あなたの住宅購入計画は大丈夫?意外に多い「住宅ローンの失敗例」をご紹介!

憧れのマイホームを購入する際には、できるだけ家族の希望に沿った家が建てられるよう、間取りや住宅設備、外観イメージなどにこだわりを持つ方がほとんどです。しかし、自分たちの希望ばかりを取り入れた住宅を建てようと思えば、どんどん住宅の価格が上がっていってしまい、当初予定していた予算をかなりオーバーしてしまう…なんてことも珍しくありません。こういった場合には、「譲れるポイント、譲れないポイント」を明確にして、可能な限り自分たちの予算内に収めるのが望ましいです。しかし、ほとんどの方が住宅ローンを活用することになることから、「月々の返済を頑張れば良い…」などと安易に考えてしまい、予算オーバーの住宅を購入する方も少なくありません。

そもそも、住宅ローンというものは、その仕組みが複雑で、種類や取り扱う金融機関が多いことから、どれを選べば良いのかすら分からない…という方も多いです。そのため、不動産会社の営業マンに勧められるまま、予算オーバーの住宅ローンを組んでしまい、後から住宅の購入自体が「失敗だった…」などと後悔してしまう方がいるのです。
そこでこの記事では、マイホームの購入を失敗しないためにも、皆さんも知っておきたい住宅ローンの失敗例をいくつかご紹介していきます。何も考えずに住宅ローンを組んでしまうと、返済で生活が苦しくなってしまう…なんてことが考えられますので、この記事でご紹介する失敗例は必ず覚えておきましょう。

「住宅ローンの失敗例」をご紹介!

それでは、住宅ローンの失敗例で多いと言われているいくつかの事例をご紹介していきましょう。人生で最も高額なお買い物になりますので、営業マンの言いなりになるのではなく、しっかりと自分で判断できるよう、さまざまな視点からの知識を頭に入れておくのが望ましいと思います。

「頭金ゼロ」で失敗!

住宅ローンを組む場合には、自己資金から頭金を出し、残りを住宅ローンで借りて家を購入するパターンが一般的です。多くの頭金が用意出来れば、それだけ借入金額が少なくなりますので、毎月の返済に余裕ができます。
しかし近年では、超低金利時代などとも言われており、返済負担が少なくなっていることから、頭金をあまり用意せずに住宅の購入に踏み切る方が増えています。住宅を販売する企業の中には「頭金ゼロでも家が購入できる!」などと言った広告を出していることも多く、若い世代の方が早めに戸建住宅を購入するケースも増えているのです。
実際に、現在のような金利の低さであれば、借入金が増えたとしても返済額にさほど大きな差が出ないと感じてしまうことでしょう。例えば、「金利1.4%で、4000万円の家を35年ローンで購入する」場合を考えてみると、頭金を400万円用意した場合、毎月の返済額が「10万8471円」で頭金ゼロの場合は「12万523円」となります。つまり、月々で考えると、1万円強の違いしかないわけです。

これを見ると、「月1万円なら問題ないかな」と考えてしまい、購入に踏み切る方も多いのではないでしょうか。しかし、こういった考えで家の購入に踏み切った方の中には、家庭の事情で1年もたたないうちに住宅の売却が必要になり、その際に家を売ってもローンを返しきれない『担保割れ』の状態になってしまった…という失敗ケースが存在するのです。
住宅というものは、人が住んだ瞬間にその価値が下がってしまうというのを忘れてはいけません。例えば、この場合でも頭金を入れていれば、担保割れになるリスクを回避できたかもしれませんね。

金利選びで失敗!

住宅ローンの金利選びは誰もが頭を悩ます問題です。超低金利と呼ばれる現在では、変動金利は0.5%~0.6%前後の水準と非常に低い金利なのですが、金利が上昇してしまうリスクもあるのです。ここしばらくは、低金利状態が続いていますが、万一金利が上昇してしまった場合には、固定金利で借りた方が得だった…なんてことも考えられるのです。
ちなみに、固定金利に関しては、1%台が中心となっており、こちらも十分低金利と言えます。しかし、変動金利と比較すればやはり高くなってしまいますので、総返済額でみると数百万円単位の違いが生じてしまうでしょう。

金利の失敗に関しては、変動金利で借りていた方が、金利が上がったことに焦って10年固定金利に切り替えたのに、その後すぐに金利が下がってしまい損してしまった…などというケースが多いです。金利の変動に関しては、上がるか下がるかの予想が非常に難しいので、このタイプの失敗例は非常に多いです。
正直な話で言うと、固定金利と変動金利、どちらが得だったかという問題は、結果論でしかわかりません。注意しておきたいのは、返済に余裕がないからと考え、金利が低い変動金利で目いっぱい借り入れするという行為です。この場合、金利が上がってしまうと返済負担が大きくなってしまい、生活がままならない…なんてリスクが潜んでいます。安心なのは、固定金利で無理なく返済できる額を借りるという方法だと覚えておきましょう。

借りた後にの変化で失敗

共働き家庭が増えている現在では、夫婦で力を合わせて住宅ローンを返済していくケースが多いです。夫婦二人分の収入があれば、住宅ローンの返済がかなり楽になりますし、借入額を増やしてより理想に近い家を購入することも可能です。

フラット35などの場合、夫婦2人で1つのローンを借り、それぞれの負担分に応じて住宅ローン控除を受けられます。また、夫婦が別々のローンを組むペアローンなどという方法もあり、理想の家を手に入れるために夫婦の二人分の収入で借り入れ額を決めるという方が多いのです。
しかし、こういった場合には、借入後、育児などを理由に妻側が仕事を辞めてしまうことや時短勤務になることで、当初予定していた収入が得られなくなった…ということが大きなリスクとなるのです。例えば、夫婦が同じぐらいの収入を得ている場合、住宅ローンも半分ずつの割合になっていることも多いです。そのようなケースで、妻側の収入がなくなれば返済がかなり厳しくなってしまうのです。

団信未加入で失敗

民間ローンの場合は団信が必須ですが、フラット35の場合は加入しないでも借り入れする事ができます。フラット35の場合は、団信の保険料が金利に含まれているため、加入しなければ金利が安くなるというメリットから加入しない人もいるのです。
しかし、団信に加入しないことで、返済総額が安くなるとしても、将来的なリスクが残ってしまうということは忘れてはいけません。団信に加入していない場合、借入者に万一のことがあった場合、残されたご家族が返済を続けなければいけなくなるのです。団信はリスク回避のために加入するものですので、目先のお得さに惹かれるのも分かりますが、よほどの事情がない限りは加入しておくのがオススメです。

関連記事:『団体信用生命保険』の基礎知識!団信は絶対に加入しておいた方が良いの?

ボーナス返済に頼りすぎて失敗

住宅ローンは、ボーナス返済を利用することで、返済額が少なくなるというメリットがあります。しかし、これを利用するの場合は少し注意が必要です。
ボーナス返済を増やすほど、毎月の返済額が少なくなり、返済期間を短くすることもできますが、ボーナスの支給は勤務先の業績に大きく左右されてしまいます。多少の減額程度であれば、何とかなるかもしれませんが、今回のコロナ問題のようにボーナスの支給自体がなくなってしまう…なんてリスクもあるのです。
他にも、転職してみると、転職先はボーナスの制度がなかった…なんてこともあり、返済が厳しくなってしまうケースがあるのです。住宅ローンは、こういったリスクを考慮すると、ボーナス返済に頼り過ぎるのはあまりオススメできません。基本的には、月々の返済だけで済むような計画を立てておきましょう。

繰り上げ返済で失敗

住宅ローンは、返済中にまとまった金額を前倒しで返済する『繰り上げ返済』があります。繰り上げ返済は、利息の負担を減らし、毎月の返済負担を軽くしたり、返済期間を短くすることができるというメリットがあります。こういったメリット面から、積極的に繰り上げ返済を考える方も多いのですが、無計画な繰り上げ返済は家計の大きな負担になってしまう場合があります。

実際に、繰り上げ返済をし過ぎてしまい、手元に貯金がなくなって、生活のために金利の高いカードローンでお金を借りなければならなくなった…なんて話も珍しくありません。人生の中では、転職や病気などで収入が減ってしまうこともありますし、万が一のときに困らないように、ある程度まとまったお金を残しておくべきでしょう。
したがって、繰り上げ返済を検討する場合は、万一の事を考えて、少し先の家計に負担が出ないような範囲で行うのがオススメです。

まとめ

今回は、家の購入を検討している方が「絶対におさえておきたい住宅ローンの失敗例」についてご紹介してきました。この記事でご紹介したように、住宅の購入時、非常に心強い味方となってくれる住宅ローンですが、何も考えずに利用してしまうと、将来に大きなリスクを残してしまうことになるのです。特に、何らかの問題で住宅ローンの返済が滞ってしまうと、せっかく手に入れた家を売却しなければならなくなる…なんて、最悪のケースも考えられるのです。

住宅の購入時には、気が大きくなってしまい、想定していた予算を大幅にオーバーしてしまう…なんてことも考えられますので、そういった事が無いように、数十年作まで見据えてしっかりと検討しましょう。