなっていますが、実際に住んでみると雨音などの騒音に悩まされる…という方も多いのです。しかし、パワーボード外壁であれば、こういった悩みを抱えるリスクはかなり低いです。

なお、パワーボード外壁は、外からの騒音を遮るだけでなく、内部からの音漏れも防いでくれますので、自宅でも楽器演奏を考えているなどという方には非常にオススメです。

防火性が高い

主材料がコンクリートですので、高い防火性を持っているというのはイメージできると思います。パワーボード外壁であれば、隣家で火災が発生しても、自宅に延焼しにくくなるというメリットが得られます。

したがって、住宅が密集している場合や、地域的に強風の日が多いといった場合には、非常にオススメ出来る外壁材となります。ちなみに、パワーボード外壁は、その防火性の高さから「火災リスクが低い」と判断されているため、火災保険の『耐火割引』の適用を受けることができます。

防災性が高い

地震や台風が非常に多い国として有名な日本では、住宅の防災性能は見逃せません。そして、パワーボードは、非常に軽量な外壁材となりますので、建物の負担を大幅に軽減し、耐震性を向上させることができると言われています。

日本国内に住む限り、『いつ・どこで』地震が発生するのか分かりませんので、高い防災性能を持っているこの外壁材の採用は、非常に大きなメリットがあると言えるでしょう。

ひび割れが起きにくい

パワーボードは、乾燥に強い外壁材ですので、外壁トラブルにありがちな『ひび割れ』などが起きにくいというメリットがあります。なお、表面に塗装を施すのですが、耐用年数の長い塗料などを採用すれば、メンテナンススパンを長くすることができますので、住宅のメンテナンスコストも抑えることができるのではないでしょうか。

『パワーボード』は施工方法に種類がある

ここまでは、外壁材として『パワーボード』を採用した場合のメリットをご紹介してきました。それではここからは、実際にパワーボードを施工する際の注意点などをご紹介していきましょう。

実は、同じパワーボード外壁を作る場合でも、施工方法にパターンが存在するのです。

直貼り工法

まずは『直貼り工法』と呼ばれる施工方法です。名称からイメージできるように、外壁を構造部分に直貼りする施工方法を指しています。外壁下地に、直接外壁材を貼り付けていく施工方法となりますので、作業工数が少なくなるのがメリットです。

ただし、直貼り工法の場合、直接、下地に外壁材を貼り付けていくため、外壁材と下地の間に隙間などを確保することができなくなってしまいます。そのため、外壁材表面に採用する塗料によっては、湿気が外に逃げられず、結露が起こってしまうというリスクがあるのです。外壁内部での結露は、カビの発生を招いてしまい、内部の建材の劣化リスクが高くなってしまいます。

外壁通気工法

外壁内部の結露を防ぐ目的で考案されたのが『外壁通気工法』です。これは、外壁と構造部分の間に空気層を作り、湿気を逃がす工夫がされた施工方法となります。直貼り工法と比較すれば、複雑な構造になってしまいますので、施工費用が割高になってしまうというデメリットが存在します。

ただし、結露などの問題で、建物内部の劣化を進行させてしまうリスクが少なくなるというメリットがあります。なお、外壁と下地の間に隙間を作る事で、建物自体の強度が落ちやすいと言う点は注意が必要です。

『パワーボード』は表面塗装が必須!

パワーボードは、一般普及率が非常に高い窯業サイディングよりも優れている点が非常に多いです。そのため、外壁材にパワーボードを採用する場合、初期費用が割高になってしまう訳です。さらに、パワーボードは、表面塗装が必要不可欠だと言う点も忘れてはいけません。

ネットの情報などでは「パワーボードは60年持つ!」などと紹介されていますが、これはあくまでも適切なタイミングで必要なメンテナンスを行っている場合という条件が付くのです。ここでは、なぜパワーボードに塗装が必要なのかも簡単にご紹介しておきます。

吸湿性が高い

パワーボードは、吸湿性が高いという素材的特徴を持っています。そのため、表面に塗装を施して水の侵入を防がなければ、雨水を吸い込んでしまい、耐久力が低下してしまうのです。パワーボード自体は非常に強固な建材なのですが、防水機能を持っていないため、表面塗装によってきちんと防水機能を持たせなければいけません。そうしなければ、早期に外壁材の耐久力が低下してしまい、耐用年数前に張替えメンテナンスが必要になります。

こういった特徴があることから、建物の美観だけでなく外壁を保護する目的で塗装する必要があると考えておきましょう。なお、外壁塗装に利用する塗料にもさまざまな種類が存在しており、どれを採用するのかによって得られる機能や寿命がかなり違ってきます。これは、メンテナンススパンにも関係する問題ですので、きちんと塗料の種類も選ぶようにしましょう。

なお、パワーボードの塗装工事で注意しておきたいのは、どの工法を採用しているのかによって、塗料に求められる機能が変わると言う点です。以下の注意点を覚えておきましょう。

  • 直貼り工法の場合
    直貼り工法の場合、防水性だけでなく、透湿性の事も考えましょう。透湿性に優れた塗料を採用すれば、湿気の逃げ道ができ、外壁内部の劣化を防げます。
  • 外壁通気工法の場合
    外壁通気工法の場合は、湿気の事を心配する必要がないため、「防水性能の高さ」に注目しましょう。

塗装タイミングを見極めよう!

外壁材としてパワーボードを採用する場合、表面塗装が非常に重要だということが分かっていただけたと思います。ここで注意しておきたいのは、新築時にいくら高性能な塗料を採用したとしても、適切なタイミングで再塗装をしなければ意味が無いということです。

上述していますが、塗装工事に使用する塗料にも、耐用年数というものがありますので、いずれ塗料が持っている機能性は失われてしまうのです。したがって、必要なタイミングで塗装メンテナンスをしてあげなければ、パワーボードの寿命の長さというメリットを生かすことはできません。ここでは、外壁表面に生じる劣化症状をご紹介しておきますので、再塗装のタイミングを見極めるために、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • チョーキング現象
    チョーキングは、外壁表面に触れた時、指にチョークの粉のような物が付着する現象です。これは、塗装が劣化して表面が粉をふいている状態ですので、「そろそろ再塗装が必要」と考えなければいけません。「今すぐ!」というわけではありませんが、このタイミングで再塗装を行うのが外壁材を長持ちさせるコツです。
  • 塗装剥がれが見られる
    塗膜表面にひび割れや剥がれが生じている場合、再塗装を行いましょう。ひび割れや剥がれた場所から水が侵入しますので、外壁材自体の劣化も進行していると考えられます。この状態であれば、できるだけ早く再塗装メンテナンスを行うのがオススメです。
  • カビやコケが生えている
    外壁表面にカビやコケが生えている場合も、塗膜の効果が切れているサインです。住宅の外観イメージも壊してしまいますし、すぐに再塗装メンテナンスを入れるのがオススメです。

外壁表面の塗膜に上記のような劣化症状が見られる場合、「塗装メンテナンスが必要!」と考えましょう。
なお、パワーボード外壁は、外壁材の継ぎ目にコーキングが施工され、雨水の侵入を防ぎます。このコーキングも徐々に劣化してしまいますので、定期的にやり替える必要があると考えておきましょう。

『パワーボード』は塗装ムラが少なく美しく仕上がる!

パワーボード外壁は、非常に耐久力が高い事や耐火性・防災性・遮音性が高いことなど、非常に優れたさまざまな特徴をもっています。さらにこの外壁材は、表面に施す塗装に関して、他の外壁材にはない特徴を持っているのです。

上図は、一般の外壁材(左)とパワーボードを採用した外壁(右)の比較なのですが、一般の外壁材は、どうしても塗装ムラが生じてしまう恐れが高いのです。しかし、パワーボードは、塗装ムラが生じてしまうリスクが非常に少なく、美しい外観イメージを作ってくれるというメリットを持っています。

外壁の美しさは、建物自体の美しさに直結しますので、むとうの家でも『パワーボード外壁』が非常にオススメ出来ると思います。導入コストが割高になってしまう…と言うことをデメリットと考えてしまう方も多いのですが、適切なメンテナンスを行えば、窯業サイディングよりも倍近く長持ちしますので、中長期的に見れば非常にコストパフォーマンスの良い外壁材になると思います。

まとめ

今回は、さまざまな種類がある外壁材の中でも、非常に高い耐久力や機能性が人気となっている『パワーボード』についてご紹介してきました。新築戸建て住宅を購入する場合、建物の外観イメージを重視する方が多いですし、外壁材として何を採用すれば良いのか…に迷ってしまう方は非常に多いです。現在では、新築業界での外壁材シェア率で、窯業サイディングが80%近くを占めているなど、圧倒的な人気を誇っています。これは、窯業サイディングは、非常に豊富なデザインバリエーションがある事や、使いやすく比較的安価だというのが大きな理由になっているのだと思います。

しかし、パワーボードは、その耐久力や機能性など、窯業サイディングと比較しても優れた特徴がたくさん存在するのです。これほどまでに優れた外壁材と言われるパワーボードですが、導入コストが割高になってしまう…と言う点から、敬遠してしまう方が多いのだと思います。ただし、この記事でご紹介したように、同じ家に長く住むことを考えた場合、ランニングコストを抑えることもできますので、長期的に見ると決して高い外壁材とは言えないと思いますよ。

パワーボードは、美しく非常に強い住宅を実現してくれる稀有な外壁材です。住宅は、何十年も維持していくことを考えなければいけないものですので、その場のコストばかりに注目するのではなく、長期的な視点で採用する材料を選ぶのがオススメだと思います。