比較的新しいマンションなどの集合住宅では当たり前の設備となってきた『宅配ボックス』。最近では、地下鉄やコンビニなどにも宅配ボックスが設置されるようになっており、配達員の方と直接対面しなくても荷物を受け取れる、いつ届くか分からない荷物を家で待っていなければいけない…なんてこともなくなるなど、双方にメリットのある設備として注目されています。
もともとこの宅配ボックスは、ネット通販が当たり前となってきた現在、配達員の再配達による負担を軽減するために考えられたアイテムで、多くの方が同じ建物内に住むマンションなどでは非常に便利な設備と認識されており、賃貸物件であれば「宅配ボックスがあるのか？」を条件に物件探しをするような人も増えていると言われています。そして、コロナ禍の現在では、配達員と対面しなくても荷物が受け取れるという事が感染症対策面でもメリットになると言われています。
しかし、宅配ボックスに関しては、集合住宅に設置されるもので、在宅率が高い戸建住宅には設置する必要がないと考えていませんか？実は近年では、戸建て住宅用の宅配ボックスが販売されるようになっており、新築購入時に宅配ボックスを設置する方が急増していると言われているのです。
そこでこの記事では、戸建て住宅に宅配ボックスを設置することで得られるメリットなどをご紹介します。
宅配ボックスを設置するメリット
それでは早速、戸建て住宅に宅配ボックスを設置することで得られるメリットをご紹介していきましょう。最近では、通販大手のamazonが『置き配』なるサービスをスタートしていますが、いくら治安が良いと言われる日本でも、玄関先にそのまま荷物を置いて帰られるのはちょっと…と感じてしまう方も多いと思います。『置き配』サービス自体が便利なのは間違いないのですが、「荷物が心配…」と感じる方は、宅配ボックスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
ここでは、戸建て住宅に宅配ボックスを設置することで得られるいくつかのメリットをご紹介してきます。
メリット① 不在時に荷物を受け取れる
上述したように、宅配ボックスは、「不在の時でも荷物を受け取る事ができる！」というのが大きな目的です。ちなみに、受け取る側にとっても大きなメリットになるのですが、これは配達業者側にとっても、再配達の手間を減らすことができるという点で、非常に大きなメリットになると言われています。実際に、以前Panasonicが行った宅配ボックスの設置プロジェクトでは、集合住宅に宅配ボックスを設置したところ、再配達率が28%も減少したそうです。
共働き夫婦が増加している現在では、ともにフルタイムで仕事をしていることから、昼間は家を空けている状況で、通販で物を注文しても、毎回再配達してもらう結果になっている…なんて方は非常に多いと思います。これが、宅配ボックスを設置することで、平日や時間など関係なく、いつでも荷物を受け取ることができるようになるというメリットがあります。
※宅配ボックスにも大きさがありますので、受け取れる荷物の大きさに限界はあります。
参考：Panasonic「宅配ボックス実証実験」
メリット② 配達人と対面する必要がない
女性にとっては非常に嬉しいメリットと言われているのが「配達の人と対面せずに荷物を受け取れる！」という点です。
例えば、「料理中で手が離せない」「トイレに入っていて応答できない…」「赤ちゃんのおむつを変えている最中」など、在宅時であっても何らかの理由で宅配業者さんと対面できない…、応答できなかった…なんてタイミングはいくらでも存在します。日常生活の中では、来訪者に対応できない…なんてケースはよくあるのですが、このような場合、再配達の依頼を出すのもなんとなく心苦しく感じてしまいます。
他にも、仕事から帰ってきて、「メイクを落としてしまっているから人と対面したくない…」「家の中を見られたくない…」なんて理由で配達業者さんと対面したくないと感じてしまう人もいるでしょう。こういった場合でも、宅配ボックスがあれば、対面せずに荷物を受け取る事ができますので、とても便利です。
さらに昨年からは、新型コロナウイルス感染症問題のこともあり、感染リスクをできるだけ低くするため、配達員の方とも対面したくない…と考えるようになっている人が多いです。実際に、コロナ問題以降、既存戸建て住宅でも、宅配ボックスを設置するという方が増えています。
メリット③ 防犯上も安心
意外と見落とされがちな宅配ボックスのメリットが『防犯性の高さ』です。こう聞くと「宅配ボックスに防犯機能はないのでは？」と考えてしまう方が多いのですが、実は小学生ぐらいの小さなお子様がいるご家庭であれば、一人で留守番させている時に、宅配業者に対応しなくても良いという指示ができるようになるため、とても安心なのです。
もちろん、宅配業者が危険だと言っているわけではなく、中には宅配業者を装って押し込み強盗を行うような輩もいますので、一人で留守番をさせている時、子供に来訪者の対応をさせなくても良いというポイントは非常に大きなメリットになります。宅配ボックスがあれば、荷物の受け取りは何時でもできますし、子供には「留守番中はチャイムが鳴っても無視していれば良い」と指示することができ安心です。
関連記事：【2021年】コロナ禍で変わった新築戸建ての家づくり！感染症対策を考慮した最新の住宅設備とは？【新築事情】
メリット④ インターホンの音を気にしなくても良い
これは、赤ちゃんなど小さなお子様がいるご家庭でのメリットです。宅配ボックスが無い場合、赤ちゃんをせっかく寝かしつけたのに、インターホンが鳴ってしまうことで起きてしまう…なんてことが考えられます。こんな時には、配達員に何の罪もないのに、イラっとしてしまう…という経験をしたことがあるという方は多いのではないでしょうか？
宅配ボックスを設置していれば、インターホンをならすことなく、荷物を届けて帰ることができますので、安心して子育てする事が出来るようになるはずです。
宅配ボックスの種類について
マンションなどには、たくさんのボックスが設けられた大型の宅配ボックスが設置されていますね。流石に戸建て住宅にこのような設備を導入するわけにはいきません。戸建て住宅用の宅配ボックスには、「簡易型宅配ボックス」「設置型宅配ボックス」「埋込み型宅配ボックス」の3種類が存在していますので、それぞれの特徴からどれを設置するのか選ぶと良いでしょう。
①簡易型宅配ボックス
まずは『簡易型宅配ボックス』です。このタイプは、玄関先にクーラーボックス程度の箱を置いておくだけになりますので、非常に手軽に導入することができます。折りたたんで、ドアノブにかけておけるようなものもあり、使わない時はコンパクトで片付ける場所に困らないのも嬉しいポイントです。
ただし、このタイプは、布製の物が多く、細いワイヤーでドアと固定するなどの簡単な方式になっているため、その気になれば簡単に盗まれてしまいますし、夕立などがあれば荷物が濡れてしまう恐れがあります。
簡易タイプは低コストで導入できますので、「宅配ボックスの便利さをとりあえず試してみたい」程度の考えでも導入しやすいです。
②設置型宅配ボックス
設置型の宅配ボックスは、上記の簡易型よりもしっかりとした作りになっているのが特徴です。小型の金庫のような形状をしたものや、ポストと一体となったものなど、玄関のレイアウトなども考えてデザインから選ぶことも可能です。
このタイプは、ボックス自体もしっかりとした作りになっていますし、床や壁に固定することになりますので、ボックスごと盗難される…なんて心配もありません。後付けでも導入できますので、既存住宅の方もご検討してみてはいかがでしょうか。価格も数万円～ですので、「手が出ない…」なんてこともない手ごろな宅配ボックスも多いですよ！
③埋込み型宅配ボックス
最後は、家の壁などに埋め込むタイプの宅配ボックスです。上述した2つのタイプとの違いは、宅配ボックスの荷物を取り出すため、わざわざ外に出る必要もなく、室内にいながら荷物を取り出せるという点です。
なお、このタイプに関しては、新築時に工事をする必要がありますので、既存住宅の場合、かなり大掛かりな工事となってしまい、宅配ボックスの導入コストとしては高すぎる…と感じてしまうと思います。つまり、これから新築住宅の購入を検討しているという方向けのアイテムです。
まとめ
今回は、マンションなどの集合住宅では当たり前の設備となってきた宅配ボックスについて、戸建て住宅に宅配ボックスを設置する場合のメリットについてご紹介してきました。宅配ボックスは、年々増加する再配達による配達員の負担軽減に非常に役に立つ設備として注目されていたのですが、コロナ問題以降は、感染症対策面でも「人との接触を減らせる！」ということで、その人気が急激に高くなっています。
もともと集合住宅よりは在宅率も高いと言われている戸建て住宅に関しては、宅配ボックスを設置するということは少なかったように思えます。しかし、共働き世帯が非常に多くなっている日本では、戸建て住宅だから在宅率が高いと考えるのではなく、各ご家庭の事情によって必要性が変わると考えるべきものだと言えるでしょう。
特に宅配ボックスに関しては、当初考えられていた「配達員の負担軽減」だけでなく、感染症対策面でのメリットやお子様がいるご家庭での防犯性向上など、さまざまな副次効果が指摘されるようになっています。これから新築戸建て住宅の購入をご検討中の方は、宅配ボックスの設置をご検討してみてはいかがでしょうか。個人的に、『置き配』サービスを利用するのであれば、宅配ボックスを設置するのがおすすめだと思いますよ！
