一昔前までであれば、憧れの戸建て住宅を建てる際「和室は必要かな?」などと考えるまでもなく導入されていたのですが、近年では和室なしの物件でも良いかな…と悩む方が多いと言われています。
筆者の子供のころを考えてみると、和室は当たり前のように存在していましたし、畳の独特の良い匂いは、寝転ぶと心までリフレッシュできるような気がして、今でも畳のある和室はあった方が嬉しいと考えるものです。しかし、畳の部屋というものは、フローリングなどと比較すれば、日々のお掃除が大変…、定期的なメンテナンスが面倒…などと言ったように、実際に住んでみなければ分からないデメリットが多く存在しているため、インターネットなどで調べてみると、意外と否定的な意見を言っている方も少なく無いようです。
そこでこの記事では、「憧れのマイホームを建てる時には、和室は必要かな?」と悩んでいる方のため、和室を導入することで得られるメリットと、その逆のデメリット両面をご紹介していきたいと思います。
そもそも和室を導入する場合はどんな利用用途になるの?
憧れのマイホームを建てるまでは、賃貸マンションなどで暮らす方が増加している近年では、洋風のライフスタイルが定着してきています。一般的な賃貸マンションは、フローリングになっていることが多いですし、収納スペースを確保する目的も併せて、ベッドを利用して寝るという若者が多いことでしょう。
こういった生活習慣の変化もあり、近年では「和室をつくりたい!」「和室って必要?」といった感じに、夫婦間でも意見が相違してしまうことも珍しくありません。それでは、憧れのマイホームで和室を作る方は、どういった利用用途で和室を使っているのでしょうか?ここではまず、よく見られる和室の使い方を紹介ておきます。
- 仏間として利用する
和室の正当な使い方と言えば、仏壇を設置する仏間として利用するというものです。したがって、仏間を作りたいと考えているご家族であればほぼ間違いなく和室を作られます。 - 客間として利用する
友人や親せきが遊びに来た際、おもてなしをする部屋として和室を作る方も多いです。テーブルと座布団を置いておけば応接室として利用できますし、布団を敷けば泊まってもらうこともできますので、来客が多いご家庭では非常に便利です。 - 子供の遊ぶ部屋として利用する
まだ小さなお子様がいるご家庭であれば、子供を安全に遊ばせるため和室を作る場合があります。畳は温かく柔らかい素材ですので、裸足で遊んだり転んだりしても怪我をしにくいのです。また、ハイハイさせるスペースとしても利用できますし、遊び疲れても布団を敷けばお昼寝させることができるなど、子供部屋として考えればとても利便性が高い部屋なのです。 - 家事のスペースとして利用する
和室は、洗濯物を畳んだり、アイロン台を出してアイロンがけするなど、家事のスペースとして非常に使いやすいです。
上記のように、和室はさまざまな使い方ができる非常に便利なスペースとなるのです。それでは以下で、和室のメリットとデメリットを見ていきましょう。
和室のメリット
それではまず、和室を作る事で得られるメリットからご紹介していきましょう。
メリット① リラックススペースとして利用できる
和室は、畳の独特な香りがリラックスできるという方が多いです。他にも、温かく柔らかい素材となりますので、フローリングとは異なり、直接横になっても心地よいのが大きなメリットです。したがって、休日などには家族でゴロゴロしてリラックスできるなどと言ったメリットがあるでしょう。
メリット② 来客時に便利
和室は、来客が多いご家庭などには非常に便利なスペースになります。
テーブルと座布団があれば応接として利用できますし、大きなテーブルを用意すれば大人数で宴会をすることも可能です。さらに、布団を敷けばそのまま宿泊スペースにもなりますので、来客時の対応スペースとしては非常に高い利便性があるのです。
メリット③ 寝室として利用できる
ベッドは置かずに布団やマットレスを敷いて寝たいという方であれば、和室が最適な寝室になります。
フローリングに直接布団を敷くのには抵抗がある方でも、畳なら何の抵抗もないでしょう。畳なら、寝ている時に布団からはみ出したとしても、柔らかいので体も痛くなりにくいというメリットもあります。
メリット④ 子供に最適なスペースになる
畳は、子供が遊んでいても怪我しにくいというのが大きなメリットでしょう。畳は柔らかいので、転んでも大怪我につながることは少ないです。
また、遊んで眠くなっったらすぐに横に慣れますし、「遊ぶ⇒お昼寝スペース」といった感じで、動線に無駄がないのも嬉しいポイントです。
メリット⑤ 素材的に良い効果がある
畳の素材となる『い草』には、以下のようなさまざまな良い効果があると言われています。
- い草の独特の香りはリラックス効果があると言われています
- ホルムアルデヒドを吸着してくれる
- 温度と湿度をコントロールしてくれる
畳を使用する和室は、上記のようにフローリングにはないメリットがたくさんあるのです。
和室のデメリット
上記のようなメリット面だけに注目すれば「やっぱり和室は必要だな。」と思うかもしれませんが、実は和室にもいくつかのデメリットが存在するのです。ここでは、和室を作る事で発生するデメリットもご紹介しておきます。
デメリット① 掃除が大変
和室のデメリットは、日々のお掃除が大変になりがちという点です。フローリングの場合であれば、掃除機やフローロングシートなどで簡単に汚れが取れるのですが、細かい隙間がたくさんある畳の場合、なかなか汚れが取れずに掃除が一苦労だ…という声が多いのです。特に、お子様に和室を使わせている際には、ジュースをこぼしたり、お菓子のかすを落としたりして、それが隙間に入ることで汚れがなかなか取れない…なんて悩みを抱える方が多いです。
デメリット② ダニやカビが発生しやすい
湿気の多い部屋の場合、畳にカビが生えやすいというデメリットがあります。また、食べかすなどの掃除が難しいことから、掃除が不十分となってしまい、ダニの温床となってしまう…ということも少なくありません。
畳の和室は、フローリングの部屋よりも丁寧に掃除しなければならないと考えましょう。
デメリット③ メンテナンスにお金がかかる
畳は経年劣化で、変色や毛羽立ちが発生します。そのため、約5~7年程度を目安として張り替えが必要になるのです。また、和室の押し入れのふすまや障子なども定期的に張り替えが必要です。
障子やふすまであれば、何とか自分で張り替えることもできるのですが、畳のメンテナンスは専門業者に依頼するしかありません。そして畳の張り替えは、1枚6,000~10,000円程度かかると言われていますので、洋室にはないメンテナンスコストを覚悟しなければいけないのです。なお、最近では畳の張替えを激安で行っている業者もありますので、和室を作るのであれば近くにあるか探してみましょう。
デメリット④ 家具を置きにくい
畳は、重たい家具を上に置いてしまうと凹んでしまいます。したがって、基本的に家具を置くのにあまり向いていないのです。また、畳は日光に当たることで日焼けしてしまいますので、日の当たる部屋であれば、家具やマットを置いている部分とそうでない部分の色が変わってしまう場合もあります。
和室を導入する場合には、こういった事にも注意して家具の種類や配置を選ぶようにしましょう。
まとめ
今回は、憧れのマイホームの購入を検討している方の多くが悩む、「和室は必要?」という疑問について、おさえておきたい和室を作った際のメリットやデメリットをご紹介してきました。この記事でもご紹介しましたが、和室というものは、洋室にはない利用用途がたくさんありますので、和室を作ればさまざまなメリットを享受できるのは確かだと思います。
しかしその一方で、日々のお手入れが大変になってしまう…、定期的なメンテナンスが必要になるためメンテナンスコストがかかってしまう…という大きなデメリットも存在するのです。したがって、マイホームを購入する時には、本当に和室が必要なライフスタイルなのかということを良く考えてみると良いでしょう。
例えば、「小さなお子様がいて家の中で安全に遊ばせたい!」「ベッドは置かずに布団やマットレスを敷いて寝たい!」などと言った要望を持っている方であれば、和室を作るのも良いと思いますが、特にこういった要望が無いのであれば、わざわざメンテナンスが大変な和室を作ってしまうと後悔につながってしまうリスクがあると思います。