住宅ローン審査に落ちた。こんな時どういった対応が正解なの?

誰もが憧れるマイホームの購入ですが、非常に大きなお金が動くことになるため、総額の負担は大きくなると分かっているものの、ほとんどの方が住宅ローンを利用したいと考えることでしょう。しかし、住宅ローンを利用するためには、金融機関が行う審査に通過しなければいけませんし、当然何の条件もなく審査に通過するようなことはないのです。

実際に、不動産会社に「問題なく通過すると思いますよ!」と言われていたのに、本審査に出してみると審査落ちしてしまい「これからどうすれば良いのか…」と困ってしまうという方も珍しくないのが実情です。特に住宅ローンの難しい点は、審査基準が一般に公開されることはありませんし、落ちてしまった場合も「何がダメだったのか?」を教えてもらうことができません。したがって、多くの方が購入したい物件は決まっているけれど「自分は住宅ローンの審査に本当に通るのだろうか…」と不安になってしまう訳です。

現在この記事を読んでいる方の中には、既に審査落ちしてしまい、その後どうすれば良いか分からず困っているという方も多いと思いますので、この記事では審査落ち後に取るべき正しい行動をご紹介していきます。

住宅ローン審査に落ちた時の正しい対処について

まず大前提として押さえておきたいのは、住宅ローン審査は誰でも無条件で通過できるような物ではなく、さまざまな理由で審査に落ちてしまうケースがあるということです。
住宅ローンの審査に落ちてしまった場合、非常にショックも大きいですし、「住宅ローンが組めない自分はマイホームを手に入れられないのか…」と落ち込んでしまうような人もいると思います。しかし、この状況は、あくまでも申し込んだ先の金融機関における審査に落ちただけで、他の金融機関に審査を申し込めば普通に通る可能性があるので、そこまで深刻に考える必要はありません。
ただし、何も考えずに無作為に審査を申し込めば良いというわけではなく、きちんと正しい行動をとらなければ、より厳しい状況に陥ってしまう可能性があるのでその点は注意してください。ここではまず、審査落ちした時の正しい行動についていくつかご紹介しておきます。

返済負担率を下げる

まず確認したいのが返済負担率がどうなっているかです。返済負担率は、「年収に占める年間返済額の割合」を指すのですが、これがあまりに大きいと滞納の危険があると考えられてしまい、審査落ちしてしまう危険があります。
一般的に、返済負担率の上限を30%に設定している金融機関が多いのですが、この辺りは年収などによって変わりますので、一概に〇%とは言えないのが実情です。最近では、頭金なしでも家が手に入る…などと言う広告も多いですが、返済負担率ギリギリに設定した借り入れを申し込む場合や、自動車ローンなど他の借り入れが存在する場合、「滞納の危険が…」と判断し審査に落ちてしまう訳ですね。

したがって、頭金を作るなどして、返済負担率を下げた状態で申し込みを行うなどの調整をしましょう。

収入合算やペアローンを検討する

夫単体で住宅ローンの審査を申し込み、年収が少ないことなどが理由で審査落ちしたと考えられる場合、収入合算やペアローンを利用することで解決につながるケースが多いです。

収入合算は、申し込み者と配偶者などの親族の収入を合わせて申告するという方法で、お互いが連帯保証人になってローンを組む方式になります。ペアローンに関しては、夫婦で別々に住宅ローンを組む形式になり、合わせて家の購入に必要な額を借り入れるといった形になります。

こういった方法であれば、二人の収入をもとに審査することになりますので、審査ハードルがグッと下がることになります。注意点としては、団信に加入できるのは申込者のみになってしまうということや、ペアローンの場合、ローンが2本になるので、ローンを組むときの諸費用が2本分かかってしまうという点です。デメリットもある方法ですので、その辺りも良く考慮しておきましょう。

関連:住宅ローンの『ペアローン』ってどんなメリットがあるの?

申込機関を変える

上述しているように、住宅ローンは金融機関によって審査基準なども異なりますので、一つの金融機関の審査が落ちたからといって、他の全ての金融機関における審査に落ちるというわけではないのです。例えば、最初にメガバンクなど大手銀行の審査に申し込んで落ちてしまった…と言う場合、地方銀行やネット銀行、フラット35など、業態が異なる金融機関に申し込んでみると良いかもしれません。

別の金融機関であれば、そのまま同じ条件で住宅ローンの申請をしても普通に通過するケースもあるのです。

審査落ちした時のNG行動について

住宅ローンの審査に落ちたとしても、特段落ち込む必要などはありません。上述の通り、他の金融機関に申し込む、審査内容を精査することで、普通に通過できるケースがほとんどです。ただし、何も考えずに複数の金融機関に審査を申し込めば良いというわけではないのでその点は注意してください。

原因を精査せず連続で申し込むのはNG

住宅ローン審査に落ちた場合、連続で申し込みをするのはNG行動です。審査落ちの理由に関わらず、次回の申し込みをするまでには半年程度、期間をあけるのが鉄則と考えてください。これは、金融機関に住宅ローンの申し込みを行った場合、その時点で「住宅ローンを申し込んだ」という情報が信用情報機関に登録され、その情報が6カ月間残るからです。

つまり、住宅ローンの審査に落ちてしまい、6ヶ月以内に他の金融機関に申し込みを行った場合、「他の金融機関に住宅ローンを申し込み、審査に落ちた」と言うことが分かってしまうのです。金融機関は、ローン審査の申し込みがあれば、金融事故が無いか調べるために、必ず信用情報機関に照会をかけるようになっています。

この段階で、「別のローン審査に落ちた」と言うことがわかれば、新たに申し込まれた金融機関は「何が問題なのかを」より厳しくチェックすることになります。要は、通常よりも審査が厳しく行われる可能性があるということで、より通りづらい状況な訳ですね。なお、住宅ローンの仮審査に関しては、複数の機関に申し込んでも問題ありません。

こういったことから、家購入の申し込みの時点で、いろいろな金融機関に仮審査を申し込んでおき、通過できそうなローンを精査しておくことも大切だと考えておきましょう。

住宅ローンの審査項目について

住宅ローンの審査基準に関しては、金融機関によって異なりますし、さらに明確な審査基準をどこも公開していません。また、審査が完了したとしても、否決理由などを教えてもらうことすらできないのが一般的です。つまり、住宅ローンに通るためには、審査に必要になる書類などから、「何を見られているのか?」を自分で推測し、きちんと対策をとる必要があるわけですね。

一般的に、住宅ローンの審査で重視される傾向にある項目は以下のような点なので頭に入れておくと良いでしょう。

①年齢

一つ目のポイントは『年齢』です。住宅ローンの審査における年齢要件については、審査を申し込むときの年齢と、完済時年齢の2つが要件になります。基本的に。住宅ローンを申し込める年齢の下限については、20歳とされています。完済時年齢に関しては、多くの金融機関で80歳を超えていると、審査の通過が難しくなると言われています。

②職業(勤務先情報)

住宅ローンの返済面を考えた場合、収入が安定していて、滞納の危険が少ないかが重視されると考えてください。この点から、住宅ローンは個人事業主などが通過するのが難しく、会社員や公務員の方が審査を通過しやすいと言われるわけです。

③雇用形態

ここも、「収入が安定しているのか?」と言う点で重視されるポイントです。一般的に、正規雇用が最も安定性が高く、派遣社員やアルバイト、無職の方は、収入が安定しないという点で審査が厳しくなる傾向にあります。金融機関によっては、継続的に安定した収入が証明できたとしても、パートやアルバイトの方は審査を受けられないとなっているケースもあります。

なお、法人役員については、会社と雇用関係にないケースが多いため、個人の収入だけでなく、会社の業績が安定しているのかもチェックされます。

④勤続年数

勤続年数は、長ければ長いほど審査に通りやすいと言われています。

⑤年収

年収については、返済負担率を計算する基本情報となるため、必ずチェックされる重要ポイントです。

年収は高ければ高いほど審査に通過しやすくなると思いますが、年収がそこまで高くない場合でも、年齢や雇用形態、職種なども総合的に判断されることから、返済負担率の部分を調整しておけば問題ないと思います。
ちなみに、金融機関によってローン申し込みのために年収の下限を設定しているような場合があるので、そのケースでは返済負担率が問題なくても、年収で弾かれてしまうでしょう。

⑥他社の借入件数および金額

住宅ローンの審査では、他社の借り入れ状況も非常に重要です。基本的には、他社からの借り入れがある時点で、審査に不利になってしまうと考えましょう。これは、既に返済中の借り入れがある場合、そこに住宅ローンが加わると、返済負担率が高くなり、滞納のリスクが大きくなると考えられるからですね。

もちろん、借入金額がそこまで大きくなく、これまでの返済状況に問題などが生じていないのであれば、審査には大きな影響を与えません。

⑦金融事故の有無

過去に金融事故を起こしているかどうかは必ずチェックされます。

上述したように、住宅ローンの審査では、信用情報機関に登録されている情報を必ず照会します。信用情報は、カードローンやクレジット、そのほかのローンの利用情報が登録されており、現在の借入残高が高すぎる、返済の遅延などの金融事故が起きていないかなどを確認されるわけですね。金融事故情報が残っていれば、ほぼ間違いなく審査落ちしてしまうでしょう。

⑧物件の所在地など、担保評価

住宅ローンは、物件を担保に入れて借り入れを行うという形です。そのため、物件の担保評価額と希望融資額の比率(融資比率)が審査の重要ポイントになるのです。担保評価とは、万一住宅ローンの返済が滞った際でも、融資対象物件を売却して残債の回収が可能なだけの価値があるかを評価するものです。この担保評価額が低ければ、希望融資額の貸し付けができないと判断されてしまうケースがあるわけですね。

中古物件などは、建物の価値がかなり下がってしまうので、担保評価額が低くなり、希望額を融資してもらえないというケースが非常に多いと言われています。

なお、国土交通省が公表した「令和元年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書」の中に重視される審査項目が紹介されていますので、この資料も確認しておきましょう。

まとめ

今回は、住宅ローン審査に落ちてしまった時に考えるべきポイントをご紹介してきました。この記事でご紹介したように、住宅ローンの審査は、ある金融機関の審査が落ちたからと、他の全ての金融機関の審査に落ちるような物ではありません。住宅ローンの審査は、どの金融機関でも慎重に行いますが、重視する審査項目が異なることから、他の金融機関に申し込めば通るなんてことは普通にあるわけです。

ただし、本審査に落ちてしまうと、連続で審査を申し込みにくくなるので、あらかじめどういった点に注意すべきか、落ちてしまう理由が何かを考え、対策を練って申し込むのがオススメですよ。現在、関西地方で家の購入を検討している方で、住宅ローンについて不安があるという方は、お気軽にむとうの家までお問い合わせください。

> 住宅ローン関連の記事はコチラ