せっかく手に入れたマイホーム!一日でも長持ちさせたいなら押さえておきたいメンテナンスの基礎知識!

誰もが憧れるマイホームの購入ですが、頑張ってお金を貯めてやっとマイホームを手に入れた場合でも、そこがゴールではないということを頭に入れておきましょう。マイホームの購入は、一生の中で最も高額なお買い物になりますし、やっと手に入れた家に住み始めると「なんとなくゴールを迎えた…」という気分になってしまうものです。新築住宅の平均購入価格は3,000万円以上になっているわけですし、これだけのお買い物をしたとなれば、こういった気持ちになってしまうのも致し方ない事だとは思います。

しかし、せっかく購入した大切な家ですから、「一日でも長く住み続けるには?」ということを最初から考えておくべきです。というのも、家というものはそこに存在するだけで、徐々に劣化が進行していってしまうもので、何のメンテナンスも行わなければ、あっという間に屋根や外壁が破損してしまい…雨漏りなどでとても住むことができない…なんて状況になってしまう恐れがあるのです。
ちなみに、一般的な戸建住宅に多い木造建築の場合、法定耐用年数が22年と定められていますが、「使えるかどうか?」の寿命は約30年と言われています。ただし、この30年という年数に関しては、しっかりと家のメンテナンスを行っているということが前提で、必要なメンテナンスを怠ってしまっている場合、これよりも早く家がダメになってしまうものなのです。

そこでこの記事では、せっかく購入した大切なマイホームに関して、可能な限り長く良い状態で住み続けられるようにするため、皆さんがおさえておきたい、メンテナンスの基礎知識をご紹介していきます。

家を長持ちさせるために知っておきたいポイント

それでは、せっかく手に入れた大切なマイホームについて、できるだけ長く住んでいけるようにするために押さえておきたいポイントをご紹介していきたいと思います。一戸建て住宅などは、外壁の汚れなどがあっても、建物自体は頑丈に見えますし、大事に住んでいればどんな家でもそれなりに長く住んで行けると考えてしまう方が多いです。

もちろん、「マイホームを大事にする」ということは非常に重要な要素なのは間違いありませんが、家というものはどれだけ大事に扱っていたとしても、そこにあるだけで劣化が進行している…ということを忘れてはいけないのです。例えば、外壁に施されている塗装などに関しても、塗料の寿命というものがありますし、耐用年数が来る前に塗装メンテナンスを入れてあげなければいけません。こういったメンテナンスを怠ってしまうと、雨漏りなどを引き起こし、家内部の木材などの劣化も一気に進行させてしまうことになるのです。

ここでは、せっかく手に入れた大切なマイホームについて、「長くその家で過ごすため」に押さえておきたいポイントをご紹介します。

①長期的な修繕計画を立てておく

分譲マンションであれば、毎月修繕積立費を回収されるものの、管理会社などが大規模修繕の必要性を見極めて、業者の手配なども全て行ってくれます。つまり、住人側は、建物のメンテナンスに関しては、専門の会社に丸投げすることが可能で、自分が住んでいる居室内のことだけを考えておけば良いのです。

しかし戸建て住宅の場合、管理会社などと契約しているなんて方はいませんし、「いつ、どのような修繕が必要なのか?」ということは、すべて住人が考えて行わなければいけないのです。建築に関する知識を持っていないという方であれば、建物を見ただけで、その状態を判断することなど難しいですし、例え劣化を見つけたとしても、どのような対処をすれば良いのか判断ができない…という場合の方が多いと思います。

そこで、オススメなのが、その家に住み始める際に、最初から長期的な視点で建物の修繕計画を立てておくということです。上述したように、家は、そこにあるだけで劣化が進むものですし、建材ごとに耐用年数というものがありますので、そこから「いつ、どんなメンテナンスが必要なのか?」を逆算することができるわけです。したがって、築5年目に全体の点検をして、10年目に塗装工事をして・・・と言った感じに、ある程度の修繕計画を立てておくと良いでしょう。もちろん、台風などの自然災害の影響などで、当初の想定が崩れてしまうこともありますが、計画を立てることで「家はメンテナンスが必要」という認識を持つことができます。

②定期的な点検・メンテナンス

新築の建物の場合、アフターフォローとして、1か月点検、6か月点検、1年点検、2年点検などの定期的な点検、メンテナンスが設定されていると思います。しかし、こういったアフターフォローは、不動産会社や建設会社のサービスとなる部分ですので、どこまで行ってくれるのかはまちまちです。さらに、3年目以降ぐらいになると、それ以降はメンテナンスが有償になる場合が多く、費用がかかるならと点検自体を行わなくなってしまう方が非常に多いのです。

人間の健康問題でも同じですが、建物の問題に関しても、異常を早期発見して対処したほうが、さまざまな対処法をとることができます。発見が遅れるほど、必要な対処が大掛かりになり、コストがかかってしまうことになるので、「何か異常があってから業者に見てもらう」という意識ではなく、「異常が無くても定期的に点検してもらう」という体制を作っておきましょう。

③メンテナンス記録は取っておく

定期的なメンテナンスを行っていたとしても、何も記録に残していないという状態はオススメできません。いざという時に記憶だよりになってしまうと、必要なメンテナンスをすっ飛ばしてしまう恐れもありますので、メンテナンスを行った時にはその記録をきちんと残しておくようにしましょう。

近年では、自宅のメンテナンス情報を不動産業者と共有しておくことができるようなシステムも構築されていますし、そういったものがあるか聞いてみるのも良いのではないでしょうか?こういったメンテナンスの記録は、将来的に家の売却を考えたさい、「きちんと管理されていた家」という印象を与えますし、家の状態自体も良いはずですので、売却価格にも有利に働くと思います。

④相談できる人・業者を見つけておく

家の点検・メンテナンスに関しては、専門知識が必要です。実際に、自分の家だとしても、家を見ただけで建物の状態を判断できるような方はほとんどいないでしょう。

したがって、工務店・設計士・建築士、ハウスメーカーなど、家に何かあった際に、すぐ相談に乗ってくれるような業者や人を見つけておくのが意外に大切です。最近では、インターネットで調べれば必要な技術を持った業者をすぐに見つけられる時代になっていますが、何か問題が発生してから探し始める場合、相談する業者が本当に技術を持っているのか、信頼できる人なのかを判断することができませんよね。さらに、台風など、多くの住宅に被害が生じてしまう…などと言った自然災害時には、工事の依頼が集中しますので、一見さんの状態だと、すぐに来てもらえない…なんて状態になります。

日頃から点検などを依頼している馴染みの業者があれば、万一の際も安心できるはずです。

⑤『換気』が非常に大切

建物を長持ちさせる場合、湿気がこもらないように適度に換気してあげるということがとても大切です。そもそも、建物には湿気がこもらないよう、通気を確保するための換気口が設置されています。

しかし、隣の家との距離が近い…、通気口の前に物を置いてしまっている…などと言った理由で、通気がうまく機能していない家も少なくないのです。どのような建物でも、きちんと通気を確保できるようにという考えを持ち、建物周りに余計なものを置いて通気を悪くするようなことはやめましょう。
なお、浴室やキッチン周りに関しては、使用目的からしても、高温多湿になりやすい場所ですので、使用中、使用後は換気を十分にするように気を付け、湿気をこもらせないようにしてください。

湿気は、カビの発生、シロアリの繁殖原因となり、家を一気にダメにしてしまうものです。

⑥修理は「早めに」を心がける

戸建て住宅の細かな修理に関しては、日常生活に支障がない限り、修理費用を嫌って先延ばしにしてしまう…という方も少なくありません。実際に、外壁の塗装剥がれや雨樋の割れ…などをそのままにしている住宅を目にしたことが皆さんもあるのではないでしょうか?

こういった、日常生活に支障が特にない…という家の傷みに関しても、気付いたらすぐに修理をするということが大切です。目立たないから…、生活の支障にはならないから…などと言った理由で放置してしまうと、小さな傷口がどんどん広がってしまいます。例えば、小さな塗装の剥がれに見えていたとしても、それを放置した結果、そこから雨水の侵入を許し雨漏りが始まる…なんてことも珍しくないのです。

こうなってしまうと、小さな塗装の手直しでは修理することができす、建物内部の木材の状態によっては外壁まるごとリフォームしなければならない…なんてことも考えられます。

⑦修繕費はあらかじめ積み立てておく

戸建て住宅であれば、修繕積立費は必要ないと考えてしまう方がいるのですが、ここまでの説明で分かるように、戸建ての場合でも、定期的なメンテナンスが必要ですので、ある程度の費用は積み立てておくのがオススメです。

というのも、長期的な修繕計画を立てていたとしても、自然災害が多い日本では、突然の災害で多額の修繕費用がかかってしまう…という可能性はゼロではないのです。つまり、突然のことで修理費を捻出できない…なんてことにならないよう、常に準備しておく方が安心だということです。

もちろん、火災保険などに関しても、ハザードマップなどから自宅がどのような災害に被災する可能性があるのかをしっかりと確認しておくのがオススメです。大阪などは、火災保険の水災補償に加入しない方が多いと言われており、この場合、水害によって被害を受けても火災保険を適用することができません。

関連記事:水害が急増している現在、火災保険の水災補償は必要?そもそも水災補償って何を補償してくれるの?

まとめ

今回は、家を長持ちさせるためにおさえておきたいメンテナンスに関する基礎知識をご紹介してきました。この記事でご紹介したように、どのような建物で、そこにあるだけで徐々に劣化が進行してしまいますし、大切にしながら暮らしていたとしても、自然現象の影響などで家が破損してしまう…なんてことは普通に考えられるのです。

したがって、頑張って手に入れたマイホームに長く住み続けたいと考えるのであれば、定期的な点検とメンテナンスが非常に大切になると考えてください。なお、家メンテナンスは、内容によって100万円以上かかるようなことがありますので、そういったメンテナンスコストは普段から少しづつ積み立てていくのがオススメです。

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