雷サージって何?夏場の集中豪雨は落雷で家電がダメになってしまう危険がある!

みなさんは『雷サージ』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?「かみなりサージ」や「らいサージ」と呼ばれる言葉なのですが、これは、雷の電圧が、電線・電話線・TVアンテナ線など外部とつながるケーブルをつたって屋内に流れこみ、家電やパソコンに誤作動や故障を引き起こしてしまう非常に恐ろしいものです。

これから迎える夏本番に向けては、快適で涼しい住環境を作るための対策などに頭を悩ませる方が多いのですが、昨今の日本の夏は、突然のゲリラ豪雨や局地的な集中豪雨など、雷を伴う大雨が降ることが多く、落雷による家電や通信機器の故障に注意しなければいけないのです。特に『落雷』と聞くと、2階建て程度でそこまで高さのない一般住宅にはあまり関係のない話なのでは…などという考えを持ってしまう方も多いと思います。しかし、各家庭に電気を供給するためにそこら中に電線が通っていることから、離れた位置で落雷があった際でも、「突然パソコンが使えなくなってしまう…」などと言った事例も少なくありません。

そこでこの記事では、これから迎える夏に向けて、家電や通信機器を守るための対策をご紹介しておきます。

落雷が家電を壊してしまう理由は?

それではまず、家電を故障させてしまうと言われる『雷サージ』の基礎知識から簡単にご紹介しておきます。雷サージは、落雷時に一時的に発生する過剰な電圧や電流の事で、「直撃雷」や「誘導雷」から発生します。直撃雷は、その言葉通り、対象物に直接雷が落ちることで、現在の技術でも落雷被害を無くすことは不可能とされています。誘導雷に関しては、落雷によって発生した電圧が誘導電流を起こし、周囲にまで影響を及ぼすことを指しています。

落雷の被害と聞けば、「雷が落ちた対処物が危険なだけ」とイメージするかもしれませんが、実は、直接雷が落ちたわけではないご家庭などでも、パソコンや充電中のスマホが故障した…なんて事例が多く報告されています。これは、雷によって発生した過剰な電圧により、電気や通信の線に高い電圧がかかったり、過剰に電流が流れてしまうことになり、この電圧が電線・電話線・TVアンテナ線などを通って屋内に流れ込み、家電やパソコンなどの誤作動・故障を引き起こしてしまうのです。

なお、この雷サージによる被害に関しては、パソコンを使用していない場合などでも、コンセントに接続されているだけで引き起こされてしまいます。現代の社会生活を考えてみれば、常にコンセントにつないでいる家電は非常に多いですし、インターネットを引いているご家庭であれば、そういったものも落雷の影響を受けてしまう危険があります。つまり、夏場のゲリラ豪雨や集中豪雨は、「強い雨で外出できない…」なんてことが問題になるのではなく、ネットに接続できなくなる…、家電の電源が入らなくなる…など、家中の設備に不具合が生じてしまい、修理や買い替えに多大な手間とコストがかかってしまうリスクがあると考えましょう。

家庭で行うべき雷対策とは?

それでは、落雷による家電や通信機器の被害を避けるため、家庭で出来る雷対策について解説していきましょう。雷サージという言葉は、世間一般ではあまり知られていないと思うのですが、多くの方は自分の家に直接雷が落ちなければ、特に大きな被害なんてないと考えていることでしょう。

しかし、この考えから突然の家電や通信機器の故障で困ってしまう…なんてケースが多くなっているのだと思います。ここでは、皆さんがおさえておきたい雷対策をいくつかご紹介しますので、できる物から行っておきましょう。

ゲリラ豪雨などで雷が聞こえた時の対策

まずは、突然のゲリラ豪雨などで、「雷の音が聞こえてきた…」なんて場合の対処からです。このような時には、以下の対策を行ってください。

  • パソコンを使用している場合、データを保存して電源を切る
  • スマホを充電器から外す
  • 可能な限り電源ケーブルをコンセントから外す
  • TVアンテナケーブル、LANケーブル、モジュラーケーブル、アース線など、外部とつながっているケーブルを外す

落雷によって被害を受けるのは、パソコンやスマホなどの通信機器だけでなく、家中の家電製品も故障の可能性があります。冷蔵庫や洗濯機などの大型家電に関しては、比較的雷の影響は受けにくいと言われていますが、こういった家電製品でも雷サージで故障してしまう危険があります。そして、こういった大型家電が故障してしまうと、修理や買い替えに多大なコストがかかってしまいますので、家計へのダメージは非常に大きくなってしまいます。真夏にエアコンが故障してしまう…なんてことになると目も当てられませんよね。

したがって、近くで落雷がありそうで、下で紹介するような対策がとれていない時は、可能な限り電源ケーブルをコンセントから外しておくのがオススメです。

雷サージ保護機能付き電源タップを導入する

家電やパソコンなどを落雷被害から守るためには、使い終わったら小まめに電源ケーブルを抜く…という習慣をつけるのがオススメです。しかし、冷蔵庫やエアコン、洗濯機などになると、小まめに電源コードを抜く…なんてことは面倒ですよね。特に、冷蔵庫に関しては、食材を長期間保管するためのもので「使い終わる」という概念すらないものです。こういった家電に関しては、常にコンセントにつないでおくのが普通ですし、そうでなくても、外出時にゲリラ豪雨が…なんてことも考えられ、雷が聞こえたからコンセントを抜くなんて対策が取れないことも少なく無いでしょう。

こういった日常生活上、コンセントを外せない家電に関しては、「雷サージ保護機能付き」の電源タップを購入し、それでつなぐことで落雷の被害を防ぐと良いでしょう。こういった電源タップは、落雷による雷サージを防ぐ機能が付いており、万一異常に高い電圧があっても、それを家電製品には送らないような設計になっているのです。したがって、常にコンセントにつないでおくような家電に関しては、間にこういった電源タップを導入しましょう。
なお、雷サージ保護機能付き電源タップに関しては、家電を落雷被害から完全に守れるわけではないので注意してください。例えば、あなたの家のすぐ近くの電線に落雷が直撃した…なんて場合、非常に強い電圧が流れてしまうことになり、保護しきれない…なんてことになるそうです。もちろん、ないよりはあったほうがマシだと思いますので、保護機能付きの電源タップを購入して使用するのがオススメです。

> 雷ガード付き電源タップを探す

家庭の分電盤で落雷対策をする

どのような住宅でも分電盤が取り付けられているのですが、そこに『家庭用避雷器』を取り付けるのもオススメです。家庭用避雷器は以下のような特徴があります。

  • 電源側から侵入した雷サージが避雷器に流れる
  • アース側から侵入した雷サージにも対応している

家庭用避雷器は、雷サージが入ると、半導体素子が直結して大地に流すような仕組みになっており、故障や不具合の原因となる過電圧が家電製品にかからないように保護してくれます。

雷保険に入っておく

これは、雷サージによる家電の故障を防ぐための方法ではないのですが、万一の事を考えると、雷に対する保険に入っておくのがオススメです。

大型家電など、修理や買い替えに多額のコストがかかってしまうようなものは、メーカーによる保証がそれなりに長いという特徴があります。したがって、「雷サージで故障してもメーカ保証があるから安心!」などと考えてしまう方が少なく無いのです。しかし、この考えは非常に危険ですよ。
というのも、雷による家電製品の故障は、『天災』と判断されてしまうため、メーカーによる無償保証期間内であっても、修理は有償になってしまうのです。「そんなバカな…」などと思う方は、家電製品に付属されている保証内容をしっかりと確認してみましょう。つまり、購入したばかりの大型家電が、雷によって故障してしまった場合、すべて実費で修理か買い替えをしなければならず、大損してしまう危険があるのです。

こういった事態に陥らないようにするためには、火災保険(家財)の雷補償の特約をしっかりと着けておくことや、家電のメーカー延長保証(有償)などで雷に対応できるのかをしっかりと確認しておくのがオススメです。ちなみに、大手保険会社の火災保険支払い事例などを確認すれば、落雷への保険金支払い件数は毎年のように上位3位以内に入っているなど、決して珍しい天災ではないと考えておいた方が良いですよ。

まとめ

今回は、これから来る本格的な夏に向けて、落雷による家電製品の被害についてご紹介してきました。近年では、真夏のゲリラ豪雨や集中豪雨が当たり前に発生するものと認識されるようになっていますし、今年の夏も突然のゲリラ豪雨に困ってしまう…なんて場面が必ずあると考えられます。

そして、ゲリラ豪雨などは、雷も伴う大雨になることが多いため、落雷による被害のことも考えておかなければいけないのです。落雷と言われても、どういった被害が生じるのかいまいちイメージできない…という方が多いのですが、実は家中の家電製品が故障してしまい、買い替えや修理に多大なコストがかかってしまうなんてことが考えられるのです。

この記事では、普段からできる習慣による対策や専用アイテムによる対策をご紹介していますので、ゲリラ豪雨などが増える夏に向けて準備しておくと良いのではないでしょうか?また、ゲリラ豪雨では、突然の雨漏りで困ってしまう…なんて方も多いので、雨漏りしやすいポイントの点検も今のうちにしておきましょう!

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