オール電化はもはやスタンダード?オール電化を検討している方が知っておきたいメリット・デメリット

こんにちは、住まいのアドバイザーむとうの家です。今回は、家庭で使用するエネルギーを『電気』に統一するオール電化住宅のメリットやデメリットについて簡単にご紹介していきたいと思います。

近年では、住宅用太陽光発電や家庭用蓄電池、電気でお湯を沸かすエコキュートなどの住宅設備が人気になっていることもあり、調理や空調、証明や給湯などに必要になる熱源を全て電気でまかなう『オール電化住宅』の人気が高くなっています。東日本大震災の影響もあり、2016年頃まではオール電化を導入するご家庭が減少傾向にあったと言われているのですが、2017年以降はその導入率が右肩上がりになっており、民間調査会社による調査によると2020年にはオール電化の普及率が20%近くになると言われているのです。

オール電化住宅は、家庭で消費するエネルギーを電気に統一するため、ガス代がかからず光熱費が安くなることや、住宅火災の心配が少ない安全性の高い住宅が実現することがメリットと捉えられていますが、実際にオール電化住宅の導入を検討した場合、さまざまな不安が思い浮かぶ…という方も多いようです。例えば、本当に光熱費が安くなるのか?メリットがある反面デメリットもあるのではないか?などと言った不安を抱える方が多く、実際にむとうの家にお問い合わせいただくお客様の中にも導入を迷っている…という方は多いです。
そこでこの記事では、オール電化にしようか検討中の方のため、導入前におさえておきたいオール電化のメリット・デメリットをまとめてご紹介します。

オール電化住宅の基礎知識

それではまず、オール電化の基礎知識として「そもそもオール電化とは何だ?」と言う点をご紹介していきましょう。

オール電化については、普及し始めてからかなりの期間が経過していますので、どういったものなのかある程度理解している人も多いかもしれません。このオール電化は、冒頭でご紹介したように、調理や空調、照明や給湯などに必要な熱源を全て電気でまかなう住宅のことを指しています。一昔前であれば、調理や給湯にガスを使う『電気+ガス』という体制の住宅が多かったのですが、これを電気に統一するのです。

したがって、オール電化住宅を実現するためには、「電気で稼働する住宅設備」の導入が必要不可欠で、例えばガス給湯器を利用している方ならエコキュートなどに入れ替える必要があります。一般的に、オール電化住宅で使用される住宅設備は以下のようなものとなります。

オール電化住宅で使われる住宅設備

オール電化住宅を実現するためには、電気で稼働する住宅設備の導入が必要不可欠です。一般的に導入される設備を以下でご紹介しておきます。

  • 調理に使用する設備
    古くから調理にはガスコンロが利用されていましたが、オール電化住宅の場合、電気を使って加熱するIHクッキングヒーターが使われます。
  • 給湯に使用する設備
    ガス給湯器や石油給湯器を使用している住宅であれば、電気でお湯を沸かすことができるエコキュートや電気温水器に入れ替えしなければいけません。エコキュートや電気温水器は貯湯式の給湯器が主流ですので、設置スペースの確保が重要です。
  • 暖房に使用する設備
    床暖房などの暖房器具は、ガスや灯油式の物が有名です。しかしオール電化住宅を実現するためには、エコキュートの熱を利用するものや、蓄熱ヒーターと呼ばれる暖房機が使われます。
  • その他の住宅設備
    オール電化を導入するために必須ではないのですが、太陽光発電設備や家庭用蓄電池を導入する家庭も多いです。

オール電化住宅を実現するためには、上記のようなさまざまな住宅設備をそろえなければいけません。

オール電化住宅のメリット

それでは、現在オール電化住宅を検討中の方のため、オール電化にすることで得られるメリットをご紹介していきましょう。年々その普及率が高くなっているオール電化ですから、導入すればさまざまなメリットが得られるのは確かなのです。一般的に言われているメリットは以下のようなことです。

  • 給湯や暖房にかかるコストが安くなる可能性がある
  • エネルギーの基本料金を一本化できる
  • 火災の心配が少なくなり、安全性の高い住宅になる
  • 導入する設備によっては災害時も安心

以下でそれぞれのメリットをもう少し詳しくご紹介していきます。

メリット① 光熱費削減効果について

オール電化住宅最大のメリットと言われるのは、光熱費の大部分を占めることになる『給湯』や『暖房』にかかるコストを安く抑えることができる点です。例えば、家庭で使用する給湯器としてエコキュートを導入した場合、オール電化向けに作られている夜間時間帯の料金単価が格安になるプランに加入することで、大幅な給湯コスト削減効果が得られると言われています。夜間電力が格安になる分、日中の料金単価が割高になりますので、日中に多くの電気を利用するご家庭では注意が必要ですが、そうでない場合はかなりの光熱費削減を期待できるでしょう。

また、太陽光発電や家庭用蓄電池も導入しているご家庭であれば、日々の生活にかかる光熱費を全て自家発電で賄うことも不可能ではないと言われています。要は「光熱費0円」での生活を目指せるということです。

メリット② 基本料金の一本化について

オール電化住宅の場合、ガス会社との契約がありませんので、電気の基本料金がかかるだけです。ガス・電気併用の場合は、それぞれに基本料金がかかってしまいますので、ガスの基本料金の分節約できるようになるのです。
ガスの基本料金については「2000円前後」ですので、大した節約効果ではないと考えるかもしれませんが、1年で考えれば2万円以上、10年ともなれば20万円以上の節約効果になり、決して馬鹿にできない節約効果なのです。

メリット③ 安全性の高い住宅について

オール電化住宅の大きなメリットとして『安全性の高い住宅』が実現するというものがあります。これは、ガスを併用する住宅のように、調理や給湯の際、直接火を使わないため火災の心配が少なくなることや、ガス漏れや不完全燃焼による一酸化炭素中毒事故の心配がなくなるということが大きな要因です。実際に、保険会社の中にはオール電化住宅にすることで火災保険料が割安になるプランを用意している場合もあるのです。

特に、小さなお子様がいるご家庭や、高齢者の一人暮らしなどであれば、火の消し忘れの心配がなくなりますので、オール電化は非常にオススメです。調理に使用するIHクッキングヒーターは、天板がフラットなため、ガスコンロと比較すると日々のお手入れも楽になるというメリットも存在します。

メリット④ 災害との関係性について

下でも紹介しますが、基本的にオール電化住宅は自然災害に弱いとみなされている場合が多いです。日本は、古くから地震や台風などの自然災害が多く、こういった災害が発生した場合には電気やガスなどのライフラインがストップしてしまうことも珍しくありません。オール電化住宅の場合、停電が発生すれば全ての住宅設備が使えなくなるわけですので、「災害に弱い…」とみなされているのです。

しかし、最近では、こういった弱点を解消するために太陽光発電や家庭用蓄電池を導入するご家庭が増えています。これらの設備が導入されているオール電化住宅であれば、万一の停電の際にも、自家発電した電気が使えるようになり、オール電化住宅の方が安全な場合もあるのです。蓄電池があれば、昼間しか発電できない太陽光発電でも、電気を蓄えることができますので、万一の災害時でも一日中電気製品を使用することができるようになります。
さらに、オール電化住宅で導入されるエコキュートなどは、貯湯式の給湯システムとなるため、万一断水が発生した際にも、タンクから水を取り出して使用することができるようになるため、非常用水が確保できるというメリットがあるのです。
一般的に、ライフラインがストップした場合、電気の復旧が最も早いと言われている点もメリットと捉える方が多いです。

オール電化住宅のデメリット

それでは最後に、オール電化住宅のデメリット面もご紹介しておきましょう。オール電化住宅の導入をご検討中の方は、メリット面ばかりに注目するのではなく、デメリット面もしっかりと押さえておかなければ、導入後に後悔してしまう結果になりかねません。一般的に、以下のようなデメリットがあると言われています。

  • 昼間の電気代が高くなる可能性がある
  • 導入コストがかかる
  • 停電の影響が大きい場合がある
  • 設備の使い勝手の印象が個人によって違う

以下でもう少し詳しくご紹介します。

デメリット① 昼間の電気代が高くなる…

上述したように、各電力会社では、オール電化住宅向けに夜間時間帯の電気料金単価が格安になるプランを作っています。オール電化を導入した場合、こういった料金プランに加入することで、光熱費削減を目指すことになるのですが、実はこの料金プランに加入した場合「日中の電気料金単価は高くなる」のです。
したがって、二世帯住宅など、昼間も家に誰かがいてそれなりの電気量を消費するというご家庭であれば、月々にかかる電気代が高くなってしまう可能性があるのです。したがって、オール電化の導入や電気料金プランの変更を行う前には、どういった手段が最も安くなるのか慎重にシミュレーションしなければならないと考えておきましょう。

デメリット② 導入コストが高い…

特にリフォームでオール電化を導入する場合、住宅設備の入れ替えに多大なコストがかかってしまう…という点がデメリットになるでしょう。もともとガスを併用していた住宅であれば、ガス給湯器やガスコンロを電気で稼働するエコキュートやIHクッキングヒーターに入れ替えしなければいけません。したがって、設備本体の購入費に加え、撤去・設置工事費用でそれなりのコストがかかってしまうのです。新築の場合であっても、エコキュートなどの方が割高なので、設備にかかる費用はオール電化の方が高くなるでしょう。

また、万一の停電に備えたいと考えている場合、太陽光発電や家庭用蓄電池の導入も必要になるのですが、これらを導入するためには数百万円単位のコストがかかってしまいます。もちろん、中長期的に見れば、取り返せるコストになるかもしれませんが、初期に多大なコストがかかると言う点はデメリットになるでしょう。

デメリット③ 停電の影響が大きい…

太陽光発電や家庭用蓄電池を導入していないオール電化住宅の場合、停電が発生してしまうと全ての住宅設備が使えなくなる…など、非常に大きな影響を受ける点をデメリットと捉える方が多いです。オール電化を導入する場合、カセットコンロや懐中電灯など、万一の停電に備えるためのアイテムを準備しておくのがオススメです。

なお、注意が必要なのは、ガスを併用している住宅であれば停電時も安心と考えている人も多いのですが実はそうでもありません。実は、ガス給湯器などは着火に電気を使っていますので、停電が発生してしまうとガス給湯器の場合でもお湯を使うことはできません。

デメリット④ 設備の使い勝手について

最後は、オール電化用の住宅設備の使い勝手が人によって『悪い…』と感じてしまうことです。ただし、慣れてくればそこまで大きな問題になりませんのであまり心配する必要はないと思います。

まず、給湯器に関してですが、オール電化の場合はエコキュートを導入することになります。エコキュートは上述したように、貯湯式の給湯システムとなっており、ガス給湯器に慣れている方からすれば使い勝手がかなり違ってくるのです。ガス給湯器は、瞬間式ですので、お湯の蛇口をひねればその場でお湯を作り供給します。しかし貯湯式のエコキュートの場合、一日に使用するお湯をまとめて沸かしてタンクに貯めておき、必要な時に給湯するという仕組みになっているのです。つまり、エコキュートの場合は、タンクに貯め置きしている以上のお湯を使ってしまえば、お湯切れが発生してしまう危険があるのです。もちろん、沸き増しすればすぐにお湯を使用できるようになるのですが、この場合、電気代が高い時間帯に稼働させることになり、光熱費削減効果が得られなくなるのです。
他にも、ガスコンロからIHクッキングヒーターに入れ替えた方が、慣れるまでに使いにくさを感じてしまうという声も多いです。IHクッキングヒーターは、鍋底がヒーターに接していなければ加熱できませんので、ガスコンロの時のように鍋を振りながら調理する…なんてことができないのです。したがって、IHクッキングヒーターの使い始めのころに、使い勝手の悪さを感じてしまうというデメリットがあると言われます。

この部分は個人差がありますので、全ての人に対するデメリットではありません。

まとめ

今回は、オール電化住宅のメリットとデメリットについてご紹介してきました。オール電化住宅は、家庭で使用するエネルギーを電気に統一することで、光熱費削減を目指すことができることや安全性の高い住宅が実現すると言う点が注目され、年々その導入率が高くなっているのです。

しかし、さまざまなメリットが存在すると言われるオール電化ですが、その一方で決して見逃すことができないデメリットも存在するということを忘れてはいけません。特に、ライフスタイルによってはオール電化最大のメリットと言われる光熱費削減効果も得られなくなる可能性もあるなど、全ての方にとって大きなメリットがあるわけではないのです。
住宅を造る時には、世間で言われている評判だけで決めるのではなく、ご自身のライフスタイルや自分の家に欲しい機能などをよく検討して、それを実現するにはどういった住宅にすべきかということを考えなければいけません。家は建てて終わりというわけではなく、『その後大切な家族と長く生活をする場所』なのだということを強く認識しておきましょう。

現在、新築やリフォームをご検討中の方で、どういった住宅にすれば良いのか迷っている…という方がいれば、お気軽のお問い合わせください。むとうの家では、経験豊富なスタッフ揃っていますので、お客様のご予算や要望に最適なご提案を行っています。