新築で建売住宅を購入する場合に、モデルルームなどを確認して、その雰囲気の良さを気に入って購入する方の中には、「モデルルームそのままの家が手に入る!」と考えてしまうといった勘違いが意外に多いです。このような方は、新居に引っ越しした時に「部屋にエアコンが付いていないけど、設置し忘れたのかな?」「せっかく新居に越してきたのに、エアコンが無くて寒くて寝られない…」などと、不動産会社の不手際と考えてしまう方がいます。 しかし、最初に言っておきますが、新築の建売住宅に関しては、エアコンがあらかじめ設置されていないのが一般的です。そのため、新居を購入した後に、エアコン本体の手配はもちろん、取り付け工事の打ち合わせなども自分で個別に行わなければいけません。 なお、エアコンの取り付け方法にもいくつかの手段が考えられますので、この記事では、建売住宅のエアコン取付工事についてまとめていきたいと思います。現在、憧れのマイホームの購入を検討している方は是非頭に入れておきましょう。
建売住宅は家そのものがあるだけ
それではまず、これから建売住宅の購入を検討している方がおさえておきたい基礎知識をご紹介していきたいと思います。モデルルームなどを確認した場合、お客様がそこでの生活をイメージしやすいように、プロのインテリアコーディネーターが、各居室がもっとも美しく見えるように、家具・家電が備え付けられています。しかし、このような状態は、あくまでカタログとして作られているだけで、購入してそこに住むためには、すべて自分で用意しないといけないと考えてください。
エアコンも設置されていないのが一般的!
冒頭でご紹介したように、建売住宅を購入した場合、エアコンも設置されていないのが一般的です。近年の賃貸物件などになると、エアコンや照明設備は備品として備え付けられていることが多いので、これと混同してしまい「エアコンは最初からついている」と考えてしまう人がいるようです。しかし。賃貸物件でのエアコンは、あくまでも付加価値として設置しているだけで、物件の中には、エアコンが設置されていない代わりに家賃設定を低くしているという場合も少なくありません。 なお、戸建ての中でも中古住宅では、エアコンが設置されているケースもあるのですが、これはあくまでも、前の所有者の『残置物』扱いとなります。残置物は、そのまま利用しても構いませんが、エアコンなどは古いものになると光熱費が割高になってしまうケースがあるため、あくまでも残置物扱いとなるわけです。 新築の建売住宅になると、前所有者などいませんし、当然残置物などありません。また、エアコンは室外機とつなぐために壁に穴をあける必要があることから、家の購入者がインテリアとの兼ね合いなどを考えて、好きな位置にエアコンを設置できるよう、エアコンの取り付けは行わないのが一般的なのです。
エアコンの設置コストを頭に入れておこう
ここまでの解説で分かるように、建売住宅を購入する場合、生活必需品となっているエアコンは自分で用意しないといけません。そして、エアコンの設置は、意外にコストがかかってしまいますので、「エアコンはついているもの!」と考えていると、新居に越してから困ってしまうこともあるのです。まずは、家の購入費以外に、エアコンの取り付けコストとして、以下の費用がかかると考えておきましょう。
- エアコン本体の金額:4~20万円(1台当たり)
- エアコン取付工事費:3万円程度(1台当たり)
エアコンは、年々性能が上がっている割に本体価格は安価になってきています。6畳タイプのものであれば、3万円程度から販売されていますし、一昔前と比較すれば、そこまで高額な家電ではないので安心しましょう。ただし、リビングなどに設置するエアコンは、20畳タイプなどが一般的で、これぐらいになると10万円前後が本体価格になります。 そして、新築時に意外に見落とされがちなのが、エアコンの取り付け工事費で、1箇所当たり1.5~3万円程度の取り付け工賃がかかると考えてください。なお、業者によって、これに出張費がかかったり、室外機の設置場所の関係で配管が長くなるなどと言った理由で、工事費が高額になることもあります。 もちろん、新築の場合は、その他の家電などもまとめて購入する場合がほとんどですので、大手家電量販店などになると、それなりの割引対応をしてくれると思います。しかしそれでも、3~5台程度のエアコンを設置するためには数十万円単位のお金がかかってしまいます。 ※エアコンの取り付け工事にかかるコストに関しては、購入した家の条件などによっても上下しますので、詳細は見積りをとるしかないと考えてください。
ハウスメーカーにエアコンの設置を依頼することもできる
新築購入時には、その他の家電の準備や各種書類の届出など、いろいろとやらなければならないことが多いです。そのため、エアコン工事の打ち合わせなど、自分でやっていられない…と考えてしまうような人も少なくありません。 このような場合、ハウスメーカーによっては、エアコンの手配と設置工事を受け持ってくれるようなこともあります。また、家の購入時の交渉にエアコンを利用する方も意外に多いです。例えば、建物本体の値引きの代わりに、エアコンをサービスとして設置してもらうとか、ハウスメーカーのオプションとして、エアコンをまとめて仕入れてもらい、エアコンの本体価格を安く抑えるなどと言った事も可能なケースがあります。 注意が必要なのは、ハウスメーカーにエアコンの設置を依頼する場合、エアコンの機種を選ぶことができない可能性が高いという点です。自分たちでエアコンを吟味して、「この品番の物を取り付けておいてください!」と言った事は基本的に不可能で、ハウスメーカーが指定するいくつかの機種の中から選択するのが一般的です。 また、ハウスメーカーとの交渉ごとにエアコンを利用すると、全体的に本当にお得なのかが分かりにくくなってしまうため、後々、自分たちで手配したほうがかなり安くついていた…なんてことになるケースも多いようです。
エアコン取付手法について
それでは、建売住宅を購入して、エアコンの取り付けが必要になったという場合、どういった手法があるのかについてもご紹介していきましょう。ここでは、「ハウスメーカーに依頼する」「大手量販店で購入する」「ネットで購入し、工事も自分で手配する」という3つの方法について、それぞれのメリットとデメリットをご紹介しておきます。
ハウスメーカー依頼する
まずは、ハウスメーカーに依頼するという方法です。建売住宅を建築するハウスメーカーであれば、オプションとしてエアコンの設置を依頼することは可能です。 この方法は、最も手間がかからず、引っ越した時点でエアコンの取り付けまで終わっている状態ですので、直ぐに快適な生活を進められるというメリットがあります。ただし、上述したように、エアコンの機種が限定されてしまうのが一般的で、全体的な費用を考えると、比較的エアコンにかかるコストが割高になってしまう点がデメリットです。
家電量販店で購入する
このパターンが最も主流かもしれませんね。大手家電量販店でエアコンを購入し、設置工事までそのまま依頼するという方法です。 この場合、他の家電もまとめて購入することになりますので、エアコン本体も含めて割引を受けられるというメリットがあります。また、取り付け工事がセットになっているプランがありますので、全体的に安価で、工事業者を探す手間がかからない点が大きなメリットです。機種も豊富な種類の中から選ぶことができます。 ただし、建物が完成した後の設置工事となりますので、エアコン工事によって建物に問題が生じた場合、ハウスメーカーの補償対象外になってしまう恐れがあります。他にも、引っ越しシーズンやエアコンの買い替えシーズンなどになると、工事の日程がなかなか取れず、一定期間はエアコンが無い状態で過ごさなければならないなんてことも多いです。
エアコン本体と、工事を別々に手配する
エアコン本体に関しては、ネットなどで格安に手に入れることが可能です。大手家電量販店よりも安価な価格で販売されている場合もありますし、通販サイト独自が行っているポイント制度などのことを考えると、本体のみをネットで購入するというのが安価に手に入れるベストな手法ではあります。そして、エアコンの取り付け業者などに関しても、自分でネット検索し、安価な業者を探すという手法があります。この手法であれば、エアコンにかかるコストを安価に抑えることができるでしょう。 ただし、この方法の場合、エアコンの取り付け工事まで、本体を保管しておかなければいけませんし、希望日に施工できる業者を見つけることもなかなか難しい点が問題です。さらに、エアコンの取り付け相場を知らない人であれば、業者が提示してくる金額が本当に安いのか見極めることができませんし、見つけた業者が悪徳業者だった場合、工事当日に何かと理由をつけて高額請求をされてしまうリスクが生じます。つまり、デメリットとしては、本当に安価に収まるか分からない点と、自分でいろいろと手配しないといけないので、かなりの手間がかかるという点です。
まとめ
今回は、建売住宅の購入を検討している方が考えておきたい、エアコンの取り付けについて解説してきました。この記事でご紹介したように、賃貸住宅などと同じく、エアコンは最初から取り付けられていると考えてしまっている方が多いのですが、建売住宅の場合、入居前に自分で手配するというのが一般的です。 エアコンは、本体もそれなりに高額ですし、設置工事にもお金がかかるので、この部分を見落としていると、かなり困ったことになってしまいます。個人的には、家電量販店で他の家電とまとめて割引対応をつけてもらうというのが、最も安価で手間がかからない結果になるのではないかと思います。本体と工事を別々に自分で手配することも良いのですが、そこにかかる時間や手間を考えると、削減できる費用以上のコストがかかってしまう危険もあるのです。 ■合わせて読みたい > 新築購入時には家以外にもお金がかかる!家具・家電を購入するための費用を用意しておこう! > 新築住宅の水道手続きの手順をご紹介!新築購入後もやることは意外に多いのでお忘れなく! > エアコンは『冷房』よりも『暖房』の方が電気代がかかる!暖房の効率的な使い方を押さえておこう!