建てる前に知っておきたい!『新築ブルー』を引き起こしてしまう代表的な住居の問題

誰もが憧れるマイホームの購入ですが、実は実際に新築を購入し住み始めてみると、図面などで見ている時とは異なり、「住んでみて不便さに気づいた」「設計段階で気になったことを言えなかった」「間取りを失敗した」など、さまざまな面に後悔してしまう方も少なくないと言われているのです。

新築の購入は、非常に大きなお金が動く取り引きになりますし、「失敗した…」と感じてしまった時の衝撃は非常に大きなものになると言われています。実際に、せっかく憧れていたマイホームを購入したのに、実際に住み始めてからいろいろな部分が気になり始め”うつ”のような症状が出てしまう方も多いと言われています。このような、マイホームを建てている途中または建売住宅購入後、その家が原因でうつのような症状に見舞われることを『新築ブルー』や『マイホームブルー』と呼ぶのですが、ネット上にはこの症状に悩んでいるという方が意外に多いようです。

そこでこの記事では、マイホームの購入を後悔しなくても良いよう、住み始めてから発生することが多い代表的な家の問題をいくつかご紹介しておきます!

新築ブルーの原因① シックハウス症候群

新築購入後の問題として真っ先にあげられるのがシックハウス症候群です。2000年代に入ってから、シックハウス症候群という言葉を耳にすることが増えており、実際にこの問題に悩まされてしまった…という方も多いことでしょう。

シックハウス症候群は、新築住宅やリフォームなどをした後、その住居に住み始めてみると、体のだるさを感じるようになるなどの異変が生じるというものです。シンクハウス症候群は、だるさ以外にも、眩暈や動機、耳鳴りや皮膚炎などの症状が出る方もいて、これらの症状が続いてしまうという事例が多いです。
新築購入後、そこに住み始めてこういった症状が出ることをシックハウス症候群と呼ぶようになっており、新築購入を後悔する大きな要因になります。

シックハウス症候群の原因とは?

シックハウス症候群が出てしまう主な原因は、建材に使用されている石油系VOCと呼ばれる揮発性有機化合物があげられます。皆さんも、ホルムアルデヒドやトルエンぐらいは耳にしたことがあるかもしれませんが、実はVOCと呼ばれる揮発性有機化合物は約40種類もの数が建材に使用されていると言われているのです。
そして、これらのVOCが多く含まれている建材が家に使用されていた場合、家の完成後に住み始めてみると、じわじわ有害な成分が住空間に発散されるようになり、住居内の空気が汚染されてしまうことになるのです。新築に住み始めた時には、独特なニオイを感じることが多く、それが「新築のにおい!」と喜ばれることも多いのですが、実は新築住宅に入った瞬間、鼻にツンとくるようなニオイを感じた場合、それは建材に含まれていた有害物質の可能性もあります。

なお、シックハウス症候群に関しては、自分がシックハウス症候群だと認識しないまま生活をしている『無自覚シックハウス症候群』という例も多く存在すると言われています。これは、シックハウス症候群による症状が、日常的なちょっとした体調不良(体のだるさなど)によく似ていることから、「風邪気味なのかな…」という程度の感覚で終わってしまう方が多いからです。
ただし、有害な化学物質によるダメージは確実に蓄積されていますので、新築に住み始めた際に体調不良を感じるようになった…というケースは、シックハウス症候群を疑い、適切な対処をとりましょう。

シックハウス症候群の対策?

上述したように、シックハウス症候群の原因は、家を建てるために採用されている建材に含まれている有害な化学物質です。つまり、有害物質が含まれていない建材を採用すれば、新築に住み始めてもシックハウス症候群が発症する危険は少ないわけです。
一般的に、家を建てる際に、施主側が住宅用の建材まで細かく指定するようなことはないのが実情です。これは、建材の知識をそもそも持っていないというのが大きな原因なのですが、「どうせ分からないし業者に任せておけば良い!」と考えるのではなく、設計の段階で、「自分の家に使用する建材がどういったものか?」を必ず確認するようにしましょう。また、安心して長く住み続けられる家を建てるためには多少コストがかかったとしても安全な建材を使用してもらうのがオススメです。

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新築ブルーの原因② コンクリートストレス

『コンクリートストレス』は、あまり聞いたことがない言葉かもしれませんが、その名称通り「コンクリートが人に対して及ぼす悪影響」のことを指しています。木造住宅であれば特に気にする必要はありませんが、RC造の戸建住宅も増えており、これを採用する場合には注意が必要です。

コンクリートストレスの原因とは?

住居でのコンクリートストレスは、コンクリートが持つ『冷輻射』という現象が主な原因になっていると言われています。例えば、コンクリート打ちっぱなしの床に座ると、座った瞬間は単にひんやり感じるだけなのですが、次第に下半身が冷えてきてしまい、最終的には全身に寒さが広がってしまう感覚になる現象です。
コンクリートは、熱を伝えやすいという性質があり、一般住宅では、特に冬場の冷気がコンクリートを伝わり、室内に入り込んでしまい、体の底から体温を奪ってしまう…など、住みづらいと感じてしまうような住空間になる危険があるのです。

人間にとって『冷え』というのは、非常に大きなストレスをもたらすと言われています。冷えによって体温が下がってしまうと、免疫機能の低下を引き起こしたり、血流の悪さや消化器官の不調にまでつながってしまうと言われているのです。現代人の冷え性や低体温の問題は、食生活が大きく変化しているということも要因の一つですが、マンションやオフィスビルなど、コンクリート造の建物に長時間滞在しているということが関係している可能性も否定できないと言われます。

コンクリートストレスの対策は?

コンクリートストレスの対策としては、最も手っ取り早いのが、昔ながらの木造住宅を選択するということです。もちろん、コンクリート造はデメリットばかりではなく、さまざまなメリットがあることも確かなのですが、一生そこに住み続けると考えた場合、健康に悪影響を及ぼさないような構造を選ぶということも大切なのではないでしょうか。

新築ブルーの原因③ 断熱性能

近年では、「夏は涼しく、冬は暖かい」住空間を実現してくれる高気密・高断熱の住宅が好まれています。住宅にとって断熱性能は、夏の暑い外気や冬の冷たい外気が室内に入り込まないように、また室内の快適な空気が室外に逃げていかないようにするため、非常に重要な要素になっています。
実際に、長期優良住宅の条件でも『断熱』は重要視されており、この部分を無視してしまうと、過ごしづらい家になってしまい、新築ブルーを引き起こしてしまう訳です。

断熱が引き起こすトラブルは?

高気密・高断熱の住宅が好まれている現在では、断熱が引き起こす住まいのトラブルも注目されています。断熱に関するトラブルは、主に以下の二つがあげられます。

一つ目のトラブルに関しては、断熱性の高さがもたらす懸念です。「断熱性は高い方が良いのでは?」と疑問に思う方もいるのですが、住宅基礎に採用される建材や、断熱材に使用されている建材に化学物質が多く含まれていた場合、そこから発せられる有害物質も家の中にとどまってしまうことになります。要は、断熱性の高さがシックハウス症候群の原因になりかねないということです。
断熱性の高さは、気密性の高さと連動しており、高気密であるということは室内の空気が外に逃げにくくなると同じ意味なのです。そのため、シックハウス症候群の原因物質の蔓延が避けられない状態になってしまう恐れがあります。

ただし、断熱性を低くすれば良いのかというとそうではありません。十分な断熱性能を持っていなければ、夏はクーラーの効きが悪くなり、冬は暖房をつけていても寒さを感じてしまう…という、非常に過ごしにくい住環境になってしまいます。また、断熱性が低いと、住宅の基礎となる建材に結露が発生しやすくなり、内部構造の劣化が早くなる恐れもあると言われています。

断熱が引き起こす問題の対策

それでは、断熱性能が引き起こす問題の対策はどうすれば良いのでしょうか?断熱性が高すぎれば、健康被害の危険が…となると、断熱性は捨てた方が良いかも…と考えてしまう方も多いかもしれませんね。しかし、その考えは大きな間違いで、住宅において断熱性は欠かせない重要ポイントの一つです。高い断熱性は、夏も冬も過ごしやすい住空間を実現してくれ、エアコンに頼る必要性が少なくなることから、エコな生活を手助けしてくれます。したがって、断熱性を持たせたまま、健康被害を引き起こさないような対策を検討すべきです。例えば、家に採用する建材は安全性が高いものを採用する、換気性能を考慮するなど、他の部分で問題を補い、断熱性は維持しましょう。

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まとめ

今回は、憧れのマイホームを購入したのに、実際に住んでみると問題点が多く、新築ブルーになってしまう原因についてご紹介してきました。この記事では、主に家の機能面についてご紹介してきましたが、これ以外にも、間取りや収納の不便さから「あんなにお金をかけたのに…」と後悔し始めて新築ブルーのような状態になる方もいるそうです。

新築ブルーになってしまう方の特徴は、几帳面で真面目、細かな部分にもこだわりたい完璧主義の方が多いと言われていますが、そうでない人もかける金額が大きい分、家を購入したことを後悔してしまう…というケースもあると思います。
家の購入前は、自分たちの憧ればかりを優先し、要望を伝える方が多いのですが、実際にそこに住んでみた時のことを具体的にイメージしていないという方も少なくありません。そして、出来上がった家に住んでみると、住みづらさを感じてしまう、不便に感じてしまう…なんてことになるのです。

マイホームの購入は、一生の中でも最も高額なお買い物になるケースが多いですし、そこに住んでみた時のことをしっかりとイメージし、必要な機能と予算をすり合わせていくようにしましょう。なお、コロナ禍の現在では、戸建て住宅でも音の問題を抱えてしまうという方も多くなっていますので、防音性能の面などもよく考えておきましょう。