憧れのマイホーム購入!注文住宅って価格で何が違うの?

憧れのマイホームを購入する時には、可能な限り自分たちの理想が実現できるような家にしたいと誰もが考えることだと思います。注文住宅であれば、間取りや設備、インテリアなども自分で選んでいくことができるため、より自分たちのライフスタイルに適した家を実現することができることでしょう。

しかし、家を建てる時に理想ばかり詰め込んでしまえば、想定していた予算を大幅にオーバーしてしまうことになり、「何を諦めるのか?」でもめてしまったり、せっかく出来上がった家も「あれも実現したかったな…」などと、なんとなく気持ちが沈んでしまう…なんてことになりかねません。注文住宅の良いところは、間取りや設備を選べるだけでなく、何にどれだけお金をかけるのかと言った感じに予算のやりくりもある程度可能な点です。

しかし、いくらかければどのような家が建てられるのかを全く知らない状態では、自分たちの予算で満足できる家を建てられるのか、またどんなグレードの設備を選ぶのが適切なのかをイメージすることすらできなくなってしまいます。
そこでこの記事では、ある程度の価格別に、どんな家を建てられるのかと言った、注文住宅の予算をご紹介していきたいと思います。

注文住宅を建てる時の大まかな内訳

注文住宅を建てる際には、「土地の購入」と「家の建築」という感じに、2段階の手続きを踏むことになります。そこでまず、自分たちが憧れのマイホームを建てる時、土地の購入と家の建築時にいくらぐらいのお金がかかるのかを押さえておきましょう。

土地の購入時にかかるお金

土地購入時に必要になるお金としては、手付金(物件価格の5%~10%)、購入物件の残金(物件価格-手付金-住宅ローン借入金)、購入にかかる諸経費(印紙税や仲介手数料など)となります。購入にかかる諸費用に関しては、土地代金と家の工事にかかる費用を合算した金額の6~10%程度が目安になると考えておきましょう。ただし、土地の条件や建築工事のスケジュール、住宅ローンの借り方などによって変動する可能性があります。
家の購入時には、「いつ、いくら支払う必要があるのか?」と言った事が気になると思いますし、全体のスケジュールや資金計画まできちんと相談できる不動産会社などを見つけ、そこに相談しながら話を進めていくのがオススメです。

家を建てる時のお金

家の建築時の支払いについては、一般的に以下のようになります。

  • 工事契約時
    工事契約金・建築確認申請費など
  • 着工時
    着工金・地鎮祭費用など
  • 中間金・上棟式費用
    着工金・地鎮祭費用など
  • 引き渡し前
    建築費の残代金・建物の登記費用(不動産登記・抵当権設定登記時に必要な登録免許税など)

ここで支払うお金は、依頼した会社によって多少違いがありますが、基本的に上記のような内訳になります。なお、地盤に不安がある土地の場合、別途「地盤調査費用」などが必要になる場合があります。
上記以外の諸費用として、ローン借入費用(事務手数料・保証料・火災保険料など)や税金の清算金なども必要になります。

注文住宅の平均的な建築費は?

ここで、住宅金融支援機構が公表した、2019年度における注文住宅の住宅面積と建築費の平均をご紹介しておきます。注文住宅を建てる時、「みんながどの程度のお金をかけて、どの広さになっているのか?」ということは意外に気になってしまうものですよね。
2019年度のフラット35利用者調査のデータによると、注文住宅の住宅面積は全国平均で125.8㎡で、平均建築費は3454万円となっています。このデータから、約40坪ぐらいの広さの家を建てる際には、建築費として3000万円台のお金が必要だとイメージできますよね。なおこの調査では、地域別のデータも公表されていましたので、以下でご紹介しておきます。

  • 首都圏・・・床面積:125.2㎡、建築費(土地代含まず):3772万円
  • 近畿圏・・・床面積:125.3㎡、建築費(土地代含まず):3555万円
  • 東海圏・・・床面積:127.8㎡、建築費(土地代含まず):3522万円
  • 首都圏・・・床面積:125.6㎡、建築費(土地代含まず):3276万円

参照データ:独立行政法人住宅金融支援機構「2019年度 フラット35利用者調査」より

建築費で注文住宅がどう変わる?

それでは、建築費にかけるコストが変わる場合に、出来上がる住宅の何が変わってしまうのかについてご紹介していきましょう。建売住宅を購入する場合、販売価格が決まっていますが、注文住宅の場合は、家にかけられる予算によって建築費を調節できるのがメリットです。
一般的に、「床面積100㎡~120㎡(30坪~40坪程度)の注文住宅」であれば、2000~3000万円前後の建築費をかける方が多いと言われていますが、実は、ハウスメーカーでは1000万円台から建てられる住宅商品を用意しています。もちろん、同じ価格帯でもハウスメーカーによって建てられる家のグレードは変わってしまいますが、ここではいくつかの価格帯で一般的に建てられると言われている家について簡単にご紹介しておきます。

予算が1000万円台の注文住宅

まだ若い方など、できるだけ予算を抑えて家を建てたいというコスト重視の方が選択する価格帯です。建築費は、家の形などに影響を受けますので、この価格帯の場合は凹凸の少ない長方形や正方形など、シンプルな家になると考えておきましょう。
家の建築費では、外壁材や屋根材の材料単価が高いですので、ここで使う量が多ければ多いほど、材料費が嵩んで建築費全体を押し上げてしまいます。例えば、コの字型の家、L字型の家など特殊な形状を望んだり、出窓を多くしたい、ベランダなどを多く設けて凹凸が多くなる家のデザインは、同じ面積でも建物の表面積が大きくなってしまい、材料費や足場代などが嵩んでしまうことになるのです。もちろん、構造が複雑になる分、工期が長くなり人件費なども嵩んでしまうことになるでしょう。
したがって、1000万円台などコスト重視で家を建てる際には、こういったコストがかかる要素を可能な限り排除した、シンプルな外観デザインになってしまうと考えましょう。最近では、1階と2回の床面積が同じで、凹凸が少なく、屋根も1面になる片流れ屋根の建物が増えているのは、建築コストが抑えられるからです。

また、内装に関しても、あまりこった間取りや無垢材や漆喰などの自然素材を多く使うことは難しいです。ただし、シンプルな空間に仕上がりますので、家具やカーテン、ソファーカバーなどで部屋の雰囲気を大きく変える事ができ、飽きない生活を実現できるという点はメリットになるかもしれませんね。
なお、1000万円台の建築費などとなると、「コストを下げるために性能を落としている」と考えがちですが、そうではありません。1000万円台のプランを用意しているハウスメーカーなどは、いくつかの基本設計プランを用意しておき、設計にかかる手間や日数を削減したり、標準仕様の材料を大量仕入れしてコストを下げたり、設計から現場管理まで自社施工で行い、中間マージンを排除するなどの努力で実現しているものです。つまり、性能は保ったまま安価な注文住宅を実現しているのです。

予算が2000万円台の注文住宅

2000万円台の注文住宅になると、1000万円台のものと比較すれば、予算にかなりの余裕があるため、自由度が高くなると考える方が多いです。しかし、「余裕ができる」というイメージから、次から次へ自分たちの希望を盛り込んでしまい、結局予算オーバーになってしまう…なんてことが多い価格帯と言えます。この価格帯は、どこにお金をかけるのかが非常に重要になると考えておきましょう。

基本的に、予算内に収めようとすれば、全ての希望を実現するのは難しい…と言える価格帯なのですが、家の外観を重視したい、内装はグレードを下げて住宅設備のグレードを高くしたいなど、予算配分を工夫すれば、夢を実現できると思います。

予算が3000万円台の注文住宅

予算が3000万円台までになると、お金をかけるところ、コストを抑えるところのバランスが非常に取りやすくなると思います。3000万円台の家というのは、上述したように、平均的な家の広さやグレードを実現できる価格帯で、3000万円台でも後半になってくると、設備や建築資材をグレードアップさせたり、家を広げたりすることも可能になるでしょう。

注文住宅は、全ての希望をとにかく詰め込む…と言った考えをしてしまうと、際限なく予算がかかってしまいますので、予算と相談してある程度は諦めなければならない希望が必ずあると考えておきましょう。しかし、3000万円台の家になると、全ての希望が実現できるわけではないものの、家の外観デザインや間取り、憧れの住宅設備など、かなりの希望はかなえられると考えられます。

予算が4000万円以上の注文住宅

「床面積100㎡~120㎡(30坪~40坪程度)の注文住宅」で、建築予算が4000万円台となってくると、かなり余裕をもって設計できると言える価格帯になります。

家へのこだわりが強い人が自分の希望をプランに盛り込んでいくと、最終的に4000万円台の建築費になるということが多いと言われています。つまり、4000万円台の予算を用意しているということは、さまざまなプランを実現可能なレベルの価格帯だということなのです。

例えば、中庭を作って『ロ』の字型や『コ』の字型の家を建てるとか、凹凸が多く外壁の表面積が増えても対応可能だと思います。また、内装に関しても、材料コストが高く、施工に手間と時間がかかるため、どうしても割高になってしまう自然素材をふんだんに使えるというのも大きなメリットになると思います。この価格帯であれば、一般的な希望であれば、そのほとんどが叶えられる価格帯と考えて良いと思います。

まとめ

今回は、憧れのマイホームの購入を検討している方に向け、注文住宅の価格帯によって実現できる家がどう変わってしまうのかについてご紹介してきました。この記事でご紹介した内容は、あくまでも一般的な事例をご紹介しており、ハウスメーカーによって各価格帯でどんな家が建てられるかは異なってしまうと考えてください。

実際に家を建てる時には、さまざまなモデルハウスに行ってみて、家のグレードと価格帯などを確認してから、自分たちの希望をまとめていくという流れもアリかもしれません。予算も何も考えず、希望ばかりを考えてしまうと、目が飛び出るような見積書が出てきてしまい、家を購入する気力がなくなってしまう…なんてことも考えられます。まずは、価格帯ごとでどういった家が実現できるのかを調べることからスタートしてみてはいかがでしょうか。