理想のマイホームを手に入れるため!『引き戸』と『開き戸』ってどっちを選んだ方が良い!

今回は、憧れのマイホーム購入の中でも、特に注文住宅をお考えの方に向けて、『引き戸』と『開き戸』それぞれのメリット・デメリットについてご紹介していきたいと思います。 建売住宅を購入する場合、ある程度仕様が決まっていることから、細かなポイントまでは気にする必要がないのですが、注文住宅を建てる場合には、決めなければならないことが非常にたくさんあります。もちろん、家の間取りや外観などに関する重要ポイントに関しては、慎重に打ち合わせを進めていく方が多いのですが、家づくりのポイントの中でも各部屋を仕切る扉などの細かい部分に関しては「そこまでこだわっていたら時間が足りない…」などと考え、「一般的な仕様で構わないかな。」と妥協してしまうような方が多いです。 しかし、室内ドアにどういったものを採用するのかという点は、日々の生活を便利にも不便にもする意外に重要なポイントだと考えておいた方が良いですよ。注文住宅で建てる場合、やはりかけるコストも大きくなりますし、どうせなら自分たちのライフスタイルにフィットした家にしたいと感じる方が多いと思います。 そこでこの記事では、多くの方が「これまで気にしたことが無かった!」部分でもある『引き戸』と『開き戸』についてご紹介します。

『開き戸』の特徴とメリット・デメリット

開き戸 まずは『開き戸』の特徴や室内ドアとして開き戸を選択する場合のメリット・デメリットについて解説していきましょう。「開き戸なんて説明するまでもない」と思うかもしれませんが、きちんと建具としての機能面を知っておくと、どういった場所に採用すべきかが理解できるはずです。 まず、上の画像の様なドアが『開き戸』と呼ばれるタイプで、蝶番やドアクローザーと言った部品を使って、ドアの片側を軸にして前後に開閉できるようになっている扉です。室内ドアとして採用する場合、そのほとんどが扉が一枚の「片開き」の物が採用されています。ただし、玄関など、大きな開口部を設けたいと考えるような場所には、扉を2枚使う『両開き』タイプが採用されます。 なお、『開き戸』でも、通路側から室内に向かって「押す」ように開けるタイプが「内開き」、逆に通路側に引くように開けるタイプが「外開き」と呼ばれます。トイレなどには外開きタイプが採用されることが多いですね。

『開き戸』のメリット

それでは、室内ドアとして『開き戸』を選択する場合のメリットをあげていきましょう。一般的に、以下のようなメリットが開き戸にあると言われています。

  • 製品の種類が豊富 注文住宅を建てる時には、ドア製品の種類が豊富だという事が大きなメリットです。デザインや材質、価格帯など、非常に幅広いラインナップになっていることから、理想のドアが必ず見つかると思います。
  • 防音ドアなど、高機能な物がある 防音室など、何らかの機能的な部屋を作る場合は『開き戸』を選択すべきです。防音ドアなどに関しては、しっかりと隙間を埋められる開き戸タイプのものがほとんどです。最近では、引き戸タイプの防音ドアも登場していますが、経年劣化が早く、すぐに隙間が生じて音漏れが…という声も少なくありません。
  • ペット用ドアを設置するなら開き戸 最近では、室内で犬や猫などのペットを飼っているご家庭が多いですが、ペットが自由に家の中を行き来するためのペット用ドアをつけるなら開き戸タイプとなります。

『開き戸』のデメリット

開き戸のメリットは、豊富な種類の製品から自分に最適な製品を探すことができるといった選択肢の豊富さや、防音性能面など、ドアそのものの機能性の高さがあげられます。しかし、開き戸にもいくつかのデメリットが存在しますので、その辺りはきちんと押さえておきましょう。

  • 「ドアの開閉」のためのスペースが必要 開き戸は、扉が弧を描くように開閉します。これは内開きでも外開きでも同じで、扉が開閉するためのスペースを確保してあげなければいけないのです。なお、扉の前に人が立っている時に勢いよく開けてしまうとぶつけてしまうこともあります。
  • 開閉が難しい時がある 開き戸に取り付けられるドアノブはさまざまなタイプがあるのですが、選ぶものよっては手に怪我をしてしまう…荷物を持っているなんて状態では、ドアの開閉に不便を感じてしまうことがあります。こういった理由があることから、病院などでは開き戸ではなく、引き戸が多く採用されていますね。
  • 手を挟みやすい 小さなお子様がいるご家庭であれば、開き戸タイプの方が手を挟みやすいという点に注意しましょう。勢いよく閉まる扉に手を挟んでしまうと、骨折などの大けがの心配もあります。
  • 風の影響で閉まってしまうことがある 開き戸は、「風」の影響を受けやすい構造をしています。換気のために…と思って扉を開けていても、風の力で扉が閉まってしまうことも多いです。その際には「バタンッ」と大きな音が生じてしまいます。

『引き戸』の特徴とメリット・デメリット

引き戸 次は『引き戸』についてです。上の画像が引き戸なのですが、古くからある日本家屋では、廊下と個室を隔てるのではなく、田の字型に和室が作られており、それぞれの部屋と部屋の間仕切りとして設置されていた『ふすま』をイメージしていただければ非常に分かりやすいと思います。ふすまのように、戸を左右に開放しておけるのが引き戸です。 なお、戸が一枚だけの引き戸を「片引き戸」、ふすまのように2枚以上の引き戸があるタイプを「引き違い戸」、戸袋(とぶくろ)と呼ばれる戸を収納して置けるスペースがあるタイプを「引き込み戸」と言います。引き戸にも意外に種類があると知って驚いたのではないでしょうか。

『引き戸』のメリット

それでは、開き戸を採用することで得られるメリットを考えていきましょう。

  • 換気などをしやすい 引き戸のメリットとしてまず挙げられるのが、戸の開放幅を自由に調整することができる点です。例えば、採光や通風を考えた時には、ちょうど良い位置まで開けておけます。開き戸の場合、風の影響を受けやすいのですが、引き戸は風の影響も受けません。小さなお子様がいるご家族であれば、ちょっとだけ隙間を開けておき、「子が起きたのすぐ気付けるようにする」なんてことも可能です。
  • 部屋の利用用途が広がる 引き戸は、「間仕切りと扉の役割」をその時々で入れ替える事ができるという非常に大きなメリットがあります。例えば、普段は二間続きのリビングとして利用しているという場合でも、来客があった際には引き戸を閉めて客間として利用するなんてフレキシブルな使い方ができます。テレワークが一般化した現在では、夜は家族が集まるコミュニケーションスペースとして利用し、昼間は引き戸で仕切ってワークスペースとするなんて利用方法ができるのが嬉しいと思います。
  • 指を挟む…なんて事故リスクが少ない お子様がいるご家庭であれば、「ドアに指を挟んでしまい大怪我をする…」なんて事故リスクが少ないのも大きなメリットです。引き戸の場合、開け閉めの際に、指を挟んでしまう方が難しいぐらいです。

『引き戸』のデメリット

それでは、引き戸のデメリット面についてもご紹介していきましょう。

  • 鍵付きの物は種類が少なく割高 鍵のついた引き戸もあるにはあるのですが、製品の種類が少ないので、気に入るデザインの物が見つからない…なんてことも考えられます。また、室内ドアとしては割高ですので、特に高機能な訳でもないのに…と損した気分になってしまうかもしれません。
  • 隙間を完全に塞ぐことが難しい 引き戸は、開き戸と比較すれば完全に密閉することが非常に難しいです。そのため、きちんと戸を閉めていたとしても、隙間がどうしても生じてしまいますので、防音性などに不安があります。また、冬場の隙間風や隣の部屋の光が入ってしまう…など、意外なストレス原因も多いので注意しましょう。
  • 戸を引き込むためのスペースが必要 引き戸の場合、戸を引き込むためのスペースが必要で、戸がスライドする範囲は、コンセントなどを設置することができないと考えておきましょう。引き込み戸にする場合は、壁の中に収納する形となるのですが、その場合、戸袋の掃除にかなり手間がかかります。
  • 力加減を間違えると、想像以上に大きな音が出る 引き戸は、開き戸に比べると、開閉時に生じる音は小さいと考えている方が多いと思います。確かに、注意して閉めれば、気になるような音はほとんど生じない静かさが引き戸の特徴なのですが、お子様などが力任せに開閉した場合、意外なほど大きな音が生じてしまいます。
  • 引き込み部分に物があると開かなくなる 引き戸は、扉を閉めている間に、何らかの大きな(長い)物が引き込み部分に倒れ込んでしまうと、つっかえ棒をされてしまったような感じになり、中からは開けられなくなってしまう…なんて失敗が考えられます。普段であれば特に問題ないかもしれませんが、地震などの緊急避難が必要な時にそのようなことになるとパニックになってしまいます。したがって、引き戸の場合は、引き込み部分周りには何も置かないようにしましょう。

まとめ

今回は、これから注文住宅を建てようと考えている方に向けて、『引き戸』と『開き戸』それぞれの特徴やメリット・デメリットをご紹介してきました。この記事でご紹介したように、注文住宅を建てる際には、考えなければならないポイントが非常に多く、家の間取りやデザインなど全体的な部分は慎重に考えるものの、「室内ドアは一般的な仕様でいいや…」と妥協してしまう人も少なくありません。しかし、その小さな妥協から、実際に住んでみると「ドア部分が不便に感じる…」「ドアを閉めていても音漏れがする…」なんて残念な結果を招いてしまう訳です。 室内ドアを『引き戸』にするか『開き戸』にするか…などと言った事は、非常に小さなポイントに見えますし、家の使い勝手には関係ないでしょ…と考えてしまう方も多いのですが、上述したそれぞれのメリット・デメリットを見てみると、実生活に非常に大きな影響を与える部分なのだということが良く分かると思います。 したがって、実際に家を建てるときには、プロの設計士さんに細かなポイントまでアドバイスしてもらうようにしましょう。その際には、デザイン面を重視したいのか、機能性を重視したいのかをご家族間で話し合っておき、自分たちが重視したいポイントを設計士さんに伝えると良いでしょう。そうすることで、設計士さんも的確なアドバイスを送ることができるようになるのです。 むとうの家では、女性目線で家の使い勝手を考えられるコーディネーターも在籍していますので、家事導線を考えた注文住宅を建てたいと考える方は、お気軽にお問い合わせください。 関連:女性目線で考えた家づくり!生活動線を考えた理想の住まいづくりのポイントをご紹介!【第一弾】