一戸建てのセキュリティ対策について!年々『侵入窃盗』は減っているけど、狙われるのは戸建て住宅?

今回は、一戸建て住宅に住んでいる方や、これから戸建て住宅の購入を検討している方に向け、一戸建てに住んでいる方が注意しておきたいセキュリティ対策についてご紹介していきたいと思います。

大阪や東京などの都会では、年々マンション暮らしを選択する方が増えていると言われています。しかし、そうはいっても一戸建て住宅に住んでいる人が極端に減っているというわけではなく、令和の現在でも新築一戸建ての購入を人生の目標にしているという方は多いと思います。
ただし、もともとマンション暮らしをしていた方が、戸建て住宅を購入して引っ越しするとになった場合「一戸建てはマンションに比べて防犯面に注意しなければならいない!」という点を見落としてしまう方が多いように思えます。マンションは、さまざまなライフスタイルを持った方が同じ建物内に住むことになるため、各家庭ごとの距離が近く異変に気付きやすいですし、戸建てに比べると侵入口が少ない点から、防犯面では優れていると考えられます。さらに最近のマンションなどになると、そこら中に防犯カメラが設置されていて、オートロックにより部外者の排除を行っていることから、侵入窃盗犯からすればリスクが大きすぎる物件となってしまうのです。

戸建てに関しては、こういった防犯面の設備も自分たちで用意しなければならず、中には、一切防犯設備を設置していない…なんて家もあり、どうしても狙われやすくなってしまう訳です。そこでこの記事では、最新の侵入窃盗事情や、戸建てに住んでいる方が考えておきたい防犯対策についてご紹介します。

日本国内の侵入窃盗事情

それではまず、警察庁が公表しているデータなどから、最新の日本国内における侵入窃盗事情について解説していきたいと思います。諸外国と比較すれば、非常に治安が良い国と言われる日本ですが、一切の犯罪がおきないかというとそういうわけではありません。『置き配』など、自宅の前に通販で購入した物が届けられるようなサービスが普通に普及するような安全な国だということは間違いない事実なのですが、それでも数万件単位の侵入窃盗が毎年発生しているのです。

こういった犯罪から、自分や家族を守るためには、「どのような手口が使われているのか?」「どういった場所が侵入されやすいのか?」をきちんと知識として持っておき、的確な対策をたてるということが大切なはずです。そこでここでは、警察庁の『住まいる防犯110番』から侵入窃盗に関する情報をピックアップしていきます。

令和2年中の侵入窃盗発生場所別認知件数

引用:警察庁『住まいる防犯110番

上のグラフは、平成10年から令和2年における侵入窃盗の認知件数をグラフ化したものです。これからも分かるように、侵入窃盗犯罪に関しては、年々減少が続いており、住宅を対象とした侵入窃盗犯罪は平成14年をピークに大きく減少しています。これは、防犯カメラが街中のいたるところに設置されるようになっているほか、画質も非常に鮮明になっているということが大きな要因だと考えられます。
なお、令和2年おける住宅を対象とした侵入犯罪は21,030件とピーク時と比較すればかなり少なくなったと言えますが、それでも1日当たりに換算すると、現在でも約58件の家が侵入窃盗の被害に遭っているということで、決して少ないとは言えないのが現状です。

引用:警察庁『住まいる防犯110番

上の円グラフは、令和2年における侵入窃盗について、発生場所を分類したものとなります。これからも分かるように、一般住宅を対象とした侵入窃盗犯罪は、一戸建て住宅が最も多く37%となっています。それに次いで、3階建て以下の共同住宅が9.3%、4階建て以上の共同住宅が4.3%となっています。共同住宅の3階建て以下と比較しても、戸建て住宅は約4倍もの侵入窃盗犯罪がおきているとは驚きの結果ですね。

侵入窃盗の手口と侵入場所について

引用:警察庁『住まいる防犯110番

侵入窃盗の手口については、『空き巣』が最も多く、約1/3を占めています。その次が『忍び込み』と呼ばれる手口となりますので、一般住宅が侵入窃盗犯に狙われるのは、留守にしている時や夜中の寝静まった時ということですね。それでは、こういった侵入窃盗犯はどのような方法で家の中に侵入してくるのでしょうか?

引用:警察庁『住まいる防犯110番

上図のように、侵入の手段に関しては、戸建て住宅も共同住宅も、『無締り』が圧倒的に多いです。戸建て住宅や3階建て以下の共同住宅などは、高層階よりもしっかりと戸締りしていそうなイメージですが、実は5割以上が『無締り』が理由になっているのです。その次が『ガラス破り』で戸建て住宅などは、この2つで8割以上を占めています。逆に言えば、この二つの点をもっと注意すれば、かなりの数の侵入窃盗が減らせると考えられるのではないでしょうか。

侵入窃盗を防ぐには?

それでは戸建て住宅が侵入窃盗犯罪にあわないようにするため、住人の方が考えておきたい防犯面の対策について解説していきましょう。上述したように、侵入窃盗犯罪については年々減少傾向が続いており、ピーク時と比較すれば、かなり少なくなっていると言われています。しかし、それでも1日当たり約58件の家が侵入窃盗の被害に遭っているというデータもありますし、「うちは関係ない」などと誰も言えないのが実情なのではないでしょうか?

特に、一戸建て住宅は、「マンションよりもセキュリティ設備が少ない」というイメージが強いこともあり、窃盗犯に狙われてしまう傾向が強いです。したがって、自分や家族の安全を守るためには、しっかりと自宅の防犯対策を自分で行っていくことが大切になるわけです。ここでは、家の部分別に行っておきたい防犯対策をご紹介します。

玄関部分の防犯対策

上述したように、侵入窃盗の手段としては『無締り』が最も多いという事実があります。これは、玄関はちょっとの時間でも、鍵をかけていないだけで、最も侵入されやすい場所になってしまうということです。なお、しっかりと鍵をかけていたとしても、ピッキングやバールなどでこじ開けるといった方法で侵入する場合もあるようです。

こういった事を防ぐためには、「鍵の閉め忘れ」を無くすため電気錠などを導入するという方法が考えられます。このタイプの鍵は、非常時以外はカギ穴が無く、カードキーやリモコンキーを用いて開錠することができます。扉を閉めて数秒すれば自動で施錠するシステムですので、鍵の閉め忘れの心配がありませんし、ピッキングなどの防止にも有効です。鍵の閉め忘れは心配ないという方は、鍵穴を増やしてツーロックの玄関にするのも有効です。
なお、カードキーやリモコンキーを利用する電気錠は停電時のことを考えて鍵も持ち歩く必要があります。

窓部分の防犯対策

戸建て住宅の侵入手段としては、ガラス破りも非常に多かったですね。つまり、自宅の防犯対策を考えた場合、窓部分の対策も非常に重要になるということです。窓の防犯対策については、ガラス破りが難しい、防犯ガラスを採用する、窓シャッターを設置するなどの対策が有効です。簡易的なものであれば、窓に補助錠や防犯アラームを設置するなどと言った対策でも、侵入に余計な時間がかかることで狙われにくくなると言われています。

また、道路などからは死角になる位置にある窓に関しては、防犯カメラやセンサーライトを設置しておくのが有効です。通行人に見られることなく、窓破りができるような場所であれば、多少防犯対策をしていても、ゆっくり仕事ができると狙われてしまう恐れがあるのです。侵入窃盗犯は、自分の姿が残るのを嫌がりますし、防犯カメラは非常に高い抑止力があります。さらに、万一泥棒に侵入されたとしても、証拠画像から犯人を捕まえることも可能です。

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関連記事:戸建住宅でも防犯カメラが当たり前?防犯カメラの重要性と設置場所について

ベランダが意外と狙われる

戸建て住宅は洗濯物を干す場所などとしてベランダが設けられていますね。しかし、このベランダの防犯を何も考えていないと、大きな弱点になってしまうのです。例えば、近くに足をかける場所があり、ベランダ部分に登れるような構造になってしまっていると、ベランダから侵入を試みられてしまうのです。というのも、ベランダは転落防止のために囲いがあるのですが、これが外から見えないようになっている場合、侵入犯は隠れながらガラス破りができてしまいますので安全に侵入できると考えられてしまうのです。
こういった事を防ぐためには、通りなどから見えやすいような作りにしておく、そもそも外部からベランダに登れないような構造にするといった事が大切です。

庭や塀について

庭木を植えるのは構いませんが、侵入犯が作業をしやすくなるような死角が多くできるような配置に、大きな木を植えるのはNGです。また、背の高い塀も同様で、塀によって人の目が一切なくなるという場合、空き巣仕事が非常にしやすくなってしまうでしょう。
こういった環境になってしまう場合は、各所にセンサーライトやセンサーアラームを設置するほか、人目が少なくなりそうな場所には防犯カメラをしっかりと設置しておくのがオススメです。

ホームセキュリティサービス

近年では、多くの戸建て住宅でホームセキュリティサービスが利用されるようになっています。ホームセキュリティは、セコムやアルソックと言った警備会社と契約して、侵入者や火災など、家に何らかの問題が発生した場合には、すぐに警備員が駆け付けてくれるといったサービスです。こういったホームセキュリティーは、お金持ちが加入するものと言ったイメージがあるかもしれませんが、現在ではセキュリティ機器のレンタル料を含めて月額数千円単位で警備してくれるようになっています。警備会社などのHPで確認してみれば分かりますが、想像以上にお手頃な価格で手厚い警備をしてくれますので、安心できると思いますよ。

もちろん、サービス内容に関しては、警備会社や加入するプランによって変わりますので、その辺りはご自身で調べてみてください。なお、警備会社のシールは「すぐに駆け付ける!」というプレッシャーを侵入犯に与えるため、これがあるだけで狙われにくくなると言われています。

まとめ

今回は、戸建て住宅の防犯対策についてご紹介してきました。この記事でご紹介したように、非常に治安が良く安全な生活ができると言われる日本ですが、それでも年間数万件にもなる侵入窃盗犯罪がおきているのです。もちろん、防犯カメラなどが広く普及してきた現在では、年々侵入窃盗犯罪の数は減少してきているのですが、それでも、1日当たり約58件もの家が侵入窃盗の被害に遭っていると言われているのです。

こういった情報を聞けば、一戸建て住宅に住んでいる人は、決して自分に関係ない話だと考えるわけにはいきませんよね。ちなみに、こういった侵入窃盗犯罪に関しては、「なるべく狙われないようにする!」ということが非常に重要で、「防犯カメラがあって姿が残る…」「窓シャッターがあるから侵入に時間がかかりそう…」というだけで、一気に狙われる確率が低くなると言われています。

家を建てる時には、こういった防犯面にも注目して、家族が安心して生活していける環境作りを心掛けるのがオススメですよ。むとうの家では、『犯罪者に狙われない家にするには?』ということも考えた家づくりを進めていますので、防犯面を重視して家づくりを進めたいという方は是非ご相談ください。