今年も近づいてきた梅雨!今のうちにおさえておきたい梅雨時期の湿気対策について

今年も4月に入り、早くも4分の一が過ぎました。2021年に入っても新型コロナウイルスの影響で、ステイホームを強いられていますし、なかなかストレスが溜まる日々が続いていますね、さらに、これから季節が過ぎていけば、誰もが苦手な『梅雨』がやってきます。梅雨時期になると、気温が上昇する上、雨の日が続くことから、ジメジメ・ムシムシして過ごしにくい日々が続いてしまいます。気候的な問題で、梅雨時期は何もしたくない…なんて気分になってしまいますが、この時期は大切な家の劣化を急速に進めてしまうことがあるため、注意が必要です。

梅雨時期は、連日続く雨にによって「雨漏りしないかな…」なんてことが気になるものですが、実は目に見えない部分でも住宅の劣化を進めてしまう恐れがある非常に恐ろしい時期と考えなければいけません。木造住宅が非常に多い日本の住宅は、『水分』が天敵となるため、湿気の多い梅雨時期にカビや虫の繁殖、木材の腐食など、さまざまな注意点が存在するのです。

そこでこの記事では、これから迎える梅雨に向けて、皆さんがおさえておきたい梅雨特有の問題や住宅の湿気対策についてご紹介していきます!

梅雨時期に注意しておきたい問題点!

北海道や南の島々を除きますが、日本の国土の大部分は「温暖湿潤気候(温帯湿潤気候)」に属しています。そのため、年間を通じて比較的湿気の高い気候になるのが日本の特徴と言えます。ちなみに、気象庁が公表している湿気に関する30年間の平均値では、最も湿気が低い時期が1月で58%程度だそうです。これが梅雨時期の6月や7月になると、なんと80%程度にまで上がるため、普通にすごしているだけでも湿気の高さを感じてしまうようになるわけです。

しかし、高湿状態というものは、人が不快感を感じる…という問題だけでなく、住宅のあちこちにさまざまな悪影響を与えてしまう訳です。ここでは、湿気による代表的な悪影響をご紹介しておきます。

梅雨時期も結露に注意!

住宅を劣化させてしまう結露問題ですが、外気温との気温差で生じるものですので、基本的に冬場の問題と考えている方が多いでしょう。空気というものは、水分を含んでおり、どのくらいまで含めるかは温度によって変わってきます。そして、温度が低いと空気中に含める水分量が減少してしまうことで、冬場に結露が多いわけです。

しかし、梅雨時期というのは、気温がそれなりに高いにもかかわらず、結露が生じやすいというのはご存知でしょうか?実は、梅雨時期は水分量が多すぎて、気温が高くても空気中の水分量が飽和状態になってしまうため、結露として生じてしまうのです。
つまり、多くの方が見落としてしまっている「梅雨時期の結露」によって住宅が傷んでしまう訳です。梅雨時期に、カーテンや押し入れの中、壁や布団などにカビが生じてしまうのは結露が大きな原因ですので注意しましょう。

カビの大繁殖に注意!

梅雨時期の問題と言えば「カビが生えてしまう…」というイメージが非常に強いのではないでしょうか。この時期は、湿度も高いのですが、気温も上昇してしまいます。

そしてカビの繁殖に適している条件というのが気温20~30℃程度で湿度が80%程度など、高温・高湿状態な訳です。つまり、6月中頃から7月中頃まではカビの繁殖に非常に適した状態になってしまうと考えなければいけません。カビは、外観上の不快感…という問題だけでなく、カビの胞子などを吸い込むことで病気の原因となるなど、非常に恐ろしいものだと考えてください。

梅雨時期は害虫も多くなる!

梅雨時期からは、人に害をなす害虫なども活発になります。例えば、ヤスデやムカデなどもこの時期がら増えてきますので、家の開口部近くに落ち葉や廃材などをそのままにしておくと、そこが害虫の巣になってしまいます。
他にも、高温多湿状態は、カビだけでなくダニの繁殖にも適した条件になりますので、梅雨時期はダニの発生にも注意しておきたいです。人間ではなく、住宅そのものとしては、シロアリの繁殖にも注意です。シロアリは、湿った木材が大好物ですので、高湿状態になると、シロアリに家を食べられてしまう…なんて危険があるのです。

このように、梅雨時期の高温・高湿状態は、住宅にとってさまざまな悪影響を及ぼしてしまう問題だと考えなければいけません。以下で、梅雨の湿気から家族や家を守るためのポイントもご紹介しておきますので、頭に入れておきましょう!

梅雨時期の湿気対策について!

それでは、これから迎える梅雨に関して、皆さんがおさえておきたい湿気対策についてご紹介していきたいと思います。上述したように、梅雨時期の湿気は、人間だけでなく建物自体にもいろいろな悪影響を与えてしまいます。

ここでは、大切なマイホームを長く良い状態で保つため、皆さんがおさえておきたい湿気対策をご紹介しておきます!

キッチン周りの湿気対策

キッチン周りは、水場があるだけでなく火もありますので、室温・湿度共に激しく変化する場所となります。

こういったキッチンにて、特に注意しておきたい湿気のたまり場は、「シンクの下」です。シンクの下は排水パイプが通っていますし、お湯を流すことで熱も伝わることから、カビの繁殖に非常に適しているのです。シンクの下は。お米などを収納しているご家庭も多いのですが、実はこれはNGだと考えておきましょう。基本的に収納スペースになっていますので、さまざまな食品を保管する場所として使用している方が多いのですが、シンクの下は食品の貯蔵に適していません。

なお、シンクの下の湿気溜まりを防ぐためには、時々で良いので、扉を開放して換気するようにしましょう。たくさんのものを保管しているご家庭では、月に1回程度は収納物をチェックし、不要なものは廃棄するようにもしましょう。

押し入れの湿気対策

家の中で特に湿気がこもりやすい場所なのが押し入れです。特に、毎日使っている布団などを押し入れにしまっている場合、寝ている間にかいた汗が布団に染み込んでいます。つまり、水分を含んだものを、密閉空間にしまう訳ですので、押し入れ内の湿気が高くなってしまう訳です。
こういった事を防ぐためには、きちんと乾燥させたうえで押入れに入れるようにすることや、小まめに布団を干してあげるという方法です。また、梅雨時期はなかなか布団を干せませんので、布団乾燥機などを用意しておくのもオススメです。

クローゼットの湿気対策

押し入れと同じく注意したいのがクローゼットです。クローゼットの湿気対策を怠ってしまうと、お気に入りの衣服がカビでダメになってしまう…なんて危険もあるので注意しましょう。

みなさんは、外から帰ってきた際、来ていた服をそのままクローゼットにしまっていませんか?一見、すぐに片付ける行為で、良い行いのように思えますが、実は湿気対策の面から考えるとあまりオススメ出来る行為ではありません。というのも、脱いですぐの衣服は、体温により暖められていますし、湿気もそれなりに溜まっています。したがって、脱いだ衣服をそのままクローゼットにしまうと、湿気がこもってしまう訳です。

日本には、「さぼす(曝す)」という言葉があるのですが、これは風にさらして乾かすという意味を持っています。日本の気候を考えて、衣服を長持ちさせるために「さぼす(曝す)」必要があるわけで、こういった言葉ができたのだと思います。
つまり、着ていた衣服は、そのままクローゼットにしまうのではなく、いったん室内の風通しの良い場所で熱と湿気を抜いてからしまうようにしましょう。なお、衣服は空気中の水分を吸ってしまうという特性があるため、クローゼットを閉め切っていると、湿気の温床になってしまい、虫やカビの繁殖を招いてしまいます。大切な衣服を守るためには、除湿剤を設置することや、天気の良い日は扉を開けるなどの対策をしましょう。

ここまでの対策で分かるように、梅雨時期の湿気対策は、湿気がこもりやすい場所について、定期的に扉を開けてあげるなど「風の通り道を作る」ということがとても大切です。ただし、いくらクローゼットや押し入れの扉を開けたとしても、締め切った部屋ではあまり意味がありません。天気の良い日などであれば、窓を開けて部屋全体に風を通すようにしてあげるなどの対策を考えましょう。なお、窓が少ない部屋などであれば、扇風機やサーキュレーターを用意し、風を流すのがオススメです。

まとめ

今回は、これから迎える梅雨に向けて、皆さんがおさえておきたい湿気の恐ろしさやその対策についてご紹介してきました。この記事でご紹介したように、梅雨時期のジメジメした高温高湿状態というのは、単に過ごしにくい…などという問題だけでなく、人の健康に悪影響をおよぼしたり、建物自体を傷めてしまう非常に大きな問題と考えなければいけません。

住宅でカビが発生した場合、見た目が悪くなってしまうという問題もありますが、お子様がアレルギーを発症させてしまうなどの問題もあるのです。さらに、シロアリの繁殖などを招いてしまえば、大切な家がどんどん食べられてしまい、建て替えが必要になる…なんて危険もあると考えなければいけません。
「梅雨は湿気が高いものだから仕方ない…」と考えるかもしれませんが、最近では除湿のための製品がたくさん登場していますので、そういったものを用意しておくのもオススメですよ!