家族の命を守るために!避難所に緊急避難する際に知っておきたい知識について!

この記事を作成している2021年8月14日現在は、九州地方や中国地方の各所で大雨に対する特別警報が出されているなど、さまざまな場所で水害による被害が生じています。むとうの家がある大阪府に関しても、山沿いの地域に『避難指示』が出ていますし、地域の避難所へ緊急避難をした方が良いのか…と迷ってしまっている方も多いのではないでしょうか?
自然災害が昔から多い日本では、諸外国と比較しても災害慣れしてしまっている人が多いと言われており、自治体から避難指示や警報が出ていたとしても、過去の自分の経験を信じてしまい、「どうせ家にいても何も起こらない」と避難すら検討しないという方も多いと言われています。最初に言っておきますが、近年、日本国内で発生している自然災害は、過去に例を見ないほど甚大な被害を生じさせることが多くなっていますので、自分の経験だけを信じるのではなく、命を守るための行動を優先させるように心がけましょう。避難して何もなければ「避難して損した」なんて考えるかもしれませんが、実際に自宅に大きな被害が出れば、そのようなことを考えることすらできないわけですので、避難したほうが絶対に良いと言えるはずです。

しかしそうはいっても、避難所に避難した経験など一度もない…という方が非常に多いことから、緊急避難するにしても、避難所に何を持っていけば良いのかさっぱり分からない…という方も多いと言われています。そこでこの記事では、集中豪雨や台風などの影響でお住まいの地域に避難警報などが出た場合、何をもって避難すれば良いのかをご紹介していきたいと思います。
現在では、どこの住んでいても安全とは言えないようになっている日本ですので、家族の安全を守るためにも、この記事の内容は頭に入れておきましょう!

避難所に避難する時の基本的な持ち物


それでは、自分が住んでいる地域に避難指示や緊急安全確保などの情報が出た場合、避難所に何を持っていけば良いのかについてご紹介していきましょう。避難所は、各自治体が特定の場所を定めており、住んでいる場所によって避難すべき施設が決まっていますので、まずは「自分は万一の際、どこに避難すべきか?」ということをしっかりと確認しておきましょう。

こういった避難所に関しては、自治体が決めているわけですので、水や食料、毛布などは用意されていると考え、手ぶらで避難する方もいると思います。確かに、避難所では飲み水や簡単な食べ物が提供されることは間違いないのですが、災害の規模によっては、避難する人全員に配布する物品の備蓄が足りない…なんてことも考えられますし、救援物資などは現地に到着するまでに1週間程度かかるのが普通です。
したがって、手ぶらで避難してしまうと、初期に飲み物や食べ物で困ってしまう…なんてことが考えられます。そのようなことにならないよう、以下のようなものは自分で避難所に持ち込むようにしてください。なお、避難する時に荷物で両手が埋まってしまう…なんてことになると、転んで怪我をしてしまう…などという危険があるため、避難用のリュックサックを用意しておき、それに必要な物を詰め込んで避難するようにしてください。

①飲料水・非常食、水を入れる用の給水袋

避難所に避難する時には、最低限の飲料水と食料を自分で用意して持っていきましょう。飲料水はペットボトル、水缶を用意しておき、非常食は缶切りを使わなくても開けられる缶詰やアルファ米、栄養補助食品などが良いですね。また、ビスケットやチョコレートなど、常温保存ができ、かつそのまま食べられるものを中心に用意しておくと良いでしょう。

なお、避難所生活が何日間続くか分かりませんし、生活用水のための給水袋などを用意しておくと便利です。地域で断水が発生してしまうと、トイレや洗い物などのために生活用水を給水車から貰うようになるのですが、その際に給水袋があると非常に便利です。

②貴重品は家に残してはいけない

避難所に行くときには、できるだけ貴重品は残さないようにした方が良いです。例えば、印鑑、免許証や保険証、保険証券、通帳など、持ち出せるものはリュックに入れて避難しましょう。また、災害の規模によっては、カード類が使えなくなってしまう危険もありますので、いくらかの現金を用意しておくのも大切です。

避難所に貴重品を持っていく方が怖い…と考える方もいますが、残念ながら治安が良いと言われる日本でも、大規模災害が発生した時には、住人が避難所に避難していることを良いことに、空き巣を働く…なんて極悪人が一定数いるのです。したがって、盗まれては本当に困る…といったような貴重品は、小さな袋などにまとめてリュックの底などに入れて持っていきましょう。

③避難用品

避難所に避難しなければならないのは、昼間とは限りません。周囲が暗くなってから一気に状況が悪くなり、避難指示が出たりすることも珍しくないのです。特に地震などに関しては、いつ・どこで発生するのか予想すらできませんし、夜中に避難所を目指さなければならない…なんてことも考えられるのです。

したがって、こういった事を想定して、分かりやすい場所に、懐中電灯、軍手、ヘルメットや防災頭巾、携帯ラジオに予備の電池など、避難用品をまとめて用意しておきましょう。なお、懐中電灯や軍手、ヘルメットなどは、ご家族の人数分を用意しておくことが大切です。最近では、スマートフォンで最新情報をすぐに取得できるようになっていますし、携帯ラジオは必要ないと考える方も多いです。しかし、停電が起きてしまうと、スマホの充電を気にしながら使うことになりますし、いろいろな人から連絡が来ることで、電池がすぐになくなってしまう恐れもあるのです。したがって、電池で稼働する携帯ラジオは用意しておくのがオススメです。

④救急用品

小さな怪我をしてしまう危険もありますので、絆創膏や消毒液、包帯や常備薬などの救急用品も持っていきましょう。

なお、コロナ禍の現在では、多くの人が集まることになる避難所でのクラスターの心配も考えなければいけません。したがって、避難する際には、マスクや手指の消毒用アイテムなども多めに持って行っておくことが大切です。

⑤生活用品

災害の規模によっては、避難所で数日間生活をしなければならない…なんてことも考えられます。したがって、物資が整うまでに困らなくても良いよう、最低限の生活用品を準備して避難すると良いでしょう。例えば、タオルやウェットティッシュ、ビニール袋や使い捨ての食器類、トイレットペーパーなどを用意しておくと、とても便利です。なお、持ち込む生活用品については、季節も考えておきましょう。例えば、真冬の寒い時期なら使い捨てカイロが便利ですし、夏場は大量の汗をかきますので大き目のタオルや体を拭くことができるようなウェットシートなどがあると衛生的になるでしょう。

ちなみに、避難する時には、ラップも持ち込んでおけば、食器にラップを巻いて使うことができるようになり、毎回食器洗いをしなくてはならない…なんてこともなくなります。

⑥季節に合わせた衣服など

下着は数日分用意しておいた方が良いでしょう。また、衣服に関しては季節に合わせて持っていきましょう。ただし、真冬だからと重ね着のための衣服を大量に持ち込むなどということは難しいので、避難生活のことも考えて、暖を取れるインナーや厚手のアウターを用意しておくのも良いかもしれません。
夏場は、Tシャツを持ち込めるだけ持ち込めば、定期的に着替えることができるようになるので、衛生的です。

⑦人によっては以下のものも用意しておきましょう

①~⑥までは、全員に共通する避難時に持っていきたい用品です。そして、人によっては、上記のような用品だけでは足りない場合もあるのです。例えば、乳児期のお子様と一緒に避難するといった場合、避難所にはそういったお子様用の食料が用意されていないことの方が多いということを覚えておきましょう。

避難所の備蓄は、多くの人が利用するものを中心に行われますので、特定の品物に関しては備蓄されていなくて困ってしまう…ということも多いのです。

■女性が持っていきたい用品

  • 生理用品
  • 最低限の化粧品

■赤ちゃんがいるご家庭

  • 哺乳瓶
  • 粉ミルクや液体ミルク(粉はスティックタイプがかさばらない)
  • 哺乳瓶の消毒キット
  • 紙おむつ
  • お尻ふき
  • 母子手帳

■高齢者の方

  • 数日分の持病の薬
  • お薬手帳や処方箋
  • インスタントのお粥など自分が食べやすい食品

スムーズに避難するための基礎知識

それでは最後に、万一の際、スムーズに避難所まで避難するためにおさえておきたいポイントをご紹介していきます。緊急避難が必要なほどの災害ですので、パニックになってしまう方も多いのですが、冷静にスムーズに避難しなければ逆に危険です。
万一の際、スムーズに避難するためには、普段から緊急時のことを想定して準備しておくことが非常に大切になります。以下のようなポイントを押さえておきましょう。

避難経路、避難場所を確認しておく

緊急避難情報が発令されてから「どこに避難すれば良いのか?」を調べていたのでは遅いですよね。避難が必要になった際、すぐに行動に移せるように、平時に自分たちはどこに避難すれば良いのかを確認しておく必要があります。

また、避難場所までの経路についても、災害時は普段とは全く様相が変わってしまう場合があります。例えば、避難所まで近いからと言っても、山に面した道路を使って避難しては、逆に危険です。したがって、避難経路についても、事前に歩いてみて、実際の災害時に避難する際、どの経路が安全なのかをチェックしておきましょう。できれば、避難経路は2~3種類の経路を見つけておくのが理想です。
基本的に、狭い道、古い建物に面した道、川沿い、山に面している道などは危険ですので、多少遠くなっても避けるようにルートを考えておきましょう。

> 避難場所などはハザードマップポータルで確認できます

家族の安否確認の方法も確認

緊急避難の際、家族が同じ場所にいるとは限りません。したがって、バラバラの場所で被災した時のことも考えて、万一の際の安否確認の方法を決めておきましょう。「安否確認なんてスマホがあれば大丈夫じゃん!」と思うかもしれませんが、災害時はスマホなどが混線してしまい使えなくなることも珍しくないのです。そういった時に備えて、いくつかの方法を用意しておくのがオススメです。例えば、以下のような感じです。

  • 家族が書き込む用のSNSを作っておき、避難する場合、場所などを書き込むように決めておく
  • 避難の際は、自宅の壁やドアに避難先を書いたメモを残す
  • 災害伝言ダイヤル、災害用伝言板を利用する

自宅を出る時の注意点

避難している間に、自宅が火災に遭った…なんてことになると目も当てられませんよね。したがって、避難所に避難する時には、自宅の安全もきちんと確保してから避難所に避難してください。

  • ガスの元栓を閉めておく
  • 不要な家電製品のコンセントは抜く
  • 停電時や長期的な避難になりそうなら、ブレーカーを落とす
  • 台風の接近時は、雨戸や窓シャッターを閉めておく

まとめ

今回は、多くの方が経験したことがない、避難所への緊急避難時の基礎知識をご紹介してきました。日本は、地震や台風などの自然災害が昔ら多いという環境ですので、緊急時の対応策というのは、政府や自治体がかなり綿密に作っています。しかし、そういった緊急時の安全策については、利用する住民側が理解していなければ、最大の効果を発揮することは難しいものなのです。

特に近年では、集中豪雨による水害が頻発するようになっているのですが、雨による水害は「長くこの地域に住んでいるが河川の氾濫なんか一度もない」「何十年も住んでいるけど、裏の山が崩れたことはない」など、自分の経験をもとに、必要な緊急対策を怠ってしまい被災するという方が非常に多いと言われています。

しかし、テレビのニュースなどでも「100年に一度」と言われるような大雨が毎年のように発生する時代になっていますので、今までの経験などは無視して、自治体などが発表する避難指示に従うようにしましょう。避難して何もなくても命を守れることに違いないのですから、まずは家族の安全を最も守れる確率が高い行動をとるということを心がけるようにしましょう。
特に、前回紹介した火災保険の水災補償の記事にあったように、関西地方は、日本全国でも特に水災補償に加入しない人が多く「関西は(大阪は)水害なんて起きない!」と考えている人が多いように思えます。その油断が、家族の身を危険にさらすかもしれませんので、この記事でご紹介した内容は頭に入れておいてください。なお、大阪府内に住む方の避難所については、大阪府の防災ネットに公表されていますので、それも確認しておきましょう。

> 大阪府防災ネット

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