今回は、何らかの理由で不動産の売却を検討している方に向けて、どういったタイミングが不動産の売却に適しているのかをご紹介していきます。
大切な資産である不動産ですから、売却に当たってさまざまなことに悩んでしまうのは当たり前のことだと思います。誰でも、どうせ売却するのであれば、できるだけ高い値段がついて欲しいと思うでしょうし、高く売り抜けるには「どうすればよいのか?」ということに疑問を抱えてしまうことでしょう。そこでこの記事では、
- 不動産を売るタイミングはいつが良いのか?
- 不動産は売るべきか?または貸すべきか?
- 時期によって不動産の売却価格が変わるか?
上記のようなポイントを中心にご紹介していきたいと思います。現在、不動産の売却をご検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
不動産の売却タイミングとは?
不動産の売却については「いつが一番良いのだろう?」と悩んでしまう方が少なくありません。
「できるだけ高く売りたい…」と考えてしまうものですが、こういった考えを持つのは当然ですね。しかし、不動産を売却するタイミングは、「売る必要性が出てきた時」が最も良いタイミングと考えるのが良いですよ。あれこれと考えるよりも、売る必要性があれば、すぐに売却に動くのがオススメですので、以下でその理由をご紹介しておきます。
不動産の売却価格は、基本的に『今』が一番高い?
不動産の売却を検討する理由は『相続、離婚、買い替え…』など、さまざまなことがありますが、いずれの場合でも「その不動産に住まなくなった」タイミングで売却を考えるのがオススメです。
というのも、一戸建て、マンションなどに関わらず、どのような建物でも、年数が経つほど基本的にその価値は下がっていってしまうのです。マンションであれば、年に2%程度価値が下がり、木造一戸建て住宅は築10年で価値が半分になり、築20年になるとその価値はなくなるというのが一般的な考え方です。
つまり、「売ろうかな」というタイミングを先延ばしにして、数年時間が経過してしまうと、売却金額が数百万円下がってしまっている…なんてことも十分に考えられるわけです。
所有していれば、維持にお金がかかる
次は、その不動産を所有している際にかかる維持コストの面です。土地に関しては、経年劣化などは考えなくても良いのですが、建物はそこに存在するだけで徐々に劣化が進行してしまいます。もちろん、何らかの理由で、所有している物件の市場価格が高騰し、経年劣化による価値の下落を気にしなくても良いぐらい、不動産の価値を保てる場合があることも確かです。
しかし、不動産の価値を保つ場合には、不動産の良い状態を保たなければならないため、所有しているだけで高額な維持費用がかかってしまうことになるのです。例えば、固定資産税がかかってしまいますし、マンションの場合は管理費や修繕積立費、戸建ての場合は、屋根や外壁、内装のメンテナンス費用がかかり、年間で考えると、住まなくなった家でも数十万円単位の出費が生じてしまう訳です。これは、どう考えても損になってしまいますね。
今後の市場を考えると、値上がりを待つのは下策?
日本は、少子高齢化が社会問題になっているように、人口や世帯数の減少から、空き家がどんどん増加しています。つまり、このような状況下にある日本では、どんどん不動産が売れなくなってしまう…と予想できるわけです。
したがって、「売れる時に素早く売る」ということの重要性が、今後ますます高くなっていくと考えられます。
不動産は『売る』と『貸す』どっちが良い?
所有している不動産について、住む必要がなくなった時には、売却ではなく賃貸することを考える方が多いと思います。借り手がつけば「長期的な収入源になるかも…」と考える方が多いのですが、賃貸にもデメリットがあるということは忘れてはいけません。
住宅ローンの残債について
自分たちが住む必要がなくなった場合でも、第三者に貸すことができない場合もあります。そもそも、自宅として購入した不動産の住宅ローンは、「自己居住用」となっているはずです。したがって、住宅ローンが残ったままの家であれば、それを第三者に貸し出すことに関して、金融機関からの許可が得られない場合があるのです。
例えば、転勤など、一時的に賃貸に出すなどという場合には許可がおりる場合もあるのですが、ほとんどの場合は、住宅ローンを完済するか、投資物件用の金利が高いローンへの借り換えが必要になります。つまり、金利が高いローンへ借り換えたとして、賃貸に出したものの、借り手がつかない…なんてことになれば、大損してしまうリスクが生じるのです。
賃貸経営は難しい
そもそも、所有している不動産を賃貸に出せば、必ず収益が得られると考えているのであれば、大間違いです。
賃貸に出したものの、空室の期間が続くようであれば、維持費用や管理費用などがかかり、それらが収益を上回ってしまうことで、赤字経営になってしまうことも普通に考えられます。また、借り手がついたとしても、賃貸経営を行う訳ですので、確定申告などの今までなかった業務負担が増えてしまうというデメリットも存在します。
とりあえず『賃貸』に出すはとても危険
売却か賃貸か迷っている方の中には、賃貸経営が上手くいかなかったら、その時に売れば良いと考えてしまう方もいます。賃貸に出す場合、将来的に自分や家族が再び住むこともできるという選択肢がメリットのようにも感じます。
しかし、賃貸借契約は、現居住者を優先する契約になっていることから、家主の都合で借主に退去してもらうことができないということを忘れてはいけません。
借主の意向に反して退去を求める場合には、数カ月分の家賃免除や引っ越し代を家主が負担することなどが一般的です。もちろん、定期借家契約にして一定時期が来たら必ず退去してしてもらうようにすることもできますが、この場合は相場よりも低い家賃にしなければ借り手がつきませんし、賃貸経営のメリットがあまりなくなってしまう訳です。
こういった事から、売却の決断ができないから…などと言った理由で、安易に賃貸にするという選択はあまりオススメできません。将来的に売却する際の価格も下落してしまうので、最悪の結果になるリスクもあるのです。
時期によって不動産の売却価格は変わる?
不動産の売却について「時期によって価格が変わったりするのか?」ということに疑問を持つ方も多いと思います。一般的に、どのような業界にも繁忙期などというものがあり、時期によって価格差が生じてしまうことも珍しくありませんよね。
実際に、不動産業界でも取引が活発になる季節とそうでない季節というものがあるのです。
不動産取引が活発な時期とは?
不動産の取引に関しては、新年度が始まる前の2月や3月が最も多い傾向にあります。この時期であれば、転勤などを理由に、良い物件があればすぐに購入したい…などと考えている方もおり、スムーズに売却が進む場合も珍しくありません。逆に、1月と8月は不動産取引が下火になる時期で、不動産業界では『一八(いっぱち)』などと呼ばれ、この時期はお客様の動きが鈍く、何をしてもダメだ…などと言われています。
ただし、取引自体の多さが「売却価格にそのまま直結するというものではない」ということは頭に入れておきましょう。不動産取引が活発になる時期は、売る人も買う人も多いのですが、取引数が多いだけであり、成約率が著しく高くなるわけではありません。
不動産の売却は、一定の時期を狙って売却が成立することはなかなか難しいものです。一般的には、不動産の売却には4~5ヶ月程度かかると言われています。もちろん、売りに出して1カ月で売れることもあるのですが、その逆に1年たっても買い手がつかない…なんてことも珍しくはないのです。
不動産の売却は、時期に注目するのではなく「売れる時に売る」ということが非常に重要だと覚えておきましょう。売り時や時期ばかり気にして売りに出すことを迷っていれば、それだけ不動産の価値が低下し、維持費用ばかり掛かってしまうという結果になるのです。
まとめ
今回は、不動産の売却を検討している方のため、どのタイミングで売却に踏み切るのが良いかを考えてみました。不動産は大切な資産ですし、売却するのであればできるだけ高値で売りたい…と考えることから、「どのタイミングで売れば良いか?」を迷ってしまう方が少なくありません。
しかしこの記事でご紹介したように、不動産の売却をするかどうかで迷ってしまい、時間が経過してしまうと、どんどん不動産の価値が低下して、維持費だけかかってしまうことになるのです。基本的には、「そこに住む必要がなくなった時」が、最も不動産の価値が高い状態と言えますので、売却を検討するタイミングとして最も良いと言えるのではないでしょうか?
もちろん、不動産の売却時には、さまざまな疑問や不安が頭をよぎると思いますので、まずは専門家に相談すると良いでしょう。関西エリアで不動産の売却を検討している方は、お気軽にむとうの家までご相談ください!