これからどんどん気温が高くなりますし、毎日エアコンのお世話になる時期がすぐそこまで来ています。特に日本の夏は年々猛暑化が進んでいる…といわれており、現在ではエアコンをつけておかなければ夜も眠れない…なんて日も珍しくありません。
しかし、日常生活を快適にすごすためとはいえ、夏場のエアコンにかかる電気代については、誰もが気になってしまうことでしょう。何も考えずにエアコンをフル稼働させていれば、次の月に届いた請求書を見て目が飛び出るほどビックリする…なんて未来が待っているかもしれません。
そして、この時期になると、テレビなどでも盛んに特集されるのが「どうやったらエアコンの電気代を節約できるのか?」といった事です。実際に、テレビや雑誌などで見かけたエアコン節約術を何も考えずに真似している…という方は非常に多いことでしょう。しかし、注意が必要なのは、こういったエアコン節約術について、少し間違った認識で覚えてしまい、逆に電気代を損してしまっている方が多いということです。例えば、「エアコンはつけっ放しの方が電気代が安い!」なんて情報をよく耳にすることから、何も考えずに24時間つけっ放しにしている…という方は多いのですが、この情報も時と場合によってはつけっ放しの方が損してしまう訳です。
新型コロナウイルスの影響で、在宅時間が増える今年の夏は、特にエアコン代が気になると思いますので、この記事では、「今日からできるエアコン節約術!」をまとめてご紹介していきたいと思います。
関連記事:エアコンをつけても冷えない…冷房が効かない理由と対処法について
夏の電気代削減!エアコン節約術いろいろ
それでは、夏場の電気代削減を実現するため、可能な限りエアコンにかかる電気代を安くするための節約術についてご紹介していきます。
まず大前提として覚えておきたいのは、エアコンの性能は飛躍的に進化しているため、10年ほど前のエアコンを使用しているのであれば、買い替えた方がお得になる可能性が高いということです。エアコンのTVCMなどでも、省エネ性能を前面に押し出しているように、最新モデルのエアコンに切り替えるだけで、かなり電気代の節約が可能です。例えば、10年ほど使用しているエアコンであれば、使用頻度にもよりますが、最大15,000円/年間もの電気代削減ができると言われています。
エアコンの節約術は、他にも使い方によって電気代がかなり変わると言われていますので、以下で代表的な物をご紹介していきます!
①室内に熱がこもっているなら、換気後にエアコンをON
エアコンの稼働率が最も高くなるのは、スイッチを入れて設定温度まで室温を下げている時です。そして、設定温度と気温差があるほどパワーを使うものなのです。つまり、夏の暑い日に、帰宅後すぐにエアコンをつけてしまうと、熱気がこもった部屋を急速に冷まそうとすることで、エアコンの電気代が高くなってしまう訳です。
外から帰宅して「室内が熱気でムンムンだな…」なんて場合、エアコンをつける前に窓を開けて換気しましょう。そうすることで、熱を含んだ空気が外に逃げ、室温が2、3℃下がったところからエアコンが始動することになりますので、消費電力をカットし、電気代節約になります。
②風量設定は『自動』に!
エアコンの電気代節約を考えて、冷房の風量を『弱』にして使っているという方は多いです。『弱』にすれば、風量が弱いためエアコンの負荷が小さく、電気代もかからないと考えての事だと思うのですが、実はこの設定はエアコンに一番負荷がかかる状態で、電気代は高くなってしまいます。上述したように、エアコンは設定温度まで室温を下げる時に最もパワーを使い消費電力が大きくなるのですが、風量を『弱』にすると、設定温度にたどり着くまでに時間がかかってしまいますよね。したがって、最も電気を消費する状態が長く続くことになるため、電気代が高くなるのです。
エアコンを『自動』に設定しておけば、急速に設定温度になるまで冷やし、その後は冷えた状態をキープするように自動で風量を調整してくれます。エアコンは冷えた状態をキープする時の消費電力は少ないので、最も電気を使わない状態を勝手にエアコンが判断して稼働してくれるようになるのです。自分で『強』にしたり『弱』にしたりする方もいますが、これもどこかで無駄が生じてしまいます。
③エアコン(冷房)の風向きは水平or上向きに!
子供のころに習ったと思うのですが、「冷たい空気は下に沈んで、暖かい空気は上に集まる」という空気の性質がありますね。エアコンを賢く利用するためには、この空気の性質をきちんと考慮しておくのがオススメです。
エアコン(冷房)を使う時、部屋全体を効率的に冷やしたいと考えるのであれば、風向きを水平や上向きにしておくことで、勝手に冷たい空気が沈み、全体を冷やしてくれます。なお、冬場の暖房利用の場合は、夏とは逆に下に向けておくのが効率的です。
なお最近では、冷たい空気を効率的に部屋全体に行き届かせるため、サーキュレーターを利用するのが推奨されています。
④『除湿』も利用する
エアコンの『除湿』機能って利用していますか?日本の夏は高温だけでなく『多湿』だということもあり、ジメジメして過ごしにくい…といわれるのです。例えば、日本よりも気温の高い地域でも、カラッとしている気候であれば「日本より過ごしやすい!」なんて言われますよね。
エアコンの『冷房』は温度を下げる機能で、これとは別に『除湿』といわれる湿度を下げる機能もあるのです。一般的に、湿度が15%下がると、人が体感する温度は1℃下がると言われていますので、除湿を賢く利用することで、安価にすごしやすい環境を作る事ができるわけです。ちなみに、エアコンの除湿機能を利用しなくても、ご家庭にある『重曹』を利用すれば除湿できますので覚えておきましょう。平たいお皿に重曹を入れて置いておくだけで、室内の湿気を重曹が吸収してくれ、湿度を下げることができるのです。その後重曹は、お掃除に利用すれば良いだけですので、とても便利です。
⑤「つけっ放し」か「こまめに消す」場面をきちんと理解する
冒頭でご紹介したように、最近は「エアコンはつけっ放しの方が電気代が安い!」なんて情報が出回っています。最初にこの情報を聞いた際には、「そんなはずはないだろ…」と思ってしまった方が多いと思います。
結論から言うと、時と場合によっては、エアコンの電源をこまめに消すよりも、つけっ放しにした方がお得なのは事実です。ただし、勘違いしてはいけないのが、「いついかなる時もつけっ放しの方が得だというわけではない!」ということです。
これは、上述したように、エアコンは温度をキープする時は消費電力が小さく、起動時(温度を下げる時)に最も消費電力が大きくなるという設備だからです。一般的に、エアコンが起動するときに消費する電力は、通常稼働(温度をキープする)の際の約20倍もの電力を使うと言われているのです。そのため、短い期間で何度も「ON⇒OFF」を繰り返せば繰り返すほど、消費電力が大きくなり電気代が高くなってしまいます。
電気代を安く抑えるた目には、この特性を良くつかんで、以下のように理解しておきましょう。
- 15~30分程度の外出ならつけっ放し
近くにコンビニやスーパーにちょっと買い物に行く…程度であれば、つけっ放しの方がお得! - 長時間家を空けるならエアコンは消す
仕事や学校など、数時間単位で家を空けるのであれば、エアコンは消した方がお得です。
このように、「エアコンはつけっ放しの方がお得!」という情報に関しては、時と場合によるわけです。上記の事を頭に入れて賢くON/OFFを行えば、月に3,000円程度節約可能なご家庭もあるそうですよ!
⑥小まめに清掃する
エアコンの電気代を節約したいのであれば、小まめに『フィン・ファン・フィルター』のお掃除をしてあげることが大切です。多くの方は、夏と冬、エアコンをよく利用するシーズン前だけ掃除している…といった感じではないでしょうか?しかし、電気代を抑えたいのであれば、最低でも月一回程度はフィルターのお掃除をしましょう。
環境省が公表しているデータでも、月に1回フィルターお掃除をすることで「冷房運転時に4%の電気代をカット」「暖房運転時に6%の電気代をカット」できるとされています。また、小まめにお掃除しないと、ホコリやカビを含んだ空気を吐き出すことになるため、小さなお子様の健康被害の原因となってしまいます。
なお、シーズン前のお掃除に関しては、プロにお任せするのがオススメですよ。
参考データ:環境省webサイトより
⑦室外機周辺の環境
エアコンを効率的に利用したい場合、室外機周辺の環境も重要です。意外にこのポイントを見落としてしまっている方が多いので、以下のポイントは頭に入れておきましょう。
室外機は、屋外に設置されていることから、メンテナンスなども放置してしまう方がいます。もちろん、屋外に放置しても故障しにくい頑丈さを持っているのですが、室外機内にホコリが溜まったり、直射日光が当たるような環境だと、室外機自体が熱を持って空気を冷やす際に無駄なエネルギーを使用することになるのです。効率的にエアコンを使用したいとお考えであれば、室外機も定期的にお掃除してあげるうえ、直射日光などが当たらない日陰に設置するようにしましょう。これだけで、エアコンの冷房効率が高くなり、約5~8%の電気をカットすることができると言われています。金額に換算すると、月に300~400円ほど違うと言われています。
※室外機周辺に打ち水をして涼しい環境にしてあげることも有効だと言われています。
⑧サーキュレーターを活用する
サーキュレーターは、扇風機のように風を出してくれる家電です。近年、非常に人気の家電となっているのですが、意外に使い方に関して間違った認識を持っている方も多いです。
なお、サーキュレーターの使い方に関しては別の記事で詳しくご紹介していますので、以下の記事をご参照ください。
関連記事:夏の暑さ対策第三弾!メディアでもよく聞く「サーキュレーター」って何?使い方や選び方をご紹介!
まとめ
今回は、これから迎える本格的な夏に向けて、できるだけエアコン利用時の電気代を抑えるための節約術についてご紹介してきました。
エアコンの節約術については、テレビなどでも盛んに紹介されているのですが、大まかな記憶を元に節約術の真似をする方が多く、重要な部分が間違ってしまい、逆に電気代が高くなってしまっている…なんてことも珍しくありません。
この記事でご紹介した節約術は、誰にでもできる単純なものですので、今年の夏に活用してみてはいかがでしょうか!